ライターといえば文章を書くのがメインとなる仕事ですが、トラベルライターの場合は、カメラによる撮影も必要となってきます。

しかし、カメラといってもスマホでいいのか、それとも大袈裟で高価な一眼レフを用意しないといけないのか、分からないことはたくさんありますよね。

そこで、今回はトラベルライターに必要なカメラやレンズ、機材をご紹介したいと思います。

トラベルライターなのに写真撮影が必須?

「写真撮影はカメラマンの仕事でしょ?」と思うかもしれません。例えば雑誌の見開きや大きなサイズの写真を使う場合は、別途プロのカメラマンが撮影に現地に行く場合もあります。

しかし、WEBサイトに使う写真や白黒の書籍や文庫程度であれば、基本は経費削減のためトラベルライターが引き受けるのが一般的です。ちなみに写真撮影に関する経費は記事の報酬・原稿料に含まれていることが普通です。

旅行記事というのは、正直言うと写真ありきの商品となるため、文章だけを売る、ということはなかなか通用しません。

クライアントによっては商用の写真を納品することも可能ですが、旅行会社がクライアントの場合は、基本的に自分で撮影したもののみを納品することになります。

ただ、ホテルやスパ、エンタメ施設の一部は取材先からもらった商用写真で対応することも可能です。

スマホで撮影した写真は使える?

プロのトラベルライターとして、「スマホで撮った写真は使えないよね……」と考える人は多いかもしれません。しかし、実は場合によってはスマホの写真でも十分使うことができます。

例えば上述したWEBサイトや文庫の小さなモノクロ写真であれば、スマホ写真でも対応ができます。スマホと一概に言っても、安いものはすぐぶれてしまいますし、色が潰れてしまうことも多々あります。

iphoneクラスのスマホカメラであれば、画質は十分なので普通に使うことができるでしょう。

ただし、よく勘違いされるのですが、カメラのスペック表記でよく使う「画素数」は、WEBサイトであっても1200万もあれば十分すぎますし、もっと言えば50万画素でも問題ありません。

スマホのカメラがデジカメや一眼レフにどうしても劣ってしまうのは、画素数ではなく『解像度』となります。一般的に人が写真をみて「画質が綺麗だね」というのは、画素数ではなく解像度が高いからということは覚えておきましょう。

デジカメ、ミラーレス、一眼レフの違い

トラベルライターが写真を撮影する場合、撮影機器はスマホ以外に「デジカメ」、「ミラーレス」、「一眼レフ」の3種類が考えられます。

一般の方が指すレンズ内蔵型のデジカメは、業界の中では「コンデジ」と呼ばれていて、通常デジカメはデジタル一眼レフを意味することも覚えておいてください。

ミラーレスはここ10年で飛躍した新しい規格のデジカメとなり、コンデジと一眼レフの中間の位置づけ。レンズの取り外しが可能で、オート・マニュアル切り替えが可能。

年々センサーサイズも改良されていて、高価格帯のミラーレスになると、APS-Cのセンサーサイズを使っている製品もあり、10万円以下で買える初心者向けの一眼レフと比べても遜色ないスペックとなっています。

一眼レフはAPS-Cサイズとフルサイズの2種類に大別することができ、フルサイズは基本的に10万円以上する高価な製品となります。プロのカメラマンはフルサイズの一眼レフとAPS-Cのミラーレスを併用している人が多いようです。

トラベルライターが持つべきカメラ

トラベルライターが持つべきカメラは「ミラーレス」と「APS-C一眼レフ」の2つということができます。

また、カメラ機能が高いスマホをお持ちの方は、そちらも利用可能です。ミラーレスは冒頭でご説明した通り、レンズを取り換えることができるので、シーンに合わせて撮影することが可能。

屋外ツアーに参加したり、荷物を軽くしたい高原地帯のトレッキングや、あまりカメラを露出したくない場合などは、すべてミラーレスで対応することができます。

ただし、ミラーレスは一眼レフと比べてまだ歴史が浅いため、レンズのラインナップが少ないことが欠点です。

一眼レフとミラーレスの両方のレンズを揃えるとなると、何十万円もかかってしまうので、「レストランの取材をするときはミラーレス」、「町の風景や人を被写体にするときは一眼レフ」と自分なりに使い分けるといいでしょう。

トラベルライターなら、最低これだけは用意してほしいレンズを紹介!

ミラーレス、及び一眼レフの最大の魅力はレンズを交換できることにあります。すべてのレンズを揃えていては、お金がいくらあっても足りませんので、ここでは「これを持っておけばトラベルライターとして仕事が成立する」というレンズをご紹介します。

10-22mm広角レンズ

トラベルライターとして、これがなければ仕事ができないというレンズがこちらの広角レンズ。

トラベルライターの取材対象として挙げられる「ホテルの客室」や「スパのマッサージルーム」、「レストランの個室」などは部屋面積が狭いため、全体写真を撮影するときに後ろに下がることができません。

広角レンズは広い画角で撮影することができるため、狭い部屋での撮影取材には必須のレンズとなります。ただし、広角レンズは通常レンズよりも値段が張るほか、写真の両端が丸くなってしまうため、人などの被写体を撮影するさいは注意が必要です。

単焦点レンズ

一般的にはレンズを回してズームイン&アウトを調整するイメージですが、単焦点レンズは撮影距離が決まっています。

単焦点は「シンデレラレンズ」とも呼ばれているように、初心者でも美しい写真を撮影することが可能。トラベルライターでは人や料理、雑貨、お土産といった撮影で非常に活躍してくれます。

180~200㎜のズームレンズ

一眼レフカメラを購入すると、標準レンズと一緒についてくるズームレンズ。大抵は180~200㎜ですが、これで十分。

被写体を真ん中に置いて撮影すれば、背景が勝手にぼけてくれることが多いので、人を被写体にした撮影でも有効です。400mm以上の筒型レンズはかなりマニアックになるので必要ありません。

あったらより仕事が捗るマクロレンズ

マクロレンズとはレンズを被写体に限りなく近づけて撮影することができる特殊なレンズ。トラベルライターとしてはレストランの料理を撮影するシーンで使います。

単焦点でも賄うことはできますが、あまり近づけるとピントが合わなく、シャッターを切ることができないため、ある程度妥協する必要が出てくるかもしれません。マクロレンズであればどんなに近くともしっかりとピントを合わせることができます。

トラベルライターが準備するべき撮影機材

トラベルライターが撮影取材をするにあたって、これがあれば便利という撮影機材があります。ここでは安価に買えるものを中心にご紹介します。

三脚

基本的に三脚は必須に近いと思ってください。スパや博物館のような暗がりな場所や、夜間の撮影ではプロのカメラマンであっても三脚無しでは手振れしてしまいます。

ストロボ

デジカメであれば、ほぼすべてのカメラにフラッシュは内臓していますが、内臓ストロボは正面にしか使うことができません。ストロボは多くの場面、天井に向けて光の屈折を利用しますので、向きができるタイプのストロボを別途購入するのがおすすめです。

予備バッテリー

一日外出して撮影取材をすると、到底1つのバッテリーだけでは足りません。最低でも2つか3つは予備バッテリーを用意しておくといいでしょう。

カメラが使えるようになれば、さらに仕事の幅も広がる

トラベルライターとして広く仕事を請け負いたいのであれば、カメラの知識やスキルはあるに越したことはありません。

特に旅行のガイドブックの仕事は広角レンズが必須となりますので、ない場合は引き受けることができない場合も多々あります。トラベルライターにとってカメラは重要なパートナーであることを知っておくといいでしょう。

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