トラベルライターになることを考えた場合、日本国内在住ライター、もしくは海外在住ライターの2通りの道があります。昨今は海外でのセカンドライフや仕事での起業・赴任も一般化し、海外移住に対しての敷居も低くなってきました。
トラベルライターを志望している人の中には、「国内で仕事を請け負うより、海外在住ライターとして売り出した方が仕事が多く来るのでは?」と考える人もいるでしょう。
また、国内ライターとして活躍している一方で、海外でも活躍したいと考えるようになり、海外在住ライターを選ぶ方もいます。
そこで、今回は海外在住ライターの仕事の実情や、海外在住ライターになるメリットやデメリットをご紹介します。
国内在住ライターのメリットと仕事内容
トラベルライターとして日本国内を活躍の場とするのも、もちろんおすすめです。日本国内には北は北海道、南は沖縄まで非常に多岐にわたる観光地が点在しています。
観光スポット、グルメ、ホテルなどトラベルライターの取材候補先は限りなくあるため、ネタに困ることもありません。
クライアントも旅行会社や出版社だけではなく、観光協会や自治体など多岐にわたるため、自分から売り込む力があれば、安定した収入を得ることもそれほど難しくはないでしょう。
これはどこの都市にも魅力的な観光地がある日本ならでは。国内でのライター活動だけでも十分やっていくことができるのは、国内ライターの大きなメリットといえます。
日本国内ライターで仕事の幅を広げる方法
旅行サイトや出版社といったクライアントをメインに取材の仕事を請け負うのもいいですが、それだけで安定した収入を得るのはちょっと時間がかかるかもしれません。
そんなときは、自分の文章力や機動力、取材力を生かして、ホテルや旅館、エンタメ施設に提案営業をしてみてはいかがでしょうか。
例えばホテルのマーケティングやWEB担当者に対して自分を売り込み、ホテルのホームページのブログ更新を引き受けたり、自分の持つウェブサイトの広告バナーを提案したりと、いろいろとお金を作る方法は考えられます。
前者のようなクライアントから依頼が来るのを待つ受け身のビジネスの場合、「今月で契約お終いで」、「来月から記事の本数減らして」と不利になるときが必ずきます。
その際に生活が傾かないよう、1社でも多くの顧客を持って収入を分散させるのが国内ライターにとっては非常に重要なリスクヘッジとなります。
日本在住ライターが海外取材を引き受けられる条件とは
一昔前までは、国内在住ライターが海外取材をするのも当たり前でしたが、昨今は海外主要都市には1人は本業ライターがいるものなので、あえて国内在住ライターに依頼する必要はなくなってきているのが現状です。
ただし、少しマイナーな国や都市が取材対象に入っていたり、短期日数で複数のエリアを取材しなければならない場合は、チームワークが求められるため、現地ライターに頼らず日ごろ国内取材をお願いしているライターに依頼することもあります。
特に編集プロダクションや出版社の編集部は、仕事のしやすさやを重要視するため、気心知れたライターを使いたがる傾向もあります。
海外在住ライターの仕事事情
海外に暮らして現地ライターとして活躍するのもトラベルライターとして成功する一つの手段。旅行会社や出版社側からしても、現地の生の情報を記事におこしてくれる現地ライターは非常に重宝しますし、経費の節約にもなります。
そのため、自分が暮らしている都市や国が日本人の旅先として人気であれば、それだけ取材依頼も多く舞い込んできますし、自分から「私はフランスに住んでいるのですが、現地記事を書かせていただけませんか」と売り込めば、枠があるかどうかは別として、無碍にされることはあまりありません。
海外は観光スポットが少ないため、飛行機での移動が多くなる
アジアやヨーロッパの多くは、日本ほど観光地や名所がありません。そのため、海外移住をした都市によっては、取材先がそれほど多くないため、国内の別の観光エリアも取材する必要があります。
その場合はもちろん経費は自腹となるため、値段の高い飛行機を使わずに寝台バスを利用するなど工夫も必要となるでしょう。
近隣国の取材も対象範囲にしなければならないかも
例えばスイス在住のトラベルライターは、国内の観光取材だけでは毎月安定した仕事を得ることが困難なため、近隣国であるドイツやフランス、イタリアも取材の対象範囲としていました。
しかし、ドイツにはドイツ、フランスにはフランスの現地海外ライターがいるため、仕方なくさらに対象国を増やすはめに……。実はこれは海外在住ライターではよくある悩みの1つ。
近隣国へは気軽に行くことはできますが、滞在の宿泊費用や食費を考えると、高額な案件か経費申請できる仕事しか本当は請け負いたくはないのが本音。
そのため自国の観光地をいかに旅行会社にPRできるかが非常に重要なポイントとなります。
海外現地ライターの魅力は「旅して収入」にあり
海外現地ライターとして働く魅力は、やっぱり「旅して収入」を得ることができる、トラベルライターの醍醐味を肌で体験できることでしょう。
旅行会社からの依頼であればツアーに無料で参加することもできますし、ホテルの宿泊費用や現地のレストランも無料で楽しむこともできます。海外現地に長く暮らしていたとしても、自分にとっては外国であることには変わりありません。
ガイドブックや旅番組でよく紹介される、日本人が憧れを抱く場所に仕事で行けるのは非常にやりがいがあります。
海外現地ライターは現地企業を対象に仕事も増える
日本人旅行者及びビジネス在住者が多い中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ、ハワイ、フランスといった国で海外現地ライターとして活動していると、取材後に担当者に呼ばれて、「もしよかったらうちのホームページの日本語を作ってくれないか」、「これから日本人旅行者もターゲットにしたいから、SEO記事を担当してほしい」、「今度日本料理店をオープンするから、日本人マーケットを担当してもらえないだろうか」といった思いがけないオファーも頻繁にあります。
海外では日本人旅行者の評価は軒並み高いため、どの国も日本人マーケットを重要なセグメントとしてとらえています。そこに旅行会社にツテがあり、WEBや雑誌に記事を書くプロの日本人がいるだから、彼らとしては逃さない手はありませんよね。
フリーランスの輪は日ごろから広げておこう
上記のように、海外在住ライターになった場合、取材先から日本マーケットの開拓についての依頼がよくあります。日本語サイトの製作を依頼された場合、エンジニアではないからと断るのは非常にもったいありません。
フリーランスのエンジニアやデザイナーを1人か2人見つけておけば、彼らに依頼して自分は手数料を得ることができます。これもトラベルライターとしての重要な収入源となるので、日ごろからライター以外の業界にも目を向けておくことも忘れないでください。
海外在住ライターも経験してみる価値は大いにあり
国内で活動しているトラベルライターも、一度は海外在住ライターとして経験してみるのもいいかもしれません。仕事の引き受け方や報酬内容も異なるでしょうし、旅好きであれば海外在住ライターの方がいろんな都市や国に行くことができて、やりがいを感じるかもしれませんよ。