日本人旅行者数の多い海外旅行先のTOP5の常連となるベトナム。2019年には80万人以上の日本人が観光目的に訪れました。

トラベルライターでは日本人旅行者数が多い観光地の仕事が必然的に多くなるので、トラベルライターを長く続けていると、ベトナム取材の依頼も多く入ってくることでしょう。

トラベルライターは渡航先の全国に散らばる観光地を行ったり来たりするため、国によっては車などの移動手段があると非常に便利。都度バスや電車に乗ったり、タクシーを利用するよりも時間もお金も節約することができます。

それでは東南アジアのベトナムはいかがでしょうか。今回はベトナムの車や移動、道路事情をご紹介します。

ベトナムでは車のレンタルはできない?

ベトナムでは車のレンタルはできない?

アメリカやオーストラリアといった広大な大地を車で疾走するのは車好きの人にとっては楽しみかもしれませんね。取材先まで車で移動することができるのであれば、カメラ機材やパソコンといった重い荷物の持ち運びも楽々です。

しかし、残念なことにベトナムには車だけをレンタルできるサービスを提供する企業はありません。

原則ドライバーと車がセットとなるので、移動距離が長い場合はドライバーにチップを渡す必要がありますし、宿泊を伴う場合は別途手数料や宿泊費用、食費などがかかってきます。

そのため、ベトナムに訪れるトラベルライターは基本的にタクシーをチャーターしているのが現状です。

バイク天国のベトナム。バイクはレンタルできる?

バイク天国のベトナム。バイクはレンタルできる?

ベトナムといえばバイクが縦横無尽に道路を行き交うバイク天国をイメージする人も多いかもしれませんね。

そんなベトナムではいまでもバイクが現地人にとっての主要となる移動手段となり、ベトナム在住の日本人もほとんどがバイクに乗っています。

また観光エリアの中心ではバイクのレンタル屋も多くありますし、宿泊ホテル側でバイクを貸し出ししているところも普通にあります。

そのため、トラベルライターもベトナム国内の移動でバイクを利用するのはおすすめでもあるのですが、気を付けてほしい点もあります。

ベトナムで車を運転する場合の国際免許証事情

ベトナムで車を運転する場合の国際免許証事情

ベトナムで車を運転する場合は、国際免許証かベトナム国内のみ有効の免許証が必要となります。国際免許証は主にジュネーブ条約とウィーン条約に分けられていて、加盟国であればお互いの国で国際免許証を利用することができます。

しかし、日本はジュネーブ条約に対してベトナムはウィーン条約となるため、国際免許証を持っていたとしてもベトナムでは使うことはできません。

ただし、国際免許証は利用することはできないものの、日本の車の免許証があれば、それをベトナムの公的機関に持っていって現地の免許証に書き換えてもらうことができます(滞在ビザが必要のため、観光ビザでは不可の可能性大)。

車の免許証があれば四輪の中型車は書き換えのみで現地免許証が発行され、120CCのバイクは筆記試験免除で実技試験のみ合格すれば免許証を取得することができます。

バイクのレンタル方法

バイクのレンタル方法

ベトナムではレンタルバイクは非常に安く利用することができ、1日利用でおよそ600~1000円程度となります。お店によってはパスポートとデポジットが必要となります(盗難防止のため)。

パスポートは原本を要求されますが、預けておくと紛失される危険があるので、なるべくコピーにしてもらいましょう。

また、日本では車やバイクをレンタルする場合はガソリンが満タンとなりますが、ベトナムではそういったルールは特にありません。

多くの場合はガソリンは1リットル程度しか入っていないので、バイクをレンタルしたら、まずはガソリンスタンドで給油するようにしましょう。

ベトナムの町並み

バイクはオートマチックとセミオートを選ぶことができ、オートマチックの方が若干値段が高めです。

また、レンタルできるバイクはいずれも非常に使い古されているので、最初は近場を一周してバイクに不具合がないか確かめて、もし不安があるようならお店に戻ってバイクを変更してもらいましょう。

ただし、上述したようにバイクも現地の免許証がなければ本来は運転することができません。

そのため、厳密に言えば違法行為をしている(無免許運転)ことになるため、警察に捕まった時は自己責任となります。仮に警察に止められた場合は、数十万ドンの罰金となります(ほぼ賄賂となるので値段は交渉できます)。

ベトナムの道路事情

ベトナムの道路事情

まず覚えておきたいのが、日本は左側通行に対し、ベトナムは右側通行となります。そのため、最初の慣れないうちは左折するときに戸惑うかもしれません。また、ベトナムでは大きい車が優先される暗黙のルールのようなものがあります。

四輪車がクラクションを鳴らしたら、基本はバイクが端に寄って車を先に行かせることも覚えておくといいでしょう。

また、ベトナムを歩いてみると分かるのですが、バイクが路肩に乗り上げて歩道を走る場面に遭遇することもありますが、これは違法行為となります。

夕方のラッシュアワーの時間帯は取り締まりよりも渋滞を解消することに重きを置いているため警察も見逃してくれますが、昼間にやると普通につかまります。

交差点は日本人に不慣れなラウンドアバウトが一般的

交差点は日本人に不慣れなラウンドアバウトが一般的

日本ではあまり導入例が見られませんが、欧米では比較的主流のラウンドアバウトは、ベトナムでもよく見ることができる交差点となっています。

ラウンドアバウトは真ん中にモニュメントや島が置かれ、そこを中心にぐるぐると回りながら、途中で行きたい方向へうまく抜けます。

あまり内側に入ると、抜け出すときに外側の車やバイクの邪魔となるので、慣れないうちは外側を走るようにして、また無理に抜け出そうとせず、難しいようならば一周二周しながら抜け出す機会をうかがいましょう。

ちなみにラウンドアバウトでは現地人もしばしば車とバイク、バイクとバイクで衝突事故を起こしていますので、慎重に運転してください。

ベトナムの駐車事情

ベトナムの駐車事情

ベトナムでは駐車場がそこかしこもあるわけではなく、車を止めたい場合は大型ショッピングセンターに入るのが一般的。路上駐車も普通に見かけますが、渋滞の元になりますし、場合によってはトラブルにも発展しかねません。

取材が数十分程度で終わるようなら、ドライバーには周辺をぐるぐる回ってもらうようにしましょう。

また、レンタルバイクの場合は、警備員がいるバイク駐車場を利用してください。ベトナムでは都心田舎関わらず、バイクの盗難が多発しています。

ほんの十数秒目を離した隙に持っていかれるので、警備員がしっかりと管理しているところを選んでください。バイクの駐車にはお金がかかることも多く、おおよそ2000~5000ドン(約10~25円)ほど支払う必要があります。

住所を確認しながらバイクを走らせよう

住所を確認しながらバイクを走らせよう

ベトナムの住所は「番地+通り名+区」で構成されています。厳密にいうと、さらに細分化されるのですが、トラベルライターとしては上記の順番を覚えておけば困りません。

2020年時点でハノイやダナン、ホーチミンといった主要都市はほぼGoogleマップに登録されているので、住所を入力すれば細かな場所やルートを確かめることができます。

ベトナムで取材を効率よく成功させるポイント

ベトナムで取材を効率よく成功させるポイント

ベトナムで数日にわたって取材を行う場合は、バイクをレンタルするか、タクシーをチャーターするかが現実的な方法となります。

自分でバイクを運転できるようになったら、大きな経費の節約にも繋がりますが、観光目的の滞在で外国人が免許証を取得することはできません。ただし50ccならば免許なしで運転することができるので、そちらを検討してみるのもいいかもしれません。

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