デジタルノマドの仕事と働き方:ワークライフバランスについて詳しく解説

コロナ禍以降日本においてもデジタルノマドというワードが浸透しましたが、日々の業務内容や生活の中身が不透明で、なかなかデジタルノマドワーカーへの転身に踏ん切りがつかない人も多い様子です。

そこで、今回はデジタルノマドの詳しい働き方や昨今注目されているワーク・ライフ・バランスについて解説します。

世界で急速に普及したデジタルノマド。米国では82%が「収入に満足」

世界で急速に普及したデジタルノマド。米国では82%が「収入に満足」

MBOパートナーズのレポートによると、米国はコロナ禍によりデジタルノマドの人口が3倍に増え、労働者人口の約11%を占めるようになりました。また、デジタルノマドワーカーの82%は現状に満足しており、72%は収入1000万円を超えていることも分かりました。

日本とアメリカでは平均所得や物価が異なるものの、米国企業にとってデジタルノマドは「安く買いたたく」依頼先ではなく、しっかりとしたアウトソーシング先として受け入れられているため、ワーカーは標準以上の収入を稼ぐことができる様子がうかがえます。

日本でもZ世代を中心にデジタルノマドの普及率は加速

日本でもZ世代を中心にデジタルノマドの普及率は加速
一方で日本国内ではデジタルノマドの人口統計はありませんが、会社勤務でなくフリーランスを本業としている人口は200万人以上とされ、年齢階級では45~54歳が最も多くいます。

しかし、ITを活用するデジタルノマド人口はZ世代を中心に急速に伸びており、これまでの社会人=会社員という伝統的な考え方を改め、人生をより豊かに過ごすフレキシブルな働き方を求めている人が多いことが分かりました。

日本におけるデジタルノマドの働き方と不安点

日本におけるデジタルノマドの働き方と不安点

日本ではデジタルノマドといっても、多くの人は本業の傍ら副業で収入を得ているケースが多く、会社員を辞めてデジタルノマド1本で生計を立てる人はそれほど多くありません。

また、「デジタルノマドは稼げない」、「フリーランスは収入が安定しない」といったネガティブなイメージが先行してしまい、なかなか本業への転身を躊躇してしまう人が多い印象です。

デジタルノマドの働き方は多様。海外ノマドワーカーも着実に増加

デジタルノマドがフリーランスの中でもひと際注目されている利点が「パソコン一台で仕事ができる」ことにあります。昨今は生活の拠点を日本と海外両方に持ち、「一年の半分は海外生活を楽しんでいる」というノマドワーカーも増えてきました。

日本は出遅れていますが、世界各国では既にデジタルノマド向けの滞在ビザも発行開始しており、海外生活の境界線は年々薄らいでいることが分かります。

2025年には世界の労働者人口の30%以上が何かしらの形でデジタルノマドに携わるという予測も出ています。日本でもアウトソーシングの需要は年々増加しているため、それに伴うフリーランスの仕事量が増えれば、収入の向上・安定にも繋がることでしょう。

デジタルノマドはワークライフバランスに優れた仕事形態

デジタルノマドはワークライフバランスに優れた仕事形態

近年は「ワーク・ライフ・バランス」が見直されています。内閣府では「仕事と生活の調和」として2007年頃から社会や企業に対して取り組みを推進してきました。

一般会社員は仕事と生活の割合は勤務先の会社体質に依存することになり、自分でコントロールが困難ですが、デジタルノマドのようなフリーランスは、自分でワークバランスを作れるため、自分にとって最も充実した働き方を検討できるのが大きな利点です。

働く時間と働く場所に選択肢を増やすのがおすすめ

デジタルノマドワーカーの中には「メリハリをつけるため会社員と同じような規則正しい生活をおくっている」という人も多いでしょう。しかし、近年はゆとりと幸福ある生活を実現するため、フレキシブルな業務時間や勤務場所が良しと言われています。

デジタルノマドであれば、会社員よりも比較的多くの時間を育児や家事に費やすことができ、自分の都合で休日を作ることができます。私生活の幸福度は仕事における生産性と深く結びついているとされているため、充実した生活は業務効率を向上させ、好循環なワーク・ライフ・バランスが実現できます。

シェアオフィスやコワーキングスペースを上手に活用する

デジタルノマドワーカーの大半は自宅を職場にしていますが、ワークバランスと生活を切り分けるため、昨今はシェアオフィスやコワーキングスペースを利用する人も増えてきました。もともとコワーキングスペースやシェアオフィス(レンタルオフィス)は、ビジネスの合理化を率先して考えるアメリカやイギリスで流行っていたものですが、近年は都心を中心に日本でも活用されるようになりました。

ある程度の収入見込みがあれば、早いうちに個人事業主や株式会社として登記するのもおすすめです。デジタルノマドの職種であればバーチャルオフィスで住所登記でき、月額数百円から数千円と格安で法人向け本社住所を借りることができます。

デジタルノマドになる前に:自分の働き方とライフスタイル・目標収入を考える

デジタルノマドになる前に:自分の働き方とライフスタイル・目標収入を考える

デジタルノマドへの転身を検討している人は、まずは以下を検討してみると良いでしょう。

  1. 自分のデジタルノマドとしての「働き方」を考える
    国内/海外のどちらで働きたいのか。どのような職種を専門とし、将来のビジョン・目指す方向性を考えます。
  2. どんな生活・将来を望むのか「ライフスタイル」を見直す
    デジタルノマドは自由度が高いため、将来設計は自分で具体的に設定するのが重要です。週に仕事をする稼働日・時間・休日や将来どのような生活をおくりたいのか、できるだけ詳しく決めて、パートナーに理解を得る必要があります。
  3. 「目標収入」を設定する
    会社員は毎月の基本給が決まっているため、特別なインセンティブがない限りは当月の月収と年収は予測を立てられます。しかし、デジタルノマドは当月分の収入は決まっても、来月以降は未定、という場合もあるでしょう。目標となる月収と年収を決め、それに沿った案件受注ができるようになるのが理想です。

来月から収入確保のためのデジタルノマドの仕事に必要なもの

来月から収入確保のためのデジタルノマドの仕事に必要なもの

デジタルノマドでは、大半の職種がパソコン一台で仕事をこなすことができます。ただし、本業として始めるのであれば、初期費用として以下を用意しておくのがおすすめです。

クラウドストレージ:予算1万~2万円/年間

顧客の大切な情報や画像・動画といったデータはオフラインはもちろん、クラウドストレージにも保存しておくようにしましょう。オフラインのパソコンデスクトップや外付けHDD・SSDは、経年劣化や衝撃によるデータ破損のリスクがあります。

日々のバックアップやデータの保存先は、Drop BoxやGoogle Driveを活用すると良いでしょう。いずれもバックアップが自動で生成されるため、誤ってフォルダやデータを削除してもワンクリックで復旧できるのが強みです。

画像・動画編集ソフト:無料~4万円/年間

昨今は画像加工、動画編集とともに無料ソフトが出回っていますし、顧客の要望を満たすことができれば無料でもかまいません。しかし、無料ソフトは大幅に機能制限されているため、専門職として副業ワーカーと差別化を図りたいのであれば、有料ソフトを使いこなすべきとも言えます。

また、Webライターは有料の編集ソフトは不要ですが、高品質の画像を求められるため、有料の素材サイトへの登録が必要となります。年間2~3万円を目安に複数の素材サイトを使いこなすようにすると良いでしょう。

まとめ:デジタルノマドは仕事と生活のバランス(ワークライフバランス)を考えるのが大切

まとめ:デジタルノマドはライフバランスを考えるのが大切

    デジタルノマドに転身を検討している人の多くは「会社員のストレスを抱えたくない」、「ワークライフバランスを見直したい」と考えています。デジタルノマドは良くも悪くもやった分だけ収入となって跳ね返ってくるので、ついオーバーワークになりがちです。

    日々の仕事と生活の時間の割合やバランスを見直すことで、ワークライフバランスの改善ができます。健やかな生活をおくることは、結果的に仕事も良い方向へと向かっていくことに繋がるものです。

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