Webライターのキャリアを築いていくと、安定して文字単価2円の報酬にたどり着きます。ライターの中には一つの到達点として満足する人も少なくありませんが、これに甘んじるのではなく、2円以上稼ぐことを考えた場合、どのような施策・方法が考えられるのでしょうか。
ここではWebライターを本業としてやっていくうえで、文字単価2円は十分な報酬か否か、及び2円以上稼ぎたい場合の具体的な方法を紹介します。
Webライターは記事単価ではなく文字単価を重視する理由
ライターの業務報酬は一般的に「記事単価」と「文字単価」があります。記事単価は主に紙媒体もしくWeb連載で使う契約方法となり、文字単価は単発から連載まで幅広くWeb記事の報酬形態で利用されています。
記事単価で契約すると、文字数関係なく同額の報酬となるため、ある程度自分の匙加減で仕事ができるのがメリットとなります。一方で、起業によっては記事毎に文字数を指定するところも少なくありません。「今回は5000文字で5000円だったけど、次回は1万文字を5000円で書いてくれって言われた」ということも珍しくなく、この場合は文字単価0.5円で書かなければならないので、ライターにとっては苦しい作業を強いられることになります。
そのため、Web記事は公平性を保つため記事単価より文字単価が利用されることが多く、記事単価は依頼主とライターがお互い信頼できる関係であることを確認した上で契約するようにしましょう。
Webライターにとって文字単価2円の価値とは?
Webライターを始めたばかりのころは実績がないため、何かと依頼主から買い叩かれがちです。文字単価0.5円~1円程度が初心者ライターの相場となり、クラウドソーシング(マッチングサイト)を通じて受注すると、さらに手数料が引かれるため手取り報酬は減額されます。
一方でWebライター業界では「初心者は文字単価1円、ベテランは2円が壁」と言われており、ライティング歴5年、10年といったベテランであっても文字単価2円の壁を抜け出せないライターは数多くいます。
文字単価2円でも月収40万円は十分可能
ベテランライターでも文字単価2円を安定的に稼ぐことができれば、一般の社会人と同等の収入を得ることができます。
ベテランライターであれば1日8000~1万文字執筆できるので、日給にすると1万6000円~2万円となります。平日勤務だと月間20本書くことができるので、月収は32~40万円を見込むことができます。
文字単価2円でもプロライターとして本業でやっていくに十分な収入を得られるため、足踏みしてしまうベテランは少なくありません。
Webライターが文字単価2円以上の報酬を求める理由
文字単価2円以上を得るためには、専門性を高めるだけではなかなか難しいのが現状ですが、それでも今後も将来にわたりライター業を続けるつもりであれば、文字単価2円に甘んじてはいけません。
Webライターの業務委託契約は報酬アップが難しい
Webライターの記事作成は、依頼企業との間で取り交わされる「業務委託契約」に基づきます。業務委託契約は最初の契約を軸に更新するため、契約後の報酬アップは基本的に拒絶されます。
しかし、2022年以降は日本も世界に倣いインフレが加速し、今後は従来の日本円の価値を維持できなくなります。現時点は40万円でも十分な生活ができても、10年後は生活水準が下がってしまう可能性があります。そのため、Webライターは常に報酬(文字単価)の底上げを狙う必要があります。
Webライターは成果報酬。文字単価を
Webライターは良くも悪くも「やった分だけ」が収入となります。しかし基本給がないため、体調を崩して業務を休んでしまうと、その分収入が減ってしまいます。成果報酬のため有給休暇は当然ありませんし、「悪いけど今月で契約お終いです」と突然契約解除されることも頻繁にあります。
上記を鑑みると、10年後、20年後も現役で毎日1万文字を書き続けられると断言できる人はどれだけいるでしょうか。文字単価を上げれば報酬が増えますし、業務量をコントロールできるので、毎日朝から晩まで執筆に時間を充てる必要もなくなりますし、Webライティング以外の業務をはじめることもできます。
Webライターが文字単価2円以上を得るためにやるべきこと
昨今は多くの企業がネット集客のためSEO対策を実施しています。Webライターにも単に記事を書くだけでなく、CMSの入稿やSEOキーワードの挿入、タイトルや見出しの抽出などを料金込みで依頼するのも普通となり、昔と比べると業務量は各段に増しているのが分かります。
一方で専門知識を磨いてもなかなか文字単価が上がらない問題もあり、「どんなに良質な記事を書いても文字単価3円を提示すると依頼主に断られる」と仕方なく2円で契約しているライターも少なくない様子です。
そこで、現在文字単価2円以上の案件の獲得に苦しんでいるWebライターは、以下で解説する方法を検討してみてはいかがでしょうか。
1.専門分野の資格を取得するorセミナーを受講する
近年はSEOで優位に立つため、他社と差別化を図る質の高いコンテンツが求められるようになりました。専門性の高いオリジナル記事を書くだけではなく、その記事を専門家が監修することでGoogleが求める「権威性」を持たせることができます。
そのため、最近はWebライティングと同時に記事の監修ができる人材の募集も目立つようになり、報酬も追加で貰えるため文字換算すると文字単価3~4円くらいとなります。監修するためにはその業界の実務経験が必要となりますが、有資格者でも採用してくれる企業は多いので、まずは資格の取得を目指してみるのが良いでしょう。資格によっては試験は不要で規定時間のセミナー・講習をオンライン受講することで取得できるものもあります。
2.SEO対策の分析・コンサルティング
現在のWebライターは多くの人がCMSへの直接入稿、見出し及びhタグの理解は当たり前になっているため、これを強みにしても文字単価が上がることはありません。
しかし、小規模事業者や零細中小企業にはSEO対策に深い理解を持つ専門家が在籍していないことが多いため、もしWebライターがSEO対策ツールを活用して分析やコンサルティングができれば、自社のSEO担当者として、より高い報酬を期待することができます。
Webライターが文字単価2円以上を交渉するときの注意点
Webライターが文字単価を交渉する際は、以下留意点を守り交渉に臨むようにしましょう。
- 依頼主の求める記事が量より質であること
Web記事を求める企業は、コンテンツの量と質のどちらかを重要視していますが、もし前者の場合、1記事当たりの予算を抑えてコンテンツの量を確保するSEO施策を検討しているため、単価交渉はまずできません。 - 信頼関係を築いてから単価交渉に臨むのも可能
まだ一度も取引をしていないWebライターに相場より高い報酬を支払うのは企業にとってもリスクがあります。まずは何本か記事を納品し、自分の記事が認められたのちに交渉に臨むと良いでしょう。ただし、初回の契約前に「3か月後に単価交渉あり」の旨は伝えておくべきと言えます。
まとめ:Webライターは文字単価2円以上を目指す事業計画を立てよう
Webライターもプロとして活動すれば立派な事業主です。文字単価2円以上を目指すのであれば、きちんとビジネスプランを立てて依頼主と交渉するようにしましょう。