
海外に移り住んで、本格的にライター稼業をはじめたい場合、日本ではどのような準備をすればいいのでしょうか。海外在住ライターといっても、何も永住をする必要はまったくありません。
しかし、その国の旅行や生活、ビジネス記事といった案件を請け負うには、最低でも半年程度は根を生やした生活をすることが望ましいです。
そこで、今回は半年から1年以上海外に移り住むことを想定して、日本で行う準備や、ライターとして始動するための日本の準備事項をご紹介します。
税金手続きの考え方

日本ではその地に暮らしているだけで、国民健康保険、年金、住民税といった税金の支払い義務が生じます。そこで、頻繁に聞かれることが「海外に住んでも税金は払わなければならないのかどうか」、「むしろ払うべきか否か」というものです。
まず言えることは、「海外転出届を出していれば、税金を払う必要はない」というもの。税金の支払い義務は、あくまでも日本国内に在住している人に対して適用されます。
「海外転出届を提出=住民票を抜く」と、国民の義務から免れることができます。ただし、それと同時に国民健康保険への加入ができなくなりますので、海外現地で改めて民間の保険に入る必要があります。
長期滞在する場合は住民票を抜くように
1年以上、もしくは今のところ帰国の予定がない、という人は、ずっと住民税や健康保険料を支払い続けるのも大変なので、日本を発つ前に住民票を抜いておくことをおすすめします。ちなみに税金は前年度の収入に対しての金額が本年にのしかかってくることも忘れないように。
電子機器は日本製メーカーのみ日本で準備!

電子機器で日本から持っていくべきはカメラとパソコン。カメラはニコンやキャノン、ソニーといった日本メーカーを使っている方は、予備バッテリーやレンズは日本で買うのが一番安く確実です。
ちなみにレンズは海外だと若干高い傾向にありますし、予備バッテリーは基本的に純正ではなく中国産となります。使っていて不具合が起きる例はほとんどありませんが、電池がすぐに減ってしまうので常時3つ4つ用意する必要があります。日本で純正を幾つか買っておくといいでしょう。

一方でパソコンは海外ではAsusやLenovo、DELL、HP、アップルが主力メーカーとなるため、東芝や富士通など日本製メーカーを購入したい場合は必ず日本で手に入れておきましょう。
ちなみに海外製は英語キーボードとなり、配列が多少違うので慣れるまでに時間がかかります。また、日本製メーカーを海外に持っていく場合は、念のため充電器(ACアダプター)も予備を買っておいてください。
ビザの取得と更新方法は早いうちに解決しておく

海外在住ライターになるということは、しばらくは海外現地に滞在するということになります。外国人が母国以外の国に滞在する場合は、滞在ビザが必要となるのですが、最もオーソドックスな方法は、下記のような流れとなります。
- 旅行目的のビザ免除で入国
- ビザ免除期間中にビザを取得する(3か月程度が一般的)
- ビザを更新する
最初のビザの取得は大使館や領事館に行けば簡単にできますが、問題となるのが次の更新のとき。領事館やビザ代行業者を利用すれば簡単に更新できることもありますが、場合によっては一度国外(隣国)に出て、再び戻る作業が必要になります。
そのため、日本にいるうちからビザの取得及び更新方法を調べておくのと、国外に出る場合に備えて国境の場所もインプットしておきましょう。
書類はすべてデータに落とす

名刺、印鑑、履歴書・職務経歴書、免許証(裏表)、パスポートなどは一式PDFやJPEGといったデータに落としてパソコン上に保存しておきましょう。できれば名刺はエクセルや専用ソフトに情報を落として顧客リストを作成するといいでしょう。
これらは大切な個人情報となるので、あまり海外には持っていきたくはありません。そのため、できるだけデータに落としておくのが大切です。
ちなみにライターとして仕事をはじめると、毎月請求書や領収書をクライアントにメールで送付する必要が出てきますが、これらはデジタル印鑑で対応できます(クライアントも海外在住者の対応に慣れているため)。
重要なクライアントとは直接会って挨拶しておく

日本に居るうちからクライアントを見つけることができた場合、日本を発つ前に一度先方に訪問して担当者に挨拶しておくのも重要なポイントです。
海外に住んでしまうと、日本に帰国する機会はせいぜい1年に1度か2度あるかないか。それも大抵はお盆や年末年始となるので、担当者も休暇の可能性が大。
また、直接担当者に挨拶に出向く海外在住ライターは正直言うとほとんどいません。そのため、他のライターとの差別化にも繋がりますし、「せっかく挨拶に来てくれたんだから、別の仕事も依頼しようかな」と、例えば自社ホームページのブログ更新や、上がってきた記事の編集といった役目を引き受けることもできるかもしれませんよ。ちなみに訪問する際は事前にライターとしての名刺も作成しておきましょう。
日用品で必ず持っていくべきもの

例えば衣類や雑貨、化粧品などは現地でもいくらでも調達することができます。ただし、必ず日本で準備・調達しなければならないものもありますので、ここで紹介するものに関しては漏れなく用意しておきましょう。
クレジットカード&キャッシュカード
クレジットカードは申請から受け取りまで長いときで1か月ほどかかりますので、なるべく余裕を持って申請しておきましょう。また、クレジットカードはデビットカードとともに複数枚作っておくこともお忘れなく。
海外ではクレジットカードもデビットカードも普及率は非常に高いですが、なぜかお店と相性が悪くて使えないケースもざらにあります。また、ATMでお金を引き落とす場合は、海外ATMでも使えるキャッシュカードが必要です。住信SBI、SMBC信託銀行、スルガ銀行などが該当します。
常備薬は何を持っていく?
基本的な風邪薬や下痢止めは現地の薬の方がむしろ治りが早いと言われています。しかし、鼻炎薬や鎮痛剤は現地の薬だと効果(成分)が2倍程度強いため、日本から持っていくのがいいでしょう。最近はあらゆる日本製品を海外で買うことができるようになりましたが、薬はなかなか手に入りません。
企業ホームページやマッチングサイトに登録してクライアント探し

ライターとしての就職活動は、専ら企業のホームページに問い合わせして自分を売り込んだり、マッチングサイトで仕事を引き受けることとなります。
海外に移住した当初は時間があまりにもありませんので、日本を発つ前に「ココナラ」や「ランサーズ」、「クラウドワークス」といったマッチングサイトに登録し、自分のページを作成しておくといいでしょう。
また、企業のホームページは海外IPアドレスを制限していることも多いため、海外から問い合わせメールを送信するときは、共有型VPNサービスを利用する必要があるケースも決して少なくありません。
海外に移り住んだ当初は現地の生活に慣れるのに必死のため、非生産的な求人を探す行為は億劫になりがちです。日本在住時にある程度の就活は済ませておきましょう。
書店で出版社のチェック

こちらも日本で準備する必要があるものの1つ。海外現地では日本の書籍は売っていませんし、売っていたとしても漫画や小説くらい。海外在住ライターとして必要な情報となる最新の旅行ガイドブックやライフスタイル系の雑誌、ムックは日本でしか手に入りません。
すべて買う必要はありませんが、ガイドブックは海外全国の観光スポットや見どころが紹介されているので1冊か2冊は持っておきたいところ。また、買わない場合も、雑誌の巻末にある出版社と編集プロダクションの情報は押さえておき、のちほど自分を売り込みましょう。
編集プロダクションは自社でしっかりとしたホームページを持っていないところも少なくありませんので、本で確かめるのが一番手っ取り早いです。
滞在の不安を拭うための準備を

海外在住を希望するライターが日本を発つ前にすべきことというのは、現地で滞在する際の不安を取り除くことです。カメラやパソコンなどの準備はもちろんですが、最も失敗しやすいのが書類関係です。戸籍謄本の入手や海外転出届の提出、大学の卒業証明書などは怠らないように、最初に揃えるようにしてください。