Webライターを志望する人の多くは、「ライターの将来性」と「現実的なキャリアアップ/ステップ」に漠然とした不安を抱えている様子です。
そこで、ここでは、具体的なWebライターの将来設計やキャリアの構築方法をベテランライターが詳しく解説します。
Webライターの需要は尽きない。将来にわたって拡大の余地がある
Webライターを求める依頼者は、個人法人問わず、自社が運営するWebサイトでネット集客による利益を上げるために記事を更新します。近年はYouTubeをはじめ動画が盛況ですが、それでも記事（文字）の需要は尽きません。今後も人々がインターネットを用いて情報収集する限り、企業はネット集客に予算を注力することになり、高品質な記事の更新にあたりWebライターの存在は欠かせないものと考えられます。
Webライターの昔と今の変遷。実はライターの報酬は上がっている
Webライターはフリーランスの代名詞的職種として、男性女性とともに高い人気を誇ります。しかし、中には「Webライターは稼げない」、「副業でやっていたけど月3万円稼ぐのが精いっぱい」といった声も散見されます。
近年Webライターの需要は拡大の一途をたどり、それに伴い専門性の高い記事に対し、企業は相場以上の報酬を支払うようになりました。2010年頃までは0.3円～0.8円程度の文字単価が相場でしたが、現在は初心者でも0.8円～1円が相場となり、昔と比べると大分報酬相場は上がってきた印象を受けます。
今後も日本経済のインフレ具合やWeb記事の重要性に伴い記事の相場は上がっていく傾向にあると思われます。「正しいキャリアステップ」を踏むことで、「Webライターが稼げないことはない」と言い切ることができます。
Webライターで懸念される将来性とは：AIとライターの関係
一方で喫緊の課題として、「WebライターとAIの関係性」が業界内で注視されています。数年前よりOpenAIが提供開始したChatGPTは、現在では様々な企業が独自に改良を重ねて市場に出しています。マイクロソフトは既にofficeソフトやWebブラウザのEdgeにもAIを導入するまでに至っています。
そこで、Webライターの中には「AIが記事を書いてしまうから自分たちの仕事がなくなる」、「記事を読むのではなく、AIに質問して情報を得る時代になる」という意見も少なくありません。
しかし、AIがSEO対策向けの記事をどこまで高い精度で書けるかは疑問の余地があり、実際に米国のSEOコンサル業者の調べでは、AIの書いた記事の半分以上は検索上位に上がることはできず、また上位にヒットできた記事も、のちに大きく順位を下げてしまったという結果も報告されています。
ChatGPT含むAI機能はプロンプトを作ることで、記事本文の自動作成も可能ですが、AIが作成する文章はネット上に出回っている文章と情報を繋ぎ合わせているだけのため、これをGoogleアルゴリズムがオリジナルの文章と判断するかは不明です。少なくとも今の時点でAIがWebライターの仕事を奪うことは現実的ではなく、むしろWebライターが見出しの作成や記事タイトル案の検討にAIを上手く活用することが求められています。
Webライターの将来性：結婚・家族・子持ちについて
Webライターの将来性を不安視している人の中には「フリーランスのライターは独身だからできる」、「結婚したり子供ができたら家計を支えられない」という意見も少なくありません。Webライター自体の歴史がまだ浅いため、具体的な答えを出すのは難しいですが、記者やジャーナリスト、写真家といったフリーランスの人たちの多くはキャリアを積んで家庭をもち、充実した生活をおくることができています。
副業でWebライターを経験したことがある人は、ライターは頑張っても5万円～10万円稼ぐのが限界だとよく口にしますが、正しいキャリアを積むことによって、会社員と同等以上の収入を得ることはそれほど難しくはありません。
Webライターの将来とキャリアステップを具体的に解説
当記事ではベテランのWebライターが考える現実的な将来性と、誰でも可能なキャリアステップを紹介します。
1．ライターと並行して他の業務を請け負う：ライター業務の比率の最適化
Webライターとして活躍している人は、「20年、30年後も記事を書き続けるのは正直イメージできない」と考えているかもしれません。しかし、ベテランのWebライターで仕事の10割が執筆業務、という人はまず存在しません。
基本はライター業と並行して「市場調査」や「取材」、「撮影」、「編集」といった業務を請け負うことができます。現実的に「編集と取材」の割合が徐々に増えてくることでしょう。編集（ディレクション含む）や取材は片手間にできるため、往々にして「割の良い仕事」となるはずです。将来的にはライター業が3割、それ以外の業務が7割といった業務比率が理想となります。
2．事業規模を計画：中長期の事業計画に沿って業務を進める
フリーのWebライターといっても、本業で収入を得ているのであれば、立派な個人事業主であり一人社長です。フリーランスであっても中長期の事業計画は必ず作るべきと言えます。また、将来にわたって一人で業務を続けるのか、それとも人を雇って業務を拡大するのかも早いうちから計画するのが成功の道筋です。
3．ライティングは高単価のみ受注が理想。編集＆ディレクション業務が中心に
ベテランのWebライターでも1日に書ける文字数はせいぜい1万文字前後です。文字単価2～3円だと日給2～3万円、月給換算すると40～60万円となりますので、年収ベースで500～700万円前後が限界となります。
一方で上述したように、Webライターのキャリアアップは、収入を落とさずライティング比率を下げることにあるため、報酬が高くライターのキャリアを積んだ人間が受注できる、編集＆ディレクション業務を増やしていく方向性が現実的な路線となります。ライティング業務は短時間で書くことができ、なおかつ単価の高いものだけを受注するのが理想と言えます。
4．不労所得の収入源を複数確保する
Webライター含むフリーランスの収入が安定しない一番の要因は「自分の収入が取引先に依存するから」です。そのため、企業案件をこなしていくうちは目先の利益は確保できるものの、5年後、10年後先の収入は一切保証されないのがリスクとして挙げられます。
ベテランのWebライターのほとんどは、何かしらの不労所得、もしくは自分が手を加えず収入を得る手段を持っています。例としては「出版の印税」、「Webサイトの各種広告収益」、「オンラインサロンやサブスクリプション」等が挙げられます。上記流れはWebライターの理想のキャリアと考えることができ、また、生涯お金に困らないための最終的なステップと言えるでしょう。
まとめ：Webライターの将来性は多岐にわたる。早いうちから将来を見据えたキャリア構築を
Webライターは他のITフリーランスの職種と比較すると、キャリアの方向性が多岐にわたるのが特徴です。しかし、どのステップも一長一短で実現できるものではありませんので、できるだけ早い段階で具体的な事業計画を立てて、それに沿うような業務活動をおくるのがキャリア成功の秘訣と言えます。