出版社や編集プロダクション、観光サイトの運営企業は、頻繁に旅行記事の制作をアルバイトに外注します。専門分野である旅行ライターであれば、単なるWEBライターと差別化ができるので、採用もされやすいことでしょう。
そこで、今回は旅行ライターがアルバイトとして旅行記事を請け負う場合の成功するポイントや注意点をご紹介します。
旅行記事の制作は、基本は外注（アルバイト）に出す
旅行記事というと、旅行会社だけが求めていると思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
旅行やライフ系の雑誌メディアを発刊している出版社や編集プロダクションはもちろん、観光サイトを運営しているIT企業、地域活性化を掲げてインバウンドのPRをする全国の自治体、海外マーケティングを主軸とした市場調査会社。
ホテルや旅館を経営する宿泊業、などなど幅広い業界で旅行記事は求められています。
しかし、業界のほとんどは、旅行記事は自社で制作するのではなく、「1記事〇〇円」と外注、つまりアルバイトを雇うのが普通です。
その理由は幾つかありますが、「記事を毎日更新できるスタッフがいない」、「費用対効果が見えない記事にスタッフの時間は割けない」、「SEO対策を知らない」などが挙げられます。
旅行会社は現地スタッフが記事を更新するが……
旅行記事を最も欲しがる旅行会社の多くは海外現地に支店を持っているので、現地スタッフも定期的に記事を更新しています。しかし、実情を聞いてみると、それではまったく不十分であることが分かります。
記事はほぼ毎日更新しなければ、競合が多い旅行業界ではGoogle検索順位の上位に表示されるのは困難ですが、日本人スタッフは毎日慌ただしく動いていますし、現地スタッフでは日本語力に問題があります。
また、スタッフは記事を書くプロではありませんし、SEO文章の書き方も知りません。昨今はコンテンツの中身が非常に重要視されているので、記事を書く際はよりテクニカルな部分が競合他社との差別化をする上で必要不可欠となってきます。
旅行ライターがアルバイトで旅行記事を請け負うケース
旅行ライターは通常、冒頭でご紹介した企業から業務委託として無期限あるいは有期で依頼を毎月請け負っております。
フリーランスの旅行ライターは「収入が安定しない」と思われがちですが、一度信頼を勝ち取ると、その事業やウェブサイトによるサービスが終了しない限り、何年も契約を更新してくれます。
旅行ライターは、そのような企業をおよそ5～10社程度常に抱えているものなので、長く旅行ライターとして活躍している方は、毎月安定した収入を得ています。
しかし、そんな旅行ライターも、場合によってはアルバイトとして旅行記事を請け負うケースが発生することもあります。
収入が減少傾向にある
例えば新型コロナが世界中で猛威を振るっている時期、旅行ライターも大きな打撃を被っているのは想像に難しくありません。
旅行会社そのものがサービスを提供できないので、ウェブサイトによる集客の目途も立たなければ旅行記事を更新する必要性もなくなります。業務委託でしかない旅行ライターは、真っ先に契約を解除されることでしょう。
そのようにして収入が減少傾向にある旅行ライターの中には、毎月の収入確保に向けて、単発や短期間のアルバイトをこなす人も増えてきました。
短期もしくは有期アルバイトの方が収入を多く得られる状況にもある
旅行ライターの普段の仕事量によっては、短期もしくは有期（期間限定）のアルバイトやパートで働いた方が、収入が増えるケースも多々あります。
これは日本が先進国であり、ウェブサイトによる集客に多額の投資をしていて、なおかつ基本給が高いことが要因です。外国では記事の執筆のアルバイトだけで生計を立てるのはちょっと不可能と言えます。
ただし、日本の場合は出勤を強要する企業も多いので、旅行ライターは注意する必要もあります。
旅行ライターがアルバイトに応募する際のポイント
旅行ライターがアルバイトに応募する際に注視してほしいポイントがあります。どんなに報酬が欲しくとも、金額・条件に関わらず応募すると、納期に間に合わなかったり、割に合わない依頼を引き受けてしまうこともあります。
出社やテレビ会議の有無を確認
旅行ライターの多くは出社不要の在宅ワークとなりますが、報酬のいい業務委託契約の場合は、月〇回の出社やテレビ会議への参加が義務付けられているケースも多々あります。
しかし、海外在住者や日本国内でも居住場所が遠方の場合は、出社ができないケースもあるでしょう。そんな場合は、応募を諦める前に、企業に問い合わせて出社不要にできないか、相談してみるといいでしょう。
記事単価は割に合っているか
旅行記事の報酬は1文字〇円、もしくは1記事〇円のいずれかで設定されており、相場もある程度は決まっています。
当該報酬が割に合っているかどうかは、自分の既存の仕事量や請け負うボリューム、納期、記事の専門性とテーマ、文字数などによって変わってきますので一概には言えません。
ただし、仮に記事の報酬欲しさに割に合わない仕事を引き受けてしまった場合、「報酬は少ないけど、仕事量が多く、他の仕事を断らなければならない」といった事態にも陥りがちです。
旅行コンテンツは記事だけではない！旅行ライターが請け負えるアルバイトとは
旅行ライターが請け負うことができる業務は、必ずしも記事制作だけではありません。1日中記事を書くのも大変ですし、新しいスキルや得意分野を見つけることも大変有意義なことです。そのため、未経験のことでも積極的にチャレンジしてみてください。
観光情報の収集業務
案件的には記事制作の次に多いかと思われる仕事です。年中発生する業務ではないため、企業側は基本は特定の業者に依頼するのではなく、アルバイトを都度募集して短期間で一斉に情報を収集します。
例えば博物館、官公庁、観光地、レストラン、カフェ、スパ、お土産店、世界遺産といった観光スポットの営業時間や支払い方法、メニューなどを調べるのが当該業務。
写真の有無で報酬は大きく変わってきますが、量が多いので1度こなすと数十万円の報酬を得ることができます。主に旅行ガイドブックを発行している出版社と、現地に支店を持たない旅行会社がクライアントとなります。
海外進出企業からの市場調査
海外に進出している、もしくは進出しようとしている企業からの市場調査や、自社ホームページの更新作業なども旅行ライターがよく引き合いのある仕事の1つです。
企業はメーカーであったり観光業、製造業とさまざま。旅行と関係ない業界も多いため、来た案件すべてを引き受けるのは難しいですが、自分でもできるかも、と感じた案件に対しては、積極的に話を聞きたいところです。
一般的に上記のような企業案件の場合は、通常の旅行記事よりも単価は高い傾向にありますし、もし企業側が初の試みなのであれば、こちら側がイニシアティブをとることもできます。きっと旅行ライターにとって、いい条件で仕事を受注することができるでしょう。
旅行記事の需要は年々増加傾向！旅行ライターも是非案件を探してみて
新型コロナで観光業界は一時低迷していますが、それでも一旦落ち着くと、観光業は再び以前と変わらない盛り返しが期待されています。
観光業の多くは支店を少なくして、オンライン（WEB）での集客に注力することが予想されるので、今後はより旅行記事の需要が増えることでしょう。
もしかすると、アルバイトで引き受けた仕事が、いつの間にか大きな仕事へと変わることもあるかもしれません。旅行ライターならば、是非時間の隙間を見つけて旅行記事案件を探してみてください。