自分の企画が本になる!ライターが出版する本のアイデアと考え方
自分の企画が本になる!ライターが出版する本のアイデアと考え方

トラベルライターとして仕事を続けていれば、企画書を編集者に見てもらう機会もあることでしょう。自分の出した企画書が通ったあとは、担当編集者がついて、二人三脚で本の出版に向けて本格的な執筆が開始します。そこで、今回は出版に向けた本のアイデアと考え方をご紹介します。

売れる本とは。ライターはまず世間のニーズを考える

売れる本とは。ライターはまず世間のニーズを考える

まず、自分が書きたい本と売れる本は当然異なります。そして、出版社や編集者は、売れる本の企画しか通しません。売れる本というのは、基本概念として3つのニーズを満たしている必要があると言われています。

  • 自身
  • 知り合い
  • 社会

つまり、自分の書きたいテーマは、自分や身の回りの知り合い、そして社会が求めているニーズであるかどうかを考える必要があります。

ある一定の人しか受け入れないような尖った作品もいいのですが、それは著名人が問題提起をするからこそ耳を傾ける人がいるのです。出版社が求めるのは、まずは一般大衆が受け入れてくれて、共感・同調をしてくれる本であるということは覚えておきましょう。

トラベルライターが旅本を出版する場合のニーズ

トラベルライターが旅本を出版する場合のニーズ

トラベルライターが旅本やエッセイを出版したいと考えた場合、どのようなニーズを企画書に落とし込むのがいいのでしょうか。例えば旅本やエッセイの場合、読者がその本を読んだことによって、どのような恩恵を享受することができるのかを考えます。

  • 旅に行きたくなる
  • 実際は旅行する時間はないけれど、本を読んで旅の気分に浸れる
  • 本を読むことによって非現実的な時間を体験し、社会から一時的に抜け出すことができる
  • 自分の知らない文化や習慣を知り、見聞を広げることができる
  • 自分の好きな国、興味のある都市のディープな現地情報を知ることができる
  • 次の旅先を決める足掛かりとなる

上記を旅本の読者が受けられる恩恵として考えたとき、どのような内容の本を書けばいいのでしょうか。その答えを企画書に落とし込むといいでしょう。

読者が「自分でも実行できる」ことをアイデアとして具体化しよう

読者が「自分でも実行できる」ことをアイデアとして具体化しよう

例えば「トラベルライターになるため」の本を出版したい場合の企画書を考えたとき、まず前提となるのが「読者がこの本を読んで、「自分もトラベルライターになれるんだ」と思うことができること」です。

例えば、「まずはFacebookで1万人のフォロワーをゲットするのが条件」、「Instagramを1日10件欠かさず投稿」、「1年に5回以上海外旅行へ行こう」といった、トラベルライターになるための敷居が非常に高い場合、「自分には無理だ」と諦めてしまいます。

一方、「SNSはフォロワーゼロでも構わない」、「1回も海外旅行に行かない人がなるトラベルライターの道」、「Instagramは月1回だけの投稿」といった、良い意味での驚きを取り入れることができれば、それだけで本のタイトルとして成立しますし、アイデアとして類書の差別化を図ることができます。

本のタイトルの考え方とアイデア

本のタイトルの考え方とアイデア

タイトルは本の顔と呼ばれるほど重要。また、企画書を作る場合も、タイトルは必ず大きな文字で印字します。タイトルを考える場合、重要なのは下記の要素が盛り込まれているかどうかとなります。

  • 解決方法が盛り込まれている
  • 特定の条件がなく、誰でも簡単に実践できる
  • パッと見て本の内容を判断できる
  • 数字など具体的な単語が含まれている

例えば上記の項目を守りながらタイトルを考えてみてはいかがでしょうか。また、タイトルにはサブタイトルを入れることもできますので、なかなかまとまらない場合はこちらに盛り込むのもいいでしょう。

編集者がNoと言う本の企画とアイデア

編集者がNoと言う本の企画とアイデア

どんなに自分でおもしろいと思う企画やアイデアであっても、出版社や編集者からすると、企画を通すわけにはいかない本というのもあります。

  • パッと見て本の内容が分からない
  • 過去に出版された本に似通ったタイトル
  • 似たようなジャンルの既存の本が売れていない
  • 重版が見込めない
  • 読者が求める解決方法やノウハウが本の中ではっきりしていない

ライターが初めて企画書にアイデアを盛り込む場合、陥りがちなのが「過去の出版物の未確認」と「自分の中で満足して終わっている」ことです。

過去の出版物は必ず確認しよう

企画書にアイデアを盛り込む場合、まずは既に出版された本の中で、自分の企画に類似した本の有無を探しましょう。過去の出版物はAmazonや電子書籍のWEBサイトでほとんどを確認することができます。WEB上では発行部数は分かりませんが、売れていた場合は帯で「〇〇部突破」などとPRしていることもありますし、書店で実際の本を確認できれば重版しているか否かも分かります。このように過去の出版物の中から、自分の企画する本の類書を見つける作業は非常に重要となります。

自分の中で自己完結しては駄目

初心者のライターが企画書の制作でよくやってしまうことの1つが、「自己完結してしまっている」というもの。

つまり、自分の中で面白いと思っているだけで、実際は周囲のニーズを確認していなく、自己満足で終わってしまっている内容です。企画書には読者ターゲットやニーズなどを書き落としますので、そこがしっかりと書き込めているかを確認しましょう。

トラベルライターは企画が通る可能性が高い!

トラベルライターは企画が通る可能性高い!

トラベルライターは海外移住や海外ビジネスを試みる人が多くなった2000年代以降に生まれた新しい職種です。また、職場を持たないで自由に仕事をするフリーランスやノマドの台頭もここ最近のこととなります。

そのため、トラベルライターやノマド、海外生活絡みのテーマで本を出すならば、編集者から「おもしろい」と興味引く企画書を作ることができるかもしれません。ただし、上述したように必ず類書は必要となるので、まったく目新しい本である必要はありません。

編集者の目にとまる企画書とアイデアはジャンルから

編集者の目にとまる企画書とアイデアはジャンルから

編集者は日ごろから大量の企画書に目を通しています。日本では1日200冊以上の本が出版されていて、その内の7割は初版で終わります。

一昔前まではベストセラーといえば10万部でしたが、現在はジャンルや業界によっては5万部未満でもベストセラーと呼ぶようになりました。

そのため、1冊の出版に数百万円もかかる企画出版は出版社にとっては大きなリスクをとることになります。編集者も相応の責任があるため、企画書の吟味は熟考を重ねた上で決めます。

無名のライターの企画出版はジャンルが大事

無名のトラベルライターが企画書やアイデアを編集者に提案する場合、自分の書く本のジャンルをよく吟味しましょう。「トラベルライター」というキーワードはニッチな単語とジャンルになるので、もっと広義で「旅」や「海外移住」といったジャンルでテーマを絞っていくのがいいかもしれません。

ちなみに、無名のトラベルライターの企画が通る確率はやはり低いですが、しかし、編集者は興味引く企画をいつだって探していますし、無名のライターでも歓迎してくれます。

なぜなら、既存作家の本は過去の出版物からおおよその発行部数を予測することができますが、無名のライターの本は化ける可能性があります。近年困難なベストセラー本が出るのも、決まって無名ライターからとなります。

企画書は何度も挑戦を。アイデアは常にリスト化しておく

企画書は何度も挑戦を。アイデアは常にリスト化しておく

最初の企画書で通る人はほとんどいません。普通は送った企画書に対してフィードバックはありませんが、何十回と編集者に見てもらうことによって、もしかすると編集者から問い合わせがくるかもしれません。また、本にしたいアイデアのストックは常にメモして持っておくことも必要です。

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