海外ノマドワーカーを目指す人に向けて、仕事選びから国選び、ビザや保険に関して総合的に解説します。海外で仕事をしたい人の指南書として、是非ご覧ください。
海外ノマドワーカーを目指す人向け:住民票はどうする?
海外ノマドワーカーを目指す人が日本を発つ前に必ず考えなければならないのが、「住民票を抜くか否か」です。ルール的には180日以上海外に住むことを予定している人は、住民票を抜くことになりますが、実際は多くの人が住民票を抜かずに海外に移住しています。
海外ノマドワーカーは、まずは住民票を抜くメリットとデメリットを学習しましょう。
ノマドワーカーが住民票を抜いて海外移住するメリットは「納税の義務」が消失する
住民票を抜く大きなメリットは、「各種税金を納める義務が消失する」ことです。具体的に住民税と年金です。しかし、中には「年金は払い続けたい」という人がほとんどでしょう。特に中高年の人は数十年年金を払っているため、ここで辞めるのはナンセンスです。
住民票を抜いても実は年金は“任意加入”となり、引き続き払い続けることができます。若い20代で日本に帰国予定のない人は、反対に年金を受け取らない代わりに支払わない選択を取ることもできます。ご存じの通り日本は固定費となる税金が高いため、住民票を抜くことでこれらが免除されるのは大きなメリットとなります。
ノマドワーカーが住民票を抜いて海外移住するデメリットは「国民健康保険」に加入できない
一方でノマドワーカーが住民票を抜く大きなデメリットは「国民健康保険」に加入できないことです。年金は日本人であれば任意で加入できますが、国民健康保険は日本国内在住が条件となるため、住民票を抜くと加入ができません。
多くの海外移住者は一時帰国の際に一時的に住民票を入れて、国民健康保険に加入して病院にかかりますが、これも自治体によっては取り締まりを厳しくし、短期間に住民票を抜いた人に対して、健康保険を使った分を請求するような措置が検討されています。
最初の1~2年は住民票を抜かず海外ノマドを継続できるか判断するのがおすすめ
上記の通り、住民票を安易に抜くと国民健康保険に加入できないデメリットがあります。そのため、最初の1~2年は住民票を抜かずに海外移住し、今後も海外生活を継続できそうであれば住民票を抜くことを検討すると良いでしょう。海外移住年に住民票を抜いたとしても、住民税は前年に掛かってくるため、その年は支払い義務があることも覚えておいてください。
海外ノマドワーカーの税金に関して
海外ノマドワーカーの収入源は多き分けて①日本国内の企業から報酬が支払われる、②海外移住先国にある企業から報酬が支払われる、のどちらかとなります。
ほとんどの海外ノマドワーカーは①となります。原則、支払元企業が日本国内にある場合は源泉先となる日本に納税義務があります。ただし、厳密には多くの国で在住国にも納税義務が生じることになりますが、租税条約の有無が絡んでくるため非常に複雑で、納税する人はほとんどいません。
そのため、近年では各国が「デジタルノマドビザ」を発行し、現地滞在を容易にする代わりに納税を推奨する制度が開始されています。ノマドビザを利用するのであれば、現地に納税するのがいいかもしれません。
海外ノマドワーカーの保険は「ノマド保険&在住者向け保険」がおすすめ
海外ノマドワーカーのうち、住民票を抜いていないで出国した場合は引き続き国民健康保険が使えます。しかし、還付を受けるために必要な書類が複雑であるのと、医療費は100%建て替えなければならないため、それが厳しい場合は海外現地の保険への加入が推奨されます。
注意点は、東南アジアや南米のような発展途上国の現地人向けの保険は日本人が行く国際病院では適用されないことです。そのため、外資企業が提供している外国人在住者向け保険に加入するのが一般的です。費用相場は年間15~30万円となりますが、保険が適用されれば100%キャッシュレスなのが魅力です。
また、海外旅行保険を適用したい場合は条件・規約を熟読しなければなりません。海外旅行保険はあくまでも短期間の旅行者向けの保険となるため、保険適用には日本へ帰国する航空券の写しが求められることがあります。クレジットカード付帯の海外旅行保険をあてにして無保険で病院にかかると、「旅行保険が適用されなく100%自己負担になった」と後悔することもあります。
海外ノマドワーカーが初めての移住。おすすめの国選びと「ビザ」の関係
海外ノマドワーカーが初めて海外移住をする場合は、以下を条件に国・都市を探すのがおすすめです。基本的に「自分が住みたい都市」がいいのですが、それ以外の条件を調べずに現地移住をすると、ビザが更新できなく、帰国せざるを得ない状況に陥ることがしばしばあります。
1.ビザの取得&更新が容易な国を選ぶ
海外ノマドワーカーが継続して外国に居住するためには、滞在ビザの更新が必要です。最初は観光目的のビザ免除で入国できますが、ビザ免除で滞在できるのはせいぜい1~3か月です。それ以降は観光ビザあるいは商用ビザ、ノマドビザを取得・更新する必要があります。
そのため、ビザの取得や更新が容易な国を移住先国として選ぶのがおすすめです。
2.円安のいまは物価安の国・都市を選ぶ
2020年より日本は歴史的円安に見舞われており、どこの国へ行っても3~5割程度物価が高く感じられます。特に欧米は為替だけでなく物価インフレも激しいため、「コロナ前に旅行で行ったから大体の生活費は予想できる」と考えていると、少し面食らうかもしれません。
まず最初は日本から距離が近く、親日度の高い東南アジアがおすすめです。マレーシア、ベトナム、タイはいずれも日本人が多く暮らしていて、また治安がよく生活が安定しやすいため、最初の海外移住先におすすめできます。
海外ノマドワーカーに移住先で最初におすすめしたい「仕事」とは
海外ノマドワーカーの中には、まだ本業を何にするか決めていない、あるいは現在の仕事に伸びしろが感じられず、別の職種を探している、という人もいるかもしれません。
そこで、以下では、ノマドワーカーに初めての海外移住でおすすめできる仕事・職種を紹介します。
1.Webライター/海外現地ライター
海外移住国・都市の旅行・政治・経済・生活情報を記事で提供する海外現地ライターは、企業から重宝されるため、高単価で仕事を受注することができます。また、ライティングの仕事がない場合は、「翻訳・市場調査・現地ガイド・輸出入の手伝い」といった仕事も検討できますし、現地企業のホームページ更新(記事更新)といった仕事も回ってきます。
2.Webデザイナー/コーディング
Webデザイナーはバナーやサイトデザイン・ページデザインを考える職種となります。なかなか報酬単価が上がらないと不満に思う人も少なくないようですが、コーディング技術に磨きをかければデザインカンプだけでなくLP制作やWordPressの簡単なホームページ制作も併せて請け負うことができます。
まとめ:海外ノマドの敷居は年々低くなる。年齢問わず一度は海外生活を実現
一昔前は海外に移住すると聞くと、シニアライフやセカンドライフといった老後の生活や一部の富裕層が実現できる生活でしたが、近年は年々海外移住のハードルが下がっています。
海外ノマドワーカーに年齢は関係ありません。是非一度海外仕事生活を実現してみてください。