
新型コロナを経て観光・旅行業界は大きな転換期を迎えました。2023年時点で徐々に市場は回復基調であるものの、コロナ前の水準に戻るまではまだ時間がかかる見込みです。
また、観光業界への就職を希望している人の中には、「海外旅行に携わりたい」と考える方も多いでしょう。
そこで、ここでは旅行会社を中心に観光業界への就職を深く考えている人に向けて、「旅行ライター」による仕事方法と収入の作り方をご紹介します。
観光業界は国内需要に転換。海外市場の回復は2024年?

2020年から始まった新型コロナウイルスですが、政府の補助金政策などにより2022年下半期以降から徐々に回復基調になりました。月別でみると、旅行割の月はコロナ前の水準に一時的に戻るなど大きな成果を上げているように思えますが、一方で海外市場はまだ2割程度しか戻っていないとされています。
世界の海外旅行者数の戻り率を見ると、底打ちした月から約1年10カ月でコロナ前の水準に戻っている統計があり、それを日本に当てはめると、日本の海外旅行者数が2019年以前に戻るのは2014年10月となり、だいぶ先の見込みとなっています。
海外旅行者数が回復しない限り観光業界の冬は明けない
大手旅行会社HISは2023年の新卒採用は見送りを決定しました。このように、国内旅行は回復しても、海外旅行者数が戻ってこない限り、旅行会社を含む観光業界は依然と苦境に立たされることになります。
旅行会社は海外旅行手配業務の方が利益率が高く、また航空会社やホテルからもらえるキックバックが大きいことが理由として挙げられ、その主力商品が立ちいかないため、観光業界の冬はまだ明けないと言えます。
観光業界に就職したい人がとる選択肢とは

では、観光業界に2023年以降に就職したい人がとる選択肢とは、どのような方法が挙げられるのでしょうか。
1.旅行会社に就職する
上述したように旅行会社への就職はなかなか厳しい環境となっていますが、もともと国内旅行に強みを持っている旅行会社の中には、2023年度新卒や中途採用を再開しているところも増えてきました。
しかし、採用人数は非常に少ないほか、渉外営業であったりITエンジニアのみの募集であったりと、なかなか旅行そのものに携わる仕事に就くのは難しいのが現状です。新卒・中途ともに2024年度の募集まで待った方が現実的と言えるかもしれません。
2.観光関連の施設・店舗に就職する
観光エリア内の宿泊施設・飲食店・土産店・エンタメといった観光施設に就職する方法もあります。ただし、飲食店や土産店などは地域密着のため業務幅が狭いのと、宿泊施設も外国人旅行者がまだ少ないため、旅行会社と同様に苦境に立たされています。
3.フリーランスの道を進む
観光業界への就職を目指していても思ったような会社が見つからない場合は、フリーランスとして旅行に携わる仕事に就いてみるのはいかがでしょうか。
フリーランスや個人事業主と言えば「将来性がない」、「収入が不安定」といったネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、近年は日本のフリーランスも増えてきて現時点では1600万人弱。労働人口の24%となり、5人に1人がフリーランスの時代となっているのはご存じでしょうか。
観光業界の旅行ライターに就職するメリット

フリーランスの中でも観光業界に直接携わる職種の1つが「旅行ライター(トラベルライター)」です。フリーライターやWEBライターといえば「文字単価が安い」、「主婦の副業」といったイメージがあるかもしれませんが、旅行ライターは現地取材や写真撮影が必要となるので、あまり市場が荒らされていなく、収入面においても比較的短期間で安定させることができます。
また、それ以外にも旅行ライターは下記のようなメリットが挙げられます。
1.旅行関連の資格学習をしながら収入を得られる
旅行ライターは企業に属さないフリーランスとなるので、通勤も就業時間もありません。フリーランスの業務形態を活かして、仕事の傍ら資格学習をするのもいいでしょう。
「私は旅行会社に絶対に就職したい」というのであれば、旅行会社が採用を再開するまでの期間、旅行ライターに就きながら資格取得に向けて勉強するのはいかがでしょうか。旅行ライターで得た知識や経験は採用面接でも活きるはずです。
2.倒産・リストラの不安なく仕事に打ち込むことができる
旅行会社や観光業界の企業に就職する場合は、それと同時に倒産やリストラの不安を抱えることになります。特に新型コロナに関連するニュースは未だ衰えておらず、各社なかなか先行きが見通せない状況となります。
一方で旅行ライターのようなフリーランスは自営業となるのでリストラの概念がありません。生活が立ちいかなくなったら廃業することはありますが、旅行ライターとしての働き方とリスクヘッジを取っていれば、自分の生活を安定させる程度の収入を得ることはそれほど難しくありません。
3.旅行ライターは将来性もあり業務領域が広い
旅行ライターの業務は旅行記事の作成がメインですが、実はそれだけではありません。また、旅行とは関係ない他業界の案件を受注することもできるので、「仕事がまったくない」という状況に陥ることはあまり考える必要はありません。
旅行ライターの仕事内容と収入事情

続いて旅行ライターの具体的な仕事内容と収入について詳しく紹介します。フリーランスの収入事情はブラックボックスになりやすく、あまり実態を解説したサイトも見かけません。
是非ここで旅行ライターの詳しい概要を学習していってください。
1.ライティングは旅行記事だけではない
上記でも触れましたが、旅行ライターの主業務は旅行記事となりますが、ライティングスキルがあれば、それ以外の業界の記事を請け負うことができます。
例えば韓国の記事を専門に書く旅行ライターとして活動していくと、韓国に進出している企業から市場調査の依頼や現地の経済・タウン情報・政治といった記事の依頼をされることもよくあります。
特に経済記事は調査に時間をかける必要はありますが、旅行記事の1.5~2倍ほど報酬も割高なので積極的に請け負いたい案件でもあります。
2.取材も幾通りある。報酬も期待できる
旅行ライターが受注する「取材」はインタビュー記事だけではありません。写真撮影のみの観光施設の取材が実は大半を占めます。
「旅行をしながら収入を得る」ことが旅行ライターとしての醍醐味となり、予め観光施設と交渉していれば、無料でホテル宿泊、観光施設の入場、名物の飲食などを体験することができます。企業によっては移動費や宿泊費も諸々経費申請できるところもありますし、現地取材有りの案件は往々にして報酬も期待できます。
3.旅行関連やそれ以外の仕事と収入
旅行記事以外でも「市場調査」や「翻訳」、「自治体からの観光誘致案件」、「FacebookやInstagramの更新」といった仕事も受注できるようになります。
フリーライターの不安といえば「1日中旅行記事を書き続けなければならない」ことかと思いますが、実際仕事が回るようになってきたら、執筆以外の仕事も増えてきますし、そちらの方が報酬が良ければ、ケースバイケースで仕事の比率を変えることもよくあります。「今月は市場調査で忙しかったから記事は週に2本しか書かなかった」といったこともあるかもしれません。
まとめ:観光業界への就職。2023年は旅行ライターがおすすめ

今回は観光業界の実態と旅行ライターの概要を解説しました。旅行会社への就職を強く望んでいる人も、2023年は採用自体がほとんどされていなく、狭き門となることが予想されます。
そのため、まずは旅行ライターとして活動してみてはいかがでしょうか。思いのほかうまくいって、新しい将来を見つけることができるかもしれません。