旅行ライターを目指す人必見!出版社との付き合い方

旅行ライターを長年続けているベテランならば、知り合いの編集者や出版社に勤める人との繋がりができますが、そうでない駆け出しの旅行ライターは、出版社との一期一会の出会いを重要視したいところ。

そこで、今回は旅行ライターと出版社や編集プロダクションとの関係性、及び付き合い方や、おすすめの持ち込み企画の方法をご紹介します。

旅行ライターが経験を重ねると、出版・編集関係の人と繋がりができる

旅行ライターが経験を重ねると、出版・編集関係の人と繋がりができる

旅行ライターとして3年、5年と仕事をこなしていると、幾つか雑誌や書籍関連に携わる依頼も引き受けることになります。旅行雑誌や移住雑誌、海外ビジネス雑誌であったり、書籍に関しては自著でなくとも、ビジネス本や有名作家の本の巻末コラムなどへの執筆は、それほど難易度が高い案件ではありません。

一緒に仕事をした出版社・編集プロダクションの担当者と良好な関係を築き、先方の求める品質の記事を納品することができていれば、必然と次の案件の話も出てくることでしょう。

仲間意識の高い編集者と信頼を築く魅力

仲間意識の高い編集者と信頼を築く魅力

出版社、編集プロダクション問わず、一冊の本を製作するにあたってどのようなメンバーを編成するかは、編集者の性格が色濃くでます。

低予算制作を重要視するような編集者であれば、相見積もりをとったりするので、同じシリーズの雑誌・文庫であっても毎回メンバーが変わることもあります。

一方で仲間意識が高く、お互いの信頼を重要視している編集者がリーダーの場合は、ライター、カメラマン、通訳、コーディネーター、デザイナーと毎回メンバーが固定されていることもあります。お互いがそれほど関わることはありませんが、それでもミーティングなどで馴染みの顔ぶれが並んでいると、心なしか安心するものです。

旅行ライターの第一歩は企画の持ち込みで自分を売り込むことからはじめよう

旅行ライターの第一歩は企画の持ち込みで自分を売り込むことからはじめよう

旅行ライターとして日々ウェブライティングの依頼をこなしていると、ウェブサイトにアップされた記事を見かけた編集者が問合せをしてくれるかもしれません。

そのため、旅行サイトなど本業の執筆においては、できるだけ実名を公開してもらうようにしましょう。また、自分で問合せの窓口となるFacebookアカウントやブログなども用意しておくことも忘れてはなりません。

しかし、問合せをただ待つだけではいつまで経っても芽が出ないかもしれませんので、自分から出版社や編集プロダクションに営業をかけなければなりません。

企画書は自分の自己紹介

昨今は出版業界も遮蔽産業となりつつあり、特に趣味・娯楽系の雑誌メディアはなかなか売れ行きがかんばしくありません。そのため、素人が企画を売り込んでも、そのアイデアが採用されるのは非常にハードルが高いと言えます。

ただし、出版社・編集プロダクションは本作りをやめるわけにはいきませんので、常に企画の持ち込みは歓迎してくれますし、海外在住であれば、それを利点に何かしらの制作の依頼をしてくれるかもしれません。

企画書というものの、メインは自分のキャリアやこれまで請け負った実績、カメラとレンズの機種を伝えるくらいでもかまいません。

実績を記載する上での注意点

編集者によっては、ライバル紙と仕事をしている人とは付き合わない、という人も少なくありません。

編集プロダクションの世界はそれほど大きくありませんし、横のつながりもありますので、「〇〇の編プロの社長は、もともと私と仕事をしていた人」といったことも。もし明らかにライバル紙への実績がある場合は、記載しない方がいいこともあります。

持ち込みといっても、メールで問題なし

作った企画書は出版社や編集プロダクションに持ち込みをしますが、これはあくまでも提案という意味であって、実際企画書をプリントアウトして事務所に持ち込むわけではありません。すべてメールでやりとりすることができます。

メールの場合の注意点は、企画書と併せてサンプル写真やPDFを送るさい、容量が大きくなりがちです。3MBを超えるようなファイルを送るのはマナー違反とされているので、サイズが大きくなるようであれば、圧縮するかファイル便のような送信サービスを利用して、URLを送付するといいでしょう。

出版社・編集プロダクションが要望するカメラのスペック

ウェブサイト上に掲載する写真であれば、高機能レンズを使っているスマホでも十分使うことができますが、雑誌のような紙媒体として印刷する場合は、どうしてもスマホのスペックでは解像度に難があるので、一眼レフで撮影する必要があります。

一眼レフの場合はフルサイズである必要はなく、APS-Cでも構いませんし、昨今流行りのミラーレスでも問題はありません。

ただし、ホテルやスパといった狭い部屋で撮影する場合に備えて広角レンズは必ず必要であることと、料理の拡大写真を撮影するためのマクロレンズも準備しなければならないことは覚えておきましょう。

出版社・編集プロダクションに企画書を送る際には、自分の持っているカメラスペックも記載するのが普通ですが、場合によっては写真のサンプルを送ってくれ、と言われることもありますので、自信のある写真を撮り溜めしておくといいでしょう。

1度一緒に仕事をした編集者とは人間関係を築いておく

1度一緒に仕事をした編集者とは人間関係を築いておく

出版社や編集プロダクションは非常に流動的で、編集者の入れ替わりも早いです。一度一緒に仕事をした編集者と定期的に連絡をとっておけば、「別の編集プロダクションに転職したんですが、〇〇さんに合う企画があるので、お仕事の依頼してもいいですか」といったメールが来るかもしれません。

海外在住ライターは出版社との関係構築に有利な理由

海外在住ライターは出版社との関係構築に有利な理由

出版社や編集プロダクションとの関係構築においては、海外在住ライターは国内旅行ライターと比べて圧倒的に有利となります。

まず、アジア欧米問わず、海外に居住していて、旅行ライターを専業として活動している人は、実はそれほど多くはありません。大抵は旅行会社のスタッフや、駐在員の奥様方となるので、出版社や編集プロダクションもなかなか依頼しにくい現状があります。

出版社の中には現地の旅行ライターが見つからず、仕方なく旅行会社や出版社に取材や執筆の依頼をすることもしばしばあるほどです。そこで、例えば「マレーシアのクアラルンプールに在住しています。

マレーシアであれば、全国どこでも取材できますし、近隣諸国への取材も可能です」というだけで、編集者にとってはマレーシア案件の仕事はその旅行ライターに頼みやすくなります。

海外現地の旅行会社、出版社から仕事を請け負うこともできる

海外在住の旅行ライターであれば、日本国内の出版社はもちろんですが、居住国の日系旅行会社や出版社とも直接会って、必ず名刺交換をしておきましょう。

上記でご説明したように、専業の旅行ライターというのは海外では非常に珍しい存在なので、事前に連絡さえしておけば、ほぼ100%編集長クラスの人とアポをとることができます。

また、海外旅行先の旅行会社の事務所やツアーデスクに行けば、よく見かけるパンフレットや無料の観光冊子といったフリーペーパーも、経験のない人達が自作をしている場合がほとんどです。

そこでプロのライターとして挨拶すれば、先方にとっては渡りに船。フリーペーパーの制作だけではなく、ウェブサイトの記事更新やホテルの取材なども追加で依頼してくれるかもしれませんよ。

1年に1度でも繋がりのある編集者に挨拶のメールを送ろう

1年に1度でも繋がりのある編集者に挨拶のメールを送ろう

本の依頼はそうそうあるものではありませんが、そのシリーズが人気になれば予算も多くとることができますし、第二弾、三弾と続きますので、その際に「今回もあのライターに依頼しよう」と思ってもらえるよう、1年に1度でもいいので、挨拶のメールを送っておくのがいいでしょう。

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