フリーライターが企業とビジネスする上で「名刺」の用意は必須です。しかし、これまで社員で会社から支給された名刺を使っていた人にとっては、「自分で名刺を作るってどうやって?」、「役職は?住所は必要?」などと不明点が多々あるはずです。
そこで、ここではフリーライター及びWebライターに転身して初めて名刺を作る人に向けて、押さえるべき注意点や仕事受注のポイントを紹介します。
Webライターでも名刺はなぜ必要?必ず作るべき理由
通常、Webライターは取引先との打ち合わせや面接などはすべてメールやオンラインMTGツールで行うため、名刺を使う機会はほとんどないかもしれません。しかし、そんなWebライターでも名刺は必ず作っておくことをおすすめします。
Webライターにおける名刺の使用用途
通常のSEOコンテンツの作成においては、ネットで収集できる情報で記事を作成するため、名刺を使うことはありません。しかし、昨今は多くの企業がより質の高いオリジナルの記事を求めているため、場合によっては「現地に取材してくれ」、「アポはこっちでとるからインタビューしてくれ」といった要望も多く聞くようになりました。名刺は身分証明代わりとなり、担当者との名刺交換だけでなく、プレスで施設入場する際にも必要となります。
また、仮に取材やインタビューは一切請け負わないというWebライターであっても、新しく取引する顧客に対してポートフォリオを送る際、併せて名刺を添付することもできます。作った名刺は予めJPEGやPDFにデータ変換しておくと、メールのやり取りでも簡単に名刺を送ることができます。
本業のフリーライターは名刺を2つ以上作るべき理由
会社員では名刺を複数種類作ることはあまりないかもしれません。しかし、フリーライターは取引先によって自分のPRする強みや特徴、資格、スキルなどが異なるため、それに合わせて複数種類の名刺を持つのが普通です。
例えば通常は「フリーランス・ライター」という肩書を使っていても、新規の取引先が旅行関連の企業であれば、「トラベルライター」という肩書の名刺を使うのも有効でしょう。
名刺自体は1000~2000円程度で作ることができるので、複数種類作ってもそれほどの費用にはなりません。
フリーライターの名刺の作り方(表):役職、氏名、個人情報等
続いてはフリーライターの名刺の作り方を詳しく紹介します。名刺の表側は一般的に役職・氏名・連絡先等個人情報を記載します。また、必要に応じてロゴや社名も入れることができます。
フリーライターの名刺に社名・役職を記載するポイント
フリーライターの役職は「肩書」となります。ライティング以外の業務も請け負っている場合は「フリーランス」だけでも構いませんし、専門性をPRしたいのであれば、「フリーランス・ライター」もしくは「フリーライター」でも良いでしょう。また、昨今は日本でも取引先の企業やお店マネージャーが外国人であるケースも増えてきたため、英語で「Free Lance Writer」や「Journalist」と記載するのもおすすめです。外国でもWriterで通じますが、職種を訊ねられた場合は「Journalist(ジャーナリスト)」と応えた方が分かりやすい場面もあります。
また、会社として起業していたり、個人事業主として屋号を持っている場合は、そちらも記載するようにしましょう。また、2023年から開始したインボイス制度に伴い、適格請求書発行事業者となった場合は、登録番号を名刺に記入しておくことで先方は確認の手間が省けます。
フリーライターの名刺で個人情報はどこまで記載すべき?
会社員の名刺は氏名の下に、自分の勤務先住所や連絡先(会社電話番号と自分の携帯電話番号)を記載するのが一般的ですが、フリーライターは会社に属さないため、住所は自宅となるのが普通です。しかし、昨今日本では個人情報はあまり表に出さない傾向にあるため、名刺に自宅の住所を記載する必要はありません。ただし、携帯電話だけでなく固定電話番号を記載できれば、取引先企業から一定の信頼は買うことができるはずです。
また、近年は多くのフリーランスがバーチャルオフィスやコワーキングスペースなどを活用しています。これらと契約すれば、月額1000円程度で住所を借りることができます。また追加料金で固定電話(転送)も可能なので、必要に応じて検討するといいでしょう。
フリーライターの名刺の作り方(裏):業務内容やセールスポイント
続いてはフリーライターの名刺の「裏面」の作り方を紹介します。フリーライター及びWebライターが記載する裏面のポイントは以下となります。
フリーライターの名刺(裏面)に書くこと
- 自分の業務領域
ライター以外にも市場調査や翻訳、取材などを請け負えるのであれば、すべて箇条書きで記載するのが良いでしょう。名刺を受け取った担当者が、裏面を見て「このフリーライターにどんな仕事を依頼できるのかがひと目でわかる」ことが大切です。 - 自分の実績
自著や寄稿など出版物があれば、名前+出版元+発行年を記載しましょう。Web記事を記載する際は、事前に取引先に実績として載せて構わないか許可を取っておく必要があります。 - 使用機材
撮影取材を積極的に請け負っているフリーライターは、普段使用している撮影機材を記載するのもおすすめです。雑誌媒体に寄稿する場合は高確率で編集者から自分が所有しているカメラとレンズを質問されます。
Webライターの名刺(裏面)に書くこと
- 執筆経験のある業界・業種
具体的な社名やサイト名を記載する場合は先方許可が必要となるので、名刺には「美容・金融・不動産」といった業界の記載だけで構いません。 - SEOの成功実績
「クレジットカード関連キーワードで100個以上で1頁表示」のように、これまでの成功事例を記載することで、名刺が簡単なポートフォリオとなり、名刺交換した相手がひと目で自分の実績を把握してくれます。もし相手が興味関心を示せば、そこから話が弾んだり、当初想定していなかった仕事依頼の話に繋がることもあります。 - 自分の業務領域
Webライターを専門とする人は、ライティング以外のウェブ領域があると強みになります。例えば「SEO分析・動画編集・画像加工・翻訳」などが挙げられます。 - 資格・スキル・監修等
昨今は専門領域の監修ができるWebライターが重宝されます。業界の実務経験や資格を有している場合は積極的に記入するといいでしょう。
フリーライターの名刺のデザインは凝る必要はなし。シンプルがおすすめ
業界・業種によっては、相手に覚えてもらおうと奇抜なデザインやフォント、色形で名刺を作る人もいますが、フリーライターやWebライターでその必要はなく、良くも悪くも当たり障りないデザインがおすすめです。フリーランス&フリーライターはあくまでも個人事業主なので、イメージではなく実績で評価してもらうことが重要です。
また、デザインを凝りたい場合はデザイナーに依頼する必要があるため、費用も掛かります。上記で解説したように、フリーライターは取引先の業界によって複数の名刺を持つのが普通なので、デザイン・紙質ともにシンプルなもので構いません。
まとめ:フリーライターは自分で名刺を作成してみよう
昨今はシンプルなデザインであれば無料で名刺を作れるサイトも増えてきました。まずは自分で作ってみてください。ただし、印刷する場合はアウトライン化が必要なので、最初からデザイナーに依頼すると良いでしょう。名刺の作り方は特に決まったルールはありませんが、上記で解説したポイントを押さえることで、企業から案件を獲得しやすい・評価されやすい優位な立場に自分を置くことができるかもしれません。