海外に住んでいる日本人の中には、現地ガイドで副収入を得ている人も多くいます。しかし、報酬は少なく拘束時間が長いのが残念なところ。そこで、ここでは現地ガイドと親和性の高い旅行ライターを兼任して収入を稼ぐ方法をご紹介します。
近年増加の海外在住現地ガイドとは
2010年代より徐々に増えてきた「海外在住現地ガイド」。海外に暮らしている日本人が副収入を目的に、日本からやってくる旅行者に対して現地ガイドサービスを提供しています。
一般的には旅行会社催行のオプショナルツアーに参加する人が多いですが、旅慣れている方の中には、現地ガイドに依頼して穴場のスポットやローカルな場所を案内してもらう、独自の旅のしおりを求めている人も多くいます。
現地ガイドの専門ポータルサイトもあるが、懸念点も多い
観光サイトの中には、世界の各年に在住する現地ガイドを仲介する専門のポータルサイトもあります。有名どころで言えば「ロコタビ(https://locotabi.jp/)」が該当し、海外在住者ならば誰もが無料で登録し、現地ガイドのサービスを提供することができます。
しかし、ポータルサイトの売上やマーケティング戦略によって、受注案件数は大きく上下するのがデメリット。実際上記ロコタビは日本最大手の海外現地ガイドの仲介サイトですが、経営が傾いた2022年現在は上場企業に買収されています。
また、現地ガイドの需要はそこまで高い方ではないため、自身の個人ブログで募集をしても、なかなか収益を上げることはできないのが現状となります。
現地ガイドは報酬と拘束時間がアンバランス
現地ガイドを依頼する旅行者の中には、「旅行会社のツアーよりも安いから」という理由で申し込む人も多くいます。しかし、旅行会社のツアーのように定型化されていない現地ガイドは、経費が多くかかってしまうため、報酬が低く拘束時間が長くなってしまいがちです。
日給5000~7000円が相場となりますが、すべて自分で段取りから現地ガイドまで済ませなければならないため、収入を増加させることも難しいことが挙げられます。
現地ガイドと親和性の高い仕事を並行する
その一方で、海外在住者の中には「日本人に現地の魅力をたくさん知ってほしい」という考えで現地ガイドを行っている人もいます。そのような人は、現地ガイドをやりながら、親和性の高い仕事を見つけてみるのはいかがでしょうか。
海外現地「旅行会社」のアルバイト。コロナ後は需要増
海外に本店・支店を置く日本の旅行会社も、今回の新型コロナで直撃を食らい、なかなか立ち直れない様子が伺えます。日本人旅行者が戻るまでは、各旅行会社は正社員の雇用を控えて、雇用契約のないアルバイトやパートを募集しています。
海外現地にはフリーランス(自由業)や駐在員妻など、空き時間にできるアルバイトを探している人が多いため、旅行会社のアルバイトは非常に人気となっています。アルバイトは細かな時間の束縛がないため、現地ガイドの仕事を並行することも容易です。旅行会社で知り得た観光スポットや穴場のお店を現地ガイドのルートに組み込んだりと、親和性は非常に高いと言えるでしょう。
特別なスキル不要「旅行ライター」
海外現地在住者に高い人気を誇る「ライター職」。現地発刊の日系フリーペーパーや雑誌でライターが募集されていても、すぐに応募が打ち切られてしまうほど高い需要を誇ります。
旅行記事を会社に提供するライターは会社に属さないフリーランスとなるので、現地ガイドの案件を自由に入れることができますし、現地ガイドの仕事と比較すると毎月の収入が安定しているので、生活の土台を築くことができます。
現地ガイドと旅行ライターを比較。仕事内容・収入・将来性
現地ガイドと旅行ライターは並行して仕事ができる数少ない職種です。旅行ライターは自宅やカフェが普段の職場となり、パソコン1台あればどこでも仕事ができるのが大きな特徴となります。
また、それ以外にも現地ガイドと比較した際、下記のような違いを確認することができます。
旅行ライターの収入事情。毎月安定した報酬を確保できる
雑誌書籍といった紙面媒体の執筆案件は単発依頼が多いですが、旅行ライターが普段執筆する旅行記事は、旅行会社や観光情報サイトがSEO対策(Google検索順位上位表示を狙う施策)のために必要となる記事のため、SEOの性質柄毎月案件が発生します。
旅行記事はWEBサイトでネット集客をする上で必要不可欠の要素となるので、記事の品質が良ければ、そうそう契約解除されることもありません。旅行ライターによっては、「もう10年以上毎月依頼をもらい続けている依頼主がいる」という人も多くいます。
一方で現地ガイドは単発案件となるので、次にいつ案件が発生するのかわからないのが欠点と言えます。
現地ガイドと旅行ライターの将来性の違い
上述したように、現地ガイドはどんなにたくさん案件が発生しても、それはガイド需要が高まっていることが要因であり、単発案件には変わりありません。自身がガイド登録しているWEBサイトがサービスを終了してしまったり、サイト自体が閉鎖してしまうと、翌日から案件はゼロとなります。
一方で旅行ライターは通常5~10社程度の依頼主と取引しているので、1社2社契約が解除されても、即生活が傾くことは考えにくいと言えます。
また、旅行ライターは自身でブログや旅行情報サイトなどを運営することができるのも特徴です。最初のWEBサイト制作費用はかかりますが、それ以外のSEOコンテンツは自分で作ることができるので、長期的には大手の旅行会社を相手にするほどの大規模サイトに発展させることも夢ではありません。
これから海外移住希望者にもおすすめ「現地ガイド+旅行ライター」を本職にする方法
実は旅行ライターの傍ら、現地ガイドを副業でこなしている海外在住者は少なくありません。現地ガイドの場合、一般の旅行者よりもビジネス出張者を相手にすることによって報酬が弾んだり、市場調査の依頼を別口でされることがよくあります。
また、自分自身で運営している旅行サイトや個人ブログ上で、現地ガイドの予約フォームや広告バナーを作り受注することで、仲介手数料を支払う必要なく利益をすべて獲得することができます。
自分の運営サイトを拡大して現地ガイドのコーポレートサイトに発展させることも
現地ガイドと旅行ライターの二足のわらじをさらに発展させるとしたら、いっそのこと自分で現地ガイドのコーポレートサイトを運営するのもいいかもしれません。現地ガイドは収入面で不安がありますし、この先何十年と続けられる仕事か否かは不明です。
そのため、自分が海外在住現地ガイドを集めて、運営・管理する側に回るのはどうでしょうか。上述したように、SEO対策となる記事は旅行ライターのスキルを活かして自分で書くことができるので、サイト維持費はそれほどかかりません。
もちろんWEBサイトが成長するまでは数年単位で時間がかかるので、それまでは旅行ライター及び現地ガイドで生計を立てることになるでしょう。
旅行ライターの強みは「旅行関連であれば多様なビジネスモデルが考えられる」こと
今回は現地ガイドの概要をはじめ、ガイドのデメリットを補う旅行ライターの職種を紹介しました。ここでご案内したように、旅行ライターは単に旅行記事を書くだけではなく、SEOコンテンツを自身で制作できることが強みとなります。旅行関連のWEBサイトであれば、すべてにおいてビジネス展開させることができます。
自分で考え抜いたビジネスモデルを具体化できるのはフリーランス・自由業の強みでもあるので、是非旅行ライターの特徴を活かした事業を吟味してみてください。