トラベルライターとして取材案件発生。賢い経費節約の仕方
トラベルライターとして取材案件発生。賢い経費節約の仕方

トラベルライターとして取材の仕事が入ってきたら、まずは報酬を確認。そして、引き受けるならば、記事の納品までに必要な経費を計算しなければなりません。

単純に取材にかかる経費だけを足し算していくと、支出が経費を上回ってしまうこともざらにあります。そこで、今回はトラベルライターとして知っておくべき経費事情及び経費の節約の方法、そして、経費の賢い使い方をご紹介します。

まず最初に取材の案件の受注方法を知ろう

まず最初に取材の案件の受注方法を知ろう

トラベルライターとしての取材案件は基本的に日本国内、海外在住に関わらずメールで問合せがきます。最初のメールには取材案件の詳細と納期、報酬、経費の有無が細かく記載されているのが普通で、そのメールの内容を読んで案件を受注するか否かを決めることができます。

当案件を受注するか否かを決める基準はトラベルライターによって異なるかと思いますが、下記をクリアしている案件であれば、引き受けるようにするといいでしょう。

  • 自分の知識と取材を通して書くことができる分野か否か
  • 文章力や実績が求められる場合は、条件をクリアしているか
  • 納期に確実に間に合うか
  • 日給換算して、割に合うか
  • 取材でかかる経費がどこまで出るか

上記を検討してみてください。特に文章力が求められる場合は、メールが来て即受注ではなく、ポートフォリオで文章の審査が入ります。経済紙や新聞社からの依頼でよくあるパターンです。

ポートフォリオを提出するときは、ワードで打った文章を提出します。ウェブサイトにアップされている記事や、雑誌に掲載されたページのPDFを送りたくなりますが、これだと編集の手が加えられているため、再提出を求められることが多いです。

最初から校正前の文章を提出すれば、クライアントも「このライターさん分かってるね」と印象が良くなるかもしれませんよ。

そもそもトラベルライターの取材で経費はどこまで出る?

そもそもトラベルライターの取材で経費はどこまで出る?

まず前提として、トラベルライターに問い合わせてくる依頼主は、経費をあまり使いたがりません。そもそも取材経費がたくさんあるのであれば、自社スタッフの取材班やライター、編集者に行かせるはずです。

それをしなく、フリーのトラベルライターに依頼するケースというのは、①自社内に取材できる人材がいない、②経費が出ないため、最低報酬でフリーのライターに依頼したい、のいずれかとなります。

①の場合は観光サイトのようなIT企業に多く、100%ウェブサイトで収益を上げていて、雑誌や書籍には手を出していない企業が主となります。

そのため、普通の観光旅行記事に対して出る経費はまったくないか、それほど多くないかのどちらか。「経費で豪遊」というのはなかなか難しいのが現実です。

経費が出るパターン

ただし、上記のような条件であっても、絶対に経費が出ないわけではありません。例えばレストランの取材に当たって、必ず料理の写真が必要な場合は、経費申請をすることができます。

また、記事のテーマを自分で自由に決めるのではなく、依頼主が決める場合もそれにかかる経費は一部を申請することができることもあります。

例えば取材の中でインタビュー記事を求められる場合があります。現地在住者の生活の様子を紙面媒体に掲載したり、海外で働く企業の社長へのインタビュー記事などが該当しますが、その場合、インタビュー対象者への謝礼を出す必要の有無も考えなければなりません。

謝礼に関しては経費で5000円程度出る場合が多く、もし渡さないで済むのであれば、この経費を移動費などに充てることができます。

経費がたくさん出るときは絶対に案件を受注する

経費がたくさん出るときは絶対に案件を受注する

その他には、「人気雑誌に掲載する記事の取材」、「早急に納品してほしい緊急の取材」といった案件の場合は、比較的多くの経費が出ます。トラベルライターが使える経費は主に下記項目となります。

取材対象者への謝礼

取材対象者への謝礼は5000~1万円が相場となります。謝礼の経費は報酬に含まれることが普通なので、もし相手が謝礼を受け取らない場合は、そのまま自分への報酬に含めることができます。

自宅から取材先までの往復の移動費

移動費は自宅から取材先までの往復費用が出ます。例えば自宅から空港までのタクシー代や航空券代も経費で出ます。海外の取材に対して「タクシーは高いからバスでお願い」とは言われませんのでご安心ください。

料理や施設入場料など、取材で必ず必要となる支出

レストラン取材の場合は対象の料理、それ以外では博物館やエンタメ施設の入場料などが経費申請することができます。東南アジア圏では博物館の類は安いですが、遊園地のような施設の入場料は意外と高いので助かります。

最低宿泊日数にかかる費用

例えばタイのバンコクへの取材が発生した場合は、最低1泊か2泊は現地滞在が必要となるでしょう。経費で申請できるのは1泊5000円程度が相場となります。

これは「じゃあ1泊1万円のホテルに宿泊するから、5000円出してもらえる」というわけではなく、5000円以下のホテルを探すのが普通です。

ただし、依頼主によってはその限りではなく、「2泊分の宿泊費も報酬に含めるから、ホテル選びはご自由にどうぞ」というところもあります。この場合は宿泊代の領収書は不要となります。

経費を申請する場合は、領収書が必ず必要となります。海外案件の場合はレシートでかまいません。申請するときはレシートに日本語で内訳を記載してください。

絶対に覚えておこう!賢い経費の利用方法

絶対に覚えておこう!賢い経費の利用方法

経費が出る案件の場合は、案件以外の複数の取材をまとめてこなすのが賢い方法。

特に遠方取材で航空券も経費で落ちる場合は、単純に移動費の負担が減るので、現地で仕事を終えた後は、引き続き滞在して観光地を取材しておけば、写真ストックを貯めることができます。

依頼主には特に嘘をつく必要はなく、「仕事を終えたあとは現地で取材を続けたいので、航空券の復路は日付けが変わります」と事前に連絡しておけば問題ありません。

宿泊先のホテルは必ず取材をする

経費で宿泊費用が落ちる場合、認められる金額ぎりぎりまで使いたいのが本音。例えば5000~1万円程度の経費が認められるのであれば、東南アジアであれば最低3つ星、場合によっては4つ星レベルに宿泊することも可能です。

日本人旅行者が多く訪れる観光地のホテル記事というのは、必ずどこかで使うことができるので、宿泊先を決めたら、ホテル側に撮影取材を申し込むといいでしょう。

場合によっては部屋をアップグレードしてくれたり、レストランやスパのバウチャーを貰ったりすることもできます。

エンタメ取材の場合は“Press”として行くのがおすすめ

エンタメ取材の場合は“Press”として行くのがおすすめ

ナイトショーや遊園地など大型の商業施設への取材をする場合、事前に取材依頼をしてPress入場(記者として)すると、入場料を支払う必要がありませんし、一般の人は撮影できない場所でも警備員に制止させることなく撮影取材を行うことができます。

エンタメ施設の場合はレシートが出ないので、経費申請する際は料金が表示された半券かウェブサイトに掲載されている料金、もしくは口頭などで依頼主に経費申請をします。

Press入場すれば料金はかかりませんので、申請した費用を浮かせることができます。ただし、Pressとして入る場合は、事前問合せが必須となります。

報酬と経費を総合的に考えよう

報酬と経費を総合的に考えよう

トラベルライターの取材報酬はそれほど高いものではありません。1日撮影をして、半日かけて書いた記事も、報酬は5000円から1万円程度ということもざらにあります。

そこで、経費申請が一部でも認められるならば、報酬の水増しができますし、トラベルライターにとっては非常に切実な問題。

また、お金をただ浮かせるのではなく、大切なのはお金をかけずに行った取材先で、複数の旅行会社に記事を提出できるくらいの量の写真と現地情報を集めることとなります。

経費が出る案件は、多少報酬が低くとも引き受ける価値がありますので、積極的に受注するようにしましょう。

トラベルライターとして取材案件発生。賢い経費節約の仕方
最新情報をチェックしよう!