フリーライター・Webライターが自分の本を出版したい場合、出版社や編集プロダクションにコネがなければ、どのような行動をとればいいか分かりません。
また、Webライティングを何年も続けても、一向に出版の仕事が回ってこない、というライターも多くいるでしょう。そこで、ここでは出版案件を獲得するまでにやるべき7つのステップを解説します。
フリーライターの多くはWeb記事で収入を得ている
昨今はフリーランス・個人事業主も着実に増えており、パソコン1つで仕事ができるWebライターに転身する人も数多くいます。新型コロナが良くも悪くも働き方に大きな影響を与え、「職場を必要としない仕事」需要が急速に伸びています。
フリーライターという職業は古くから存在していましたが、雑誌出版社に属さない人の多くはWeb記事で収入を得ている、いわゆる“Webライター”、“SEOライター”となります。
紙媒体だけで生計を立てられるライターはごくわずか
出版業界はネットの普及に伴い斜陽産業となり、それに伴いライターやカメラマンも紙媒体だけでは生計を立てるのが困難となっているのが実情です。名の売れた作家であっても印税だけの生活は厳しく、出版社や編集プロダクション、新聞社などから編集の仕事を受注して収入を安定させている人は実は多くいます。
「自分の本を出版したい」と考えているフリーライターも、紙媒体の執筆に専念するのではなく、通常のWeb記事の仕事をベースに受注することを強くおすすめします。
Webライターでも自分の本を出版できる可能性はある
一方でWebライターの中には「もう5年も記事を書き続けているが一向に出版の仕事が回ってこない」という人もいるでしょう。Web記事を依頼する業界と出版・編集は業界が異なるので、通常のSEO記事を書いているだけであれば、いつまで経っても本の執筆依頼が来ないのも不思議ではありません。
フリーライターが自分の本を出版するためにやるべき7つのステップを解説
そこで、ここではこれまで自分の本を出版したことがない人に向けて、Webライターが出版の仕事を獲得するためにやるべき7つのことをステップ別でご紹介します。
もちろん一朝一夕とはいきませんのである程度の時間はかかるかもしれませんが、基本的に紙媒体の執筆に携わるためには、その業界で働く人と関係を構築しなければなりません。何年もライター業をしているにも関わらず出版の話がないならば、一度自分の仕事上の人間関係をマインドマップにしてみるのがいいかもしれません。
1.Web記事で実績を積む。特定分野に強みを持つライターになる
これまで取引したことのない出版社から紙媒体の執筆依頼を受ける場合、最初に自分の実績を見せることになります。これまで自分の文章が活字印刷されたかどうか、また日本語の文章力を確認したいからです。
そのため、まずは日ごろのWeb記事で実績を積むことが大切となります。また、様々な分野・業界の記事を書くよりは、特定の分野を掘り下げて記事を書ける方がライターとしては重宝されます。
普段からWeb記事で収入を得ているライターは、月間の執筆本数が多いため、どうしても1本1本がおざなりになりがちです。しかし、紙媒体の出版となると、ライターの国語的文章力が見られます。独特でクセのある文章は編集に手間取ってしまうため、編集者からは敬遠されがちです。できるだけ正しい文法に則って記事を書くように努めましょう。
2.Webの名刺となるブログを開設する
Web上にブログを開設して自分のプロフィールを更新するメリットは、「24時間365日誰もがどこでも見ることができる」ことにあります。出版社や編集プロダクションの編集担当者も日ごろからライターを探しているので、ブログを名刺代わりに開設しておくだけで、問い合わせが来る可能性が少なからずあります。
ブログを運営するポイントとしては、「定期的に記事を更新する」、「守秘義務に抵触しない程度に自分の仕事内容を話す」ことです。フリーライターの私生活や仕事内容・実績はブラックボックス化しやすいので、ある程度明るみにすることで、編集者が問い合わせしやすくなります。
また、記事を何か月も更新していないと「もうサイトは閉鎖されているのかも」、「問い合わせても返信はないだろう」と誤解されるので、月に1~3回程度は更新するようにしてください。
3.ポートフォリオを作成する
自分のブログ上にプロフィールや実績を掲載することは大切ですが、それとは別に自前でポートフォリオを作成しておく必要があります。ライターのポートフォリオは文章をそのまま載せるわけにはいかないので、自分の記事が更新されているサイトURLを載せておくのがいいでしょう。
ライターが出版社にプロフィールや実績を提出するときは、一般的に履歴書や職務経歴書は必要ありません。そのため、ポートフォリオの冒頭で自分の略歴を200~300文字程度で書いておくといいでしょう。
また、編集者とWeb記事を依頼する企業に提出するポートフォリオは求められる実績が異なるので、区別して作成しておくことをおすすめします。
4.インタビュー取材の案件を受注する
本や雑誌媒体といった出版物の依頼内容には、インタビュー取材が含まれることもよくあります。インタビューの内容や経験はそれほど重要視されませんが、写真撮影は自分でできるのか、それとも贔屓にしているカメラマンがいるのか、などは編集者としては知っておきたいところ。
また、インタビュー取材自体はWeb案件でもよく見受けられます。グルメ取材や会社代表者へのインタビューなどは肩の力を抜いてできる仕事なので、未経験のライターは実績作りに1度か2度は案件をこなしておくといいでしょう。
5.本を出版したい業界に自分を売り込む
雑誌や書籍には出版社と編集プロダクションが必ず記載されています。両方記載があるときは実際発行物を作っている編集プロダクションに問い合わせしてください。出版社の記載しかないときは、出版社の編集部で本を作っていると判断できます。
まずは書店で出版社や編集プロダクションの社名を控え、その後ホームページから問い合わせるといいでしょう。ネットが普及する前は電話や飛び込み訪問で自分を売り込む営業方法が普通でしたが、昨今は専らEmailでやりとりするのが普通になりました。
6.出版社と編集プロダクションに企画書とポートフォリオを送る
出版社と編集プロダクションに自分のポートフォリオを送付するときは、できるだけ企画書も併せて送った方が、編集者にとって実のなる時間となります。
企画書にはこれといったフォーマットはありませんが、押さえておきたいポイントがあるので、初めて作る人は企画書作成方法も別途確認してください。
7.コラム記事など紙媒体の案件を受注する
どんなにWebでキャリアを積んだライターであっても、最初から一冊任せられる企画出版の依頼は受注できません。最初は雑誌等の1ページ、あるいは数百文字のコラム記事からこなすことによって編集者から信頼され、徐々に大きなページの依頼が来るようになります。
まとめ:自分の本を出版するためには「行動」が大切
今回は紙媒体の執筆依頼を受けるためのステップを解説しました。編集者と繋がりを作るためには、待っているだけではなく自分から行動する必要があります。編集者と何度か小さな仕事をこなすことによって、行く行くは自分の本の企画出版の依頼がくることになるでしょう。