トラベルライター(旅行ライター)を志望する人もここ数年で増加し、1つの職種として認知されてきました。そこで、今回はトラベルライターに転職するメリットとデメリットをキャリア10年以上のベテランライターが具体的に解説します。
- 1 トラベルライター(旅行ライター)への転職希望者が近年増加中の背景
- 2 トラベルライターに就職・転職する最初のステップ
- 3 トラベルライターのメリット:「旅することが仕事」
- 4 トラベルライターのメリット:特別なスキル・資格は不要
- 5 トラベルライターのメリット:多種多様なビジネスプランの実現
- 6 トラベルライターのデメリット:社会的地位が確立していない
- 7 トラベルライターのデメリット:最初は初期費用が掛かる
- 8 トラベルライターのデメリット:旅行と取材の両立は大変
- 9 トラベルライターになりたい人は将来設計を事前に考えるのがおすすめ
- 10 まとめ:トラベルライター(旅行ライター)に転職するメリットは多い!まずは実践してみて
トラベルライター(旅行ライター)への転職希望者が近年増加中の背景
近年はトラベルライター(旅行ライター)への就職・転職希望者が増えてきました。新型コロナ禍では一時低迷したものの、2023年以降は旅行需要の回復とともに、これまでの生活のあり方を見直し、多様な仕事・生活を求める人が増加傾向にあります。
特にIT企業に勤める人の中には「コロナ後から職場の出社義務がなくなった」と会社の承諾を得て海外に移住し、打ち合わせはオンラインミーティングで済ますといった新しいビジネススタイルを実現する人もいます。
旅行記事だけではない。トラベルライターの仕事内容
トラベルライターと言えば「旅行記事を書く」ことだけを想像している人もいるかもしれませんが、旅行記事の執筆は数ある業務の1つに過ぎません。
トラベルライターを本業にして活動するのであれば、旅行記事の執筆以外にも「観光地の撮影」、「インタビュー取材」、「市場調査」、「翻訳」、「Webサイトの運営」なども業務の一環として携わることになります。これらすべて含めてトラベルライターの業務であり、収入源となることを覚えておいてください。
トラベルライターに就職・転職する最初のステップ
トラベルライターはフリーランスとなるため、就職するにあたり面接や資格は必要ありません。名刺を作れば肩書ができますので、あとは仕事を請け負うだけ。トラベルライターの仕事だけで生活ができるようになれば、胸を張って「プロ」と言えるのではないでしょうか。
ちなみにトラベルライターに就職した最初のうちは、ビジネスマッチングサイトで案件を獲得していくとともに、自身でブログやSNSを運用し、企業からの問い合わせ窓口を増やすようにしていくと良いでしょう。
トラベルライターのメリット:「旅することが仕事」
トラベルライターの最大の特徴でありメリットとなるのが「旅して収入を得る」ことです。旅行が苦手だと飛行機に乗るのが億劫になってしまいますが、旅行好きならば誰もが天職として楽しんで仕事ができるはずです。
「そんな甘い話はないよ」と勘繰る人もいるかもしれませんが、旅行記事の依頼は旅行会社、観光サイトの運営企業、市場調査会社など多業種に及びます。依頼企業にとって、現地を撮影取材できるフリーライターの存在は非常に重宝しますし、信頼を勝ち取ることができれば、旅行記事以外のWeb記事に纏わるあらゆる執筆を任せてもらえるので、長期契約も可能です。
トラベルライターのメリット:特別なスキル・資格は不要
トラベルライターは上述した通り、名刺さえ作れば誰もが仕事を受注できますし、肩書を名乗ることができます。資格を取得する必要もあれませんし、エンジニアのようなプログラミングの知識・スキルも不要です。
そのため、トラベルライターに就職・転職するにあたっての最初の敷居は他の職種と比較すると大分低いと言えるかもしれません。
スキルと知識を培い収入をアップさせるのが大切
トラベルライターは特別な資格やスキル不要で始めることができますが、長く続けるにあたっては収入を上げることも大切です。
- SEO対策の知識
- SEO対策を考慮した記事の執筆
- 日本語文章能力
- 旅行以外の政治経済生活情報
といった知識・スキルを培うことで、新しい仕事の受注に繋がりますし、より高い報酬を得ることができます。
トラベルライターのメリット:多種多様なビジネスプランの実現
フリーランス・個人事業主として仕事をする上で、「つぶしがきく仕事」、「将来性がある仕事」であることは非常に重要なポイントです。トラベルライターで旅行記事の仕事を思うように受注できない場合は、
- 旅行以外の記事の執筆(SEO記事)
- 動画&SNS配信
- ブログ更新
- 市場調査や翻訳業務の受注
などにより生計を立てることも可能です。上記業務はいずれもトラベルライターと親和性が高く、長くライター業を続けることで自然と培われるスキル・ノウハウでもあります。
トラベルライターのデメリット:社会的地位が確立していない
トラベルライターのようなフリーランス・個人事業主はまだまだ社会的地位が低く、周囲から「その仕事大丈夫?」、「将来が不安」といったネガティブな言葉をかけられることもしばしばあります。
ただし、近年は日本国内においてもフリーランスの人口が増加しており、着実に受け入れられ始めています。今後もトラベルライター以外にも多様なビジネスモデルが増えてくることでしょう。
トラベルライターのデメリット:最初は初期費用が掛かる
トラベルライターに就職・転職するにあたって必要な備品は以下となります。
- ノートパソコン
画像加工ソフトが使えるもの。将来的には動画編集できるスペック - デジタルカメラと周辺機器
一眼レフorミラーレス。最初のうちはスマホのカメラでも問題ない。
三脚・スペアバッテリー・レンズは必須 - ランニングコスト
オンラインストレージ、画像素材費、サーバー維持費等
会社員のうちは会社から給料を受け取り、その対価として仕事をしていたため、自らの支出がありませんでした。トラベルライターになった当初は最低でも上記備品が必要となりますし、ランニングコストもある程度かかります。
トラベルライターのデメリット:旅行と取材の両立は大変
トラベルライターという仕事上、旅することで収入を得られるのは事実です。しかし、決して楽な仕事ではありません。観光地に行けば一眼レフを片手に1日中撮影しなければなりませんし、食事をする際も記事で紹介できるお店を意識するため、好きに選ぶことはできません。
山岳高原や田舎エリアなど交通インフラが整備されていないところを重い三脚を持って何キロも歩くこともあります。仕事が一段落したら自由に観光できますが、その時間はごく僅かかもしれません。また、取材ばかりしているとお金を稼ぐことはできないので、月の半分以上は自宅やカフェでデスクワークをすることになります。「トラベルライターになったらもっとたくさん旅行できると思った」とギャップを感じる人もいるかもしれません。
トラベルライターになりたい人は将来設計を事前に考えるのがおすすめ
トラベルライターへの就職・転職を希望する人は、まずは5年後、10年後のビジネスプランを考えてみましょう。何十年も旅行記事を書き続けるわけにはいきませんので、ライティング以外の収入源を作ることも重要です。
何も考えずにひたすら記事作成依頼だけを受注していると、月の収入が安定しないばかりか、月収・年収も一向に増えません。旅行業界は旅行会社・IT企業・宿泊施設・飲食施設・地方公共団体など多種多様な業種が関わるため、それだけビジネスチャンスも転がっているはずです。
まとめ:トラベルライター(旅行ライター)に転職するメリットは多い!まずは実践してみて
今回はトラベルライターに転職するメリットとデメリットを具体的に紹介しました。「旅して稼ぐ」裏側には苦労もありますが、良き依頼企業に巡り合うことができれば収入も安定しますし、将来もさまざまな明るい道筋が見えてきます。フリーランスとしては割のいい仕事が多いようにも感じられるので、トラベルライターを志望している人は、憧れに終わらずに実践してみてください。