多くの初心者フリーライターが持つ悩みの1つが「サラリーマン並の収入を得られない」ことです。「月10万円を稼ぐのがやっと」、「月20万円以上稼いだことがない」といった声も散見されます。
しかし、しっかりと道筋をつけて案件獲得、顧客との折衝を行うことができれば、ライターは決して稼げない職種ではありません。ここでは月収30万円に向けたやるべきことを紹介します。
フリーライターは食えないって本当?稼げない人の特徴
フリーランスの中でもライター職は「食えない」と思われがちです。実際ネットで情報を集めて、「やっぱりライターで生きていくのは難しそう」と断念した人も多い様子です。
そこで、以下では初心者のフリーライターに知ってほしい「稼げない・食えないライターの特徴」を紹介します。
1.低単価の記事案件を安請け合いしているライターは稼げない
以前はWeb記事を作成するフリーライターの平均文字単価は0.8円~1円でした。案件の中には0.4円前後の報酬も少なくありませんでしたが、昨今はSEO対策のために質の高い記事が要求されるようになり、必然的に記事単価も上がってきている様子がうかがえます。現在では初心者でも文字単価1円~2円の案件を獲得するのもそう難しくはありません。
そのため、「簡単に採用されるから」、「初心者だから」という理由で1文字1円以下の案件に飛びついていると、いくら記事を書いても、それに見合う月収を得ることは難しくなります。
2.1日の目標・自分の時給を考えていないライターは稼げない
サラリーマン(会社員)であれば、自分の業務は会社の事業方針に従って決まり、上司から行動の指示を受けます。しかし、フリーライターは個人事業主であり、一人社長となります。自分の仕事に対する目標は自分で決めなければなりません。
- 1日にいくら稼ぐのか
- 自分の仕事に対する時間給はいくらなのか
最低でも上記2つは即答できなければなりません。ちなみに月収30万円を得る場合、月間20日勤務で日給は1万5000円となります。ライターは朝から晩まで書き続けることはできないので、時給換算すると3000円台が理想です。
3.今の生活しか考えていないライターは稼げない
零細中小問わずすべての企業は5年後、10年後の企業の存続と発展に向けた事業戦略を携えています。それは個人事業主であるフリーライターでも同様です。今月の収入や現時点の文字単価、仕事内容だけしか考えていないライターは、10年後も一向に収入は上がりません。
初心者のライターが将来を見据えた業務を考えるのは難易度が高いかもしれませんが、具体的な事業計画を考えることで、結果としてより良き自己の生計実現が可能となります。
初心者フリーライターが安定した案件獲得のためにするべきこと
初心者のフリーライターの多くは「収入が安定しない」、「今の取引先から契約解除されたら生活が傾く」と悩んでいます。業種問わずフリーランスは収入が安定しない業務形態と考えられていますが、その原因は大きく分けて「業務スピードが遅い」ことと「特定の顧客に収入を依存している」ことの2つが挙げられます。
初心者ライターは「品質よりも執筆本数を増やす」ことが重要
初心者ライターがやってしまいがちな失敗の1つに「取引先が求める以上の品質の記事を納品する」ことが挙げられます。魅力的品質の記事は取引先からするとライターの評価を高め契約継続に値する行為となりますが、残念ながらそれによって記事単価が上がるわけではありません。記事単価が1円前後と安い報酬を提示する企業はコンテンツの量産を求めているため、品質よりも納品スピードを重視する傾向にあります。
また、フリーライターはすべからく「やった分だけ稼げる」仕事のため、業務スピードと収入は比例すると考えてください。
取引先は最低でも5社以上を確保しリスク分散する
フリーライターはリスクヘッジも大切な業務の一環となります。月間30万円の収入を1社の取引先から得るよりも、1社5万円の収入を6社作ってさ30万円作るのがライターにおけるリスク分散となります。
取引先や業務内容によって文字単価や月間の執筆本数は偏りが出てくるため、必ずしも均一にする必要はありませんが、1社や2社に依存する収入形態は好ましくありません。
初心者フリーライターが30万円を安定して稼ぐ道筋とは
初心者のフリーライターがすぐに月30万円を安定して稼ぐのは簡単ではないかもしれません。しかし、以下の業務方針を目標に仕事に徹することで、最短で30万円の大台に到達することが可能です。
1.文字単価1.5円~2円の案件で20万円を作る方法を考える
仮に文字単価2円の案件を獲得できれば、1日5000文字執筆することで日給1万円となり、20日勤務で20万円を達成できます。文字単価1.5円でも1日7000文字執筆することで月20万円に到達します。
ただし、文字単価1円になると、1日1万文字執筆する必要があるため、それだけの量の記事案件を毎月安定して獲得できるか否か、また平日欠かさず1万文字を書き続けられるかを考えた場合、現実的とは言い難くなってしまいます。
2.10万円は「複業」で稼ぐ
月安定して30万円を稼ぐにあたって、実はこれが最も重要です。文字単価の問題は初心者でも実際に実務を続けると自ずと実感できるのですが、「複業」を失念している人は非常に多く見受けられます。
複業は「本業を複数持つ」という意味で使われ、フリーライターに当てはめると「ライティング以外の収入経路を確保する」ことを意味します。具体的には、
- 翻訳
- 市場調査
- 取材(対面・オンライン)
- 撮影
- SEO対策
上記がライターと親和性が高く、これまでの経験と実績を活かすことができます。上述したように、優秀なライターであっても1日中文字を打ち続けることは至難となり、将来を見据えて複数の収入を得ることは人生と生計の安定にも繋がります。
フリーライターは仕事量の3分1を複業にあてることを目標にする
フリーライターは1日の仕事量の3分2を執筆に、3分1を複業に充てるのが理想です。例えば1日8時間業務であれば、約5時間を記事作成に充て、残り3時間をブログの更新など他の仕事に充てるのが良いでしょう。ライティングに費やす1日の時間を決めていないと、「複業をする時間がない」という問題が発生してしまいます。
また、撮影取材のように1日がかりの仕事は非生産性の時間が長いため、通常業務の範囲外としてスケジューリングするのが収入を落とさないコツです。
複業は軌道に乗るとライティング以上に稼げる可能性が高いため、1つではなく複数の仕事を平行して行い期待値を高めるようにしましょう。
初心者フリーライターはオウンドメディアを持ちITリテラシーを高める
今後はこれまで以上に数多くの企業がネット集客に予算を注力し、SEO対策のために質の高い記事を書ける外部ライターを重宝することになります。初心者ライターも自分の記事が必要とされる理由を考え、SEO対策を中心にWebの知識を広げていくことが重要です。
また、案件の獲得や複業を実践する際は、必ず「オウンドメディア」が必要です。最初はSNSの更新からでもかまいませんが、フリーライターは1年以内に自分のポートフォリオを掲載するブログサイトを作ることを目標とするのが良いでしょう。
まとめ:初心者フリーライターは1年間の事業計画・目標を立てることから始める
今回は初心者のフリーライターに向けて、月30万円を目標に稼ぐ道筋を具体的に解説しました。日本も年々IT化が進んでいるため、今後はますますWebライティングの需要が増加することが予想されます。
その一方で安定して高収入を得るためには、行き当たりばったりで仕事をこなすのではなく、自分が掲げた事業計画・方針・目標に沿うことが大切です。まずは1年間の事業計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。