海外移住者の推移は2000年以降上昇基調に推移しており、新型コロナ期間中は一時帰国者が増えたものの、2022年では再び増加傾向となっています。
取り分け注目されるのが、働き盛りである30代の海外移住希望者です。しかし、30代の中には「海外移住したいけど、もう35歳。現地で失敗はできないな」と頭を抱えている人も少なくありません。
海外移住を真剣に考えると、漠然とした不安が迫ってくるものです。
そこで、ここでは35歳の海外移住で必ず成功する仕事事情やライフプランをご紹介します。
35歳で海外移住はおすすめできないと言われる理由
ネットなどで情報を漁ってみると、「30代・40代で海外移住はおすすめできない」、「働き盛りのうちは日本でお金を稼ぐべき」といった指摘も多く見受けられます。
この背景には、もともと日本人が海外移住する目的は、シニアライフ・セカンドライフを楽しむためという考えが根強くあることに由来します。
しかし、近年20代や30代のうちに海外移住を計画する人の多くは、「自分の仕事スキルを海外で活かしたい」、「海外で起業したい」といった新しいワークスタイルを求めている方ばかりです。
35歳で海外移住をおすすめする理由。成功するなら30代
2000年以降のIT時代では、パソコン1台であらゆる仕事をこなすことができます。日本では起業の壁が厚いですが、アジアを中心とした海外はフリーランスや個人事業主が幅広く認められているので、誰もが仕事をはじめやすい環境が整っています。
一方で50代・60代になると、アジアの熱気や活気に慣れるのに苦労しますし、事業を始める意欲が湧いてくるかも分かりません。
海外現地で就職するなら35歳まで
海外移住後に自身で起業するのではなく、海外現地の日系企業に就職する方法も考えられますが、現地のほとんどの企業は若手育成を名目に30代半ばまでを募集条件にしています。
そのため、50代以降だと何かしらのツテや紹介がない限り、現地採用は難問であるということができます。
35歳の海外移住で成功する仕事術
IT関連や製造関連のスキルがあれば、35歳であっても海外移住先で仕事には困りません。日系企業はベトナムやタイ、シンガポールといった東南アジアに積極的に進出していて、現地人の育成のため日本人技術者（管理者）を重宝しています。
一方でそういったスキルがない場合は、現地の日系旅行会社や一般企業の営業職として就職が可能です。ただし給料はそれほど高くないですし、現地採用は一般的に昇給や昇格がありません。バリバリ仕事ができる35歳のビジネスマンには物足りなく感じることでしょう。
35歳の海外移住はフリーランスで活動するのがおすすめ
35歳で海外移住する人は、最初はフリーランスで活動してみるのはいかがでしょうか。フリーランスであれば1つの事業を専業でやる必要はありませんし、日本国内企業と移住先の現地企業の双方と取引をすることができます。
海外移住を楽しむ！ワークバランスを考えるのがポイント
フリーランスは良くも悪くも「やればやっただけ収入が増える」事業となります。そのため、35歳の若いうちは、休日返上で仕事をしてしまいがちです。
しかし、せっかく海外移住をしたのだからワークバランスを考えて仕事とプライベートはしっかりと料率させ、双方を満喫できる生活習慣を身につけることをおすすめします。
海外移住者におすすめの仕事とは。メリット・デメリットも踏まえて紹介！
35歳で海外移住したフリーランスにおすすめの職種を解説。海外生活に慣れないうちは、あまり活動範囲を広げず、また必要経費をかけないで収入を得るのがストレスのないポイントとなります。
海外移住者に大人気の「旅行ライター」将来も明るい
旅行好きの海外移住者に根強い支持がある「旅行ライター」は、コロナ禍で一時仕事がなくなったものの、2022年後半になると徐々に回復の兆しが見えてきました。
旅行ライターの仕事は観光地を巡り写真撮影をして、記事に起こすというもの。依頼主は旅行会社やWEBサイト運営会社など多岐にわたるほか、アジアであれば日本人旅行者誘致のため、現地のホテルや飲食店も顧客となります。
旅行ライターの仕事は旅行市場や円安など為替の影響を受けるデメリットがありますが、自身でも旅行サイトを運営したり、旅行会社とタイアップするなど、マネタイズが幾らでも考えられるのが魅力です。
ホームページ制作・グラフィックデザイナー
例えば海外移住先現地で営業している日系レストランやローカルレストランを相手に、現地語と日本語対応のホームページ制作を提案してみてはいかがでしょうか。その他SEOコンサルタントや販促ツールのデザインなど、パソコン1つで対応できる業務はいずれも利益率が高いのでおすすめです。
自分ひとりの生活費程度であれば、月に1社か2社受注すれば困りませんし、本格的に事業展開をしたいのであれば、会社登記をして従業員を雇うのもいいでしょう。近年東南アジアは発展してきたとはいえ、まだまだ人件費は安いです。
幸せな海外移住を成功させる35歳のライフプラン
海外生活を充実させるコツは、仕事だけではなく私生活を見直すことも大切です。35歳であれば配偶者を持つ人もいるでしょうし、独身であっても海外生活は何かとストレスがたまるものです。
そこで、下記では海外移住者に知ってほしいライフプランをご紹介します。
仕事時間は少なく。海外旅行を楽しむ
日本で会社員の時間が長いと、昼間から遊んだり、平日に飲みに行くのはなんとなく気が引けるものです。しかし、海外在住者はそんなこと露とも気にしません。フリーランスであれば時間に束縛されることはありませんので、平日の昼間からアルコールを楽しむことも、旅行に行くこともできます。
むしろ海外移住をする人の中には、そのような日本人が羨む生活に憧れている人が多いのではないでしょうか。仕事時間はできるだけ短くして、プライベートを満喫することはまったく悪ではありません。
大切なのは、少ない業務でどれだけ効率的・能率的に収入を増やせるかを考えるアイデアとなります。
30代の若いうちの海外移住は独身だけの特権ではない
30代の若いうちから海外移住をする人に対して、「独身だからできる」、「家庭を持っていると無理」という意見もあります。
しかし、近年は配偶者や子供連れで海外移住をする家庭も着実に増えてきました。
日本人が多く暮らす国・都市では、移住者や駐在員に向けて日本語塾や日本語学校もありますし、近年は日系スーパーやコンビニも続々と進出しているため、海外に居ながらな日本と変わらない生活も可能となってきました。
すでにアジア主要都市では、子供連れ家族でも不都合なく暮らすことができる環境が整いつつあるので、若いうちの海外移住を独身だけの特権と思うのは、いささか古い発想といえるかもしれません。
35歳で海外移住の成功の秘訣。40歳までの仕事・生活プランを練る
今回は海外移住の成功の秘訣をご初回しました。35歳から海外移住をする場合は、特別なスキルや資格がない限り、フリーランスや個人事業主として仕事をするのが収入面でもおすすめです。
また、40歳までに自分の仕事や私生活がどうありたいのかは、日本を立つ前にしっかりと決めておくのがいいでしょう。これから海外移住を計画している人の中には、「もし住んでみて気に入らなければ、すぐに別の国に移るから」と深く考えない人もいますが、実際、外国から外国へ移るのは大変ですし、アジア諸国であれば、多少の習慣は異なっても、仕事事情や私生活の満足・不満の中身はそれほど変わりません。そのため、日本にいるうちからできるだけ現地生活を具体化しておくことが成功する秘訣でもあります。