プロのライターになったからといって、自動的に案件が舞い込んでくるわけではありません。取引先がいないうちは、自分から積極的に新規開拓の営業をしなければなりませんし、既存顧客が複数存在するならば、今度は取引先との関係構築や追加の案件獲得のための営業活動をしなければなりません。
そこで、ここでは毎月安定した案件の獲得に苦しんでいるフリーライターに向けて、これから実践するべき営業方法・営業活動全般を詳しくご紹介します。
フリーランスライターは営業が必要?
フリーランスのライターは近年急増しています。新型コロナを契機に在宅ワーカーの増加に伴い、資格不要のライターを副業感覚で請け負う男性女性が増えてきました。
しかし、副業ではなく本業のフリーライターとして活動するのであれば、常に安定した取引先と案件数が必要となります。
月数万円の収入で十分ならばココナラやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサービスを利用して案件を受注すればいいのですが、サラリーマンの平均収入以上を望むのであれば、自分で独自の営業方法を日々実践しなければならないでしょう。
フリーランスライターが狙える現実的な年収とは
フリーランスのライターと言えばサラリーマンの年収よりも総じて低い印象があります。ネットで情報を収集しても、「1か月3~5万円稼ぐので精一杯」といった記事も数多く見受けられます。
しかし、能動的に営業活動して、複数の企業と長く付き合えるようになると、月収で20~30万円は手堅く稼ぐことができます。また、フリーランスライターの多くは記事作成以外にも翻訳やコンサルティング、市場調査、取材などを請け負っているので、月収で40~50万円、年収で400~500万円をコンスタントに稼ぐ人も決して少なくありません。
フリーランスライターの営業活動をする前に必要なもの
フリーランスライターの営業活動をするにあたって、事前に必要なものを紹介します。
社会人なら必須の「名刺」
フリーランスは会社というバックグラウンドがないですし、ライターは取引先と直接会う機会がほとんどないため、名刺を作らない人も多いようです。しかし、フリーランスも立派な個人事業主となりますし、取材が入れば取材先に渡す名刺が必要となります。
ライターの実績・職務経歴書となる「ポートフォリオ」
一般的にサラリーマンが就職活動するときは履歴書・職務経歴書が必要となります。エンジニアやデザイナーはさらに実績を証明するポートフォリオも面接に持参することでしょう。
フリーランスライターの場合は、ポートフォリオに職務経歴の概要も付けて企業に応募するのが一般的です。ポートフォリオには自分が書いた記事のURLや出版物の情報を記載するようにしましょう。
フリーランスライターは営業活動に費用はかかる?導入すべきWebツールとは
フリーランスライターが日々営業活動をするにあたり、必要となる費用・経費を紹介します。基本的に絶対に必要と言うわけではありませんが、場合によっては取引先から要望を受けることもありますので、それに対応する必要はあります。
Zoomの有料は不要。チャットツールは「チャットワーク」の導入がおすすめ
新型コロナ以降はオンライン会議システムを使って打ち合わせや面接をする機会が多くなりました。ミーティングツールはZoomかGoogleのいずれかを使うことがほとんどです。Zoomは無料と有料版があり、無料版は一度の接続で40分で切れてしまいます。しかし、多くの企業が無料で使っていて、40分以上かかる場合は一度接続を切って再接続しますので、無料で十分です。
一方でチャットツールは「チャットワーク」を導入している企業が圧倒的に多いので、フリーランスライターもそれに合わせた方が良いでしょう。チャットワークは無料版の場合、ユーザー数が100人までと決められています。つまり、100回顧客を登録したら無料版はそれ以上使えなくなるので、その後は有料版にアップグレードするといいでしょう。
画像加工ツールは無料ツールで問題なし
近年は個人情報保護の規制が厳しくなってきました。そのため、画像に映っている人のモザイク処理はライターの仕事になりつつあります。加工ソフトはPhotoshopのようなAdobeが有名ですが、昨今は無料でモザイク処理やリライズできるソフトも増えてきました。基本的に無料で問題ありませんので、使いやすさで選んで導入してみてください。
フリーランスライターの営業活動方法はメール?電話?
一昔前までは、フリーランスライターの多くは電話で営業を行っていました。出版社や編集プロダクションに電話をして、後ほど担当者宛にポートフォリオを送付するのが定番のやり取りでした。
しかし、昨今は新規開拓の営業も含め、取引先とのやり取りはすべてメールを通じることが圧倒的に多くなりました。
ただし、通常の営業メールは担当者になかなか届かないため、単なる自己紹介ではなく、企業ホームページを見て、課題点や自分なら解決できることを伝えてみるのが良いでしょう。
また、ポートフォリオは最初の段階で添付はするべきではありません。企業担当者によってはマルウェアを疑いメールごと破棄する人もいますし、2MB以上は受信拒否設定にしている人も多くいます。
新規開拓は同じ業界を中心に営業活動する
新規開拓の営業をする際は、1つか2つの特定業界に絞って営業メールをするのがおすすめです。業界によってSEOをあまり必要としないところも見受けられるので、ホームページのデザインに力を入れていない企業への問い合わせはおすすめしません。
フリーランスライターになりたての頃はクラウドソーシングサービスを利用することが多いことでしょうが、運営会社に支払う手数料が決して安くはないので、本当にライターを本業にするならば、ブログを開設したり、SNSをはじめるなど、企業が自分に直接問い合わせができるよう窓口を増やすのがおすすめです。
既存顧客の関係構築方法と追加案件の提案・受注方法
一方で毎月規定の記事を納品している既存顧客と、より一歩進んだ関係構築を望む場合、必要となるのが「既存顧客が抱えている課題解決の提案」です。企業がフリーランスライターに記事作成を依頼する目的は、「自社のオリジナル記事による競合との差別化」と「SEO対策」です。
記事を納品するときや、執筆する記事テーマを決める打ち合わせのときに、それとなく現状抱えている問題点と理想のサイト運営を質問してみてはいかがでしょうか。
例えば「私がSEO分析を請け負いましょうか?」、「来月からまとめ記事を増やしてみるのはいかがでしょうか」など、案件に繋がる提案をしてみると、すでに関係が良好の場合は信頼して任せてくれる可能性もあるはずです。
まとめ:営業活動はスケジュールを決めて取り組むのがおすすめ
今回はフリーランスライターの営業方法・営業活動について詳しく解説しました。フリーランスライターの主業務は記事の執筆となり、営業活動をしている時間は収入を得ることができません。そのため、毎日の業務が終わったあとに取り組むのがおすすめです。「今日は問い合わせする企業のリストを作成する」、「今日はポートフォリオの情報を最新にアップデートする」などと1つ1つ確実にタスクを終わらせるのがメリハリをつけて効率よく営業するコツとなります。