ウィズコロナとしてニューノーマルの時代がはじまった2023年。現在仕事に困っている、あるいはこれから旅行ライターを目指したい人は、今後どのように仕事をすればいいのでしょうか。ここで旅行ライターの仕事事情と将来に向けてやるべきことを紹介します。
コロナ禍で大きな影響を受けた旅行・観光業界
旅行・観光業界はコロナ禍で大きな影響を受けた業種の1つです。旅行会社をはじめ旅行者向け商業施設は軒並み経営不振に陥りました。これまで旅行会社から安定した記事依頼を受けていたほとんどの旅行ライターが仕事を打ち切られてしまいました。
2023年に入ると、国内旅行を中心に旅行需要は回復傾向にあり、徐々にではありますが、SEO対策のために記事制作を旅行ライターに依頼できる状態に戻ってきました。
ウィズコロナとは?旅行ライターのいまの仕事事情
2023年に入ると「ウィズコロナ(Withコロナ)」の時代がはじまりました。ニューノーマルと言われる新しい働き方として、職場を持たない在宅ワーカー・ノマドワーカーが急増。会社側も毎日の出勤を強制せず、IT業界を中心に在宅勤務を取り入れる会社も増えてきました。
ウィズコロナとはコロナを受け入れた経済活動を意味しますが、旅行ライターの現在の仕事事情はどのような状況となっているかを解説します。
国内旅行記事が需要を取り戻しつつある
上述したように、2023年はウィズコロナ最初の年として、また円高が原因による国内旅行回帰の動きが目立ちます。そのため、ここ最近は国内旅行記事を求める旅行会社・旅行情報サイトの運営会社が急増しているように思えます。
日本の観光地を外国人に紹介する記事の需要が急増
また、昨今の記録的円高により、訪日外国人観光客の数も増加傾向にあります。そのため、各自治体や海外マーケットを事業にしている企業からの記事依頼が増えています。記事は日本の魅力を伝える記事となるので、日本全国の観光情報や歴史、各地の名産・名物記事が主となります。
案件の受注には外国語スキルが必要ですが、報酬単価は通常よりも高いですし、応募にあたっては実績を問わない企業がほとんどです。
海外在住ライターが不足している
一方で海外旅行需要はまだまだ低く、「コロナ前と比べると8割減」という旅行会社がいまだ多い様子です。そのため、2020年から続くコロナが原因で、多くの海外在住ライターが日本に帰国し、2023年時点でも戻ってきていない現状があります。
海外旅行者数がある程度戻るまでは海外旅行記事の需要はあまり見込むことができませんが、海外在住ライターの数自体が激減しているため、自分が居住する国・都市の記事作成案件は独り占めできるかもしれません。いまから旅行ライターを目指すのであれば、海外在住ライターを視野にいれてみるのもいいでしょう。
ウィズコロナに求められる旅行ライターとは?
ウィズコロナとなった現在、再び旅行ライターを目指す人も多いことでしょう。昨今は「複業・パラレルワーカー」という言葉もしばしば使われるようになり、複数の本業を持つことも普通となりつつあります。旅行ライターの中には会社員でありながら旅行ライターを兼業している人も少なくありませんし、旅行ライターと翻訳業務、市場調査などを本業として請け負っている人もいます。
では、ウィズコロナのいま、どのような旅行ライターが求められるのでしょうか。
現地取材(撮影)ができる旅行ライターがウィズコロナに重宝される理由
上述したように、コロナ禍で旅行記事の執筆を本業にしているライターの多くが一時仕事を休止しているため、現地に取材に行ける人間が著しく不足しています。
また、コロナ前後では現地の観光地の様子が大きく変わっているので、旅行会社は最新の観光情報にデータを更新しなければなりません。そのため、現地で撮影取材ができる旅行ライターを国内外ともに幅広く募集しており、それに対応できる旅行ライターは重宝されます。
リアルタイムの現地情報を発信できる旅行ライター
ウィズコロナといっても、まだまだ国内外の観光事情は不安定です。日本国内旅行であればコロナ規制、マスクの有無、宿泊施設の規則、ワクチン注射の有無などは地方自治体や商業施設によって対応が異なりますし、海外旅行であれば出入国に関する法律、現地で陽性と判断されたときの対応、商業施設・観光施設の営業の有無等をリアルタイムで情報収集しなければなりません。
そのため、最新の現地情報を発信できる旅行ライターが必要となります。
副業ではなく複業のプロフェッショナルな旅行ライター
コロナ以前は旅行好きの副業ライターも気軽に記事を受注できていましたが、ウィズコロナの時代は旅行会社は限られた予算でSEO対策を講じ、旅行者に観光情報を提供しなければなりません。
そのため、1本の記事に求められる品質が高くなっているのが現状です。
- 現地の写真を挿入
- 長文記事(1本3000文字以上)
- 適切なメタタグの設定
- 記事テーマ・構成の立案
今後は副業で月数万円を稼ぐ旅行ライターは仕事の受注が難しくなり、旅行記事の作成を本業にするプロフェッショナルな旅行ライターが選ばれることが予想されます。
旅行ライターが将来に向けてやるべきこと
新型コロナの前後では、旅行ライターの将来設計も大きく変わったことでしょう。これから旅行ライターを目指す人や、旅行案件の受注に苦しむライターが将来に向けて必ずやるべきことを以下に紹介します。
1.応募・問い合わせ窓口を増やす
旅行記事案件の分母が小さくなっている現状、機会損失は最小限に抑えたいところです。普段利用しているマッチングサイトがあれば、さらに複数のサイトに登録して案件を探してみるのがいいでしょう。また、自分が運営しているブログやSNSなどを駆使して問い合わせ窓口を増やすのも重要です。
2.新規開拓を常に行う
多くの旅行ライターは、毎月のスケジュールが取引先案件で一杯になると、既存案件に集中して新規開拓を行いません。「いま新規開拓をしても案件を受けられない」と考えるかもしれませんが、新規開拓をしないと、現状よりも条件のいい企業と取引できる可能性を排除してしまうことになります。旅行ライターに限らず、フリーランスは現状維持ではなく常に発展を意識しなければ収入は増えません。
3.特定の国・都市の専門知識を高める
ウィズコロナ後の旅行会社は上述したように、旅行記事に高い品質を求める傾向にあります。単純な文章力だけではなく、執筆する国・都市に対して深い知識がある旅行ライターは必ず優遇されるでしょう。
旅行ライターは引き続き需要増。市場規模も拡大基調に戻ることが予想
新型コロナの影響で一時的に旅行市場が縮小し、「今後は旅行者が減るのでは」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、2023年5月GWの国内旅行者数は既にコロナ前の水準に戻っています。もともとコロナ以前は毎年国内・海外旅行者数は増加していたため、旅行市場は今後も拡大基調に戻ることが想定されます。
まとめ:目標と計画を立てて臨むのが旅行ライター成功のポイント
今回は旅行ライターを目指す人に向けて、旅行市場の現状や旅行記事の案件獲得方法を紹介しました。目標と目的をより具体的に決めて作業することにより、将来にわたって安定的な案件の受注、及び業務領域の拡大ができます。今後も旅行市場の拡大が想定されるため、いまからフリーライターを目指す人は、旅行ライターに方向性を定めてみてはいかがでしょうか。