オランダ版日本にあまりなじみのない便利なアプリ

みなさんは「オランダ」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?咲き乱れるチューリップ、ゆったり回る風車…などなど、素朴でのんびりした風景を思い出す人が多いかもしれませんね。

ところがオランダは、国内ブロードバンド*注普及率が99%で、ヨーロッパでも屈指のインターネット大国というモダンな横顔をもつ国でもあるのです。このメリットを生かすべく、日常生活に欠かせない便利アプリもたくさん!その中から、イチオシの5つを御紹介しましょう。

*ブロードバンドとは光回線・CATV・ADSL等の総称。

1. Alle Folders (オール フォルダース)

オランダに到着し、さてショッピングでもしようかな?と思い立つも、どこへ行ったらいいか迷うこともあるでしょう。家庭用品から生鮮食品にいたるまで、何もかも揃うデパートのような店が、残念ながらオランダにはありません。

観光地周辺や、メイン・ストリートに面した店の商品の値段は、ほぼ例外なく高めですし、ネット情報を頼りにみつけた店も、まずアクセスを調べから出向くとなれば、手間がかかりすぎ時間が無駄になることも…。だれにあげても喜ばれそうな、オランダならでは!のちょっと気が利いたアイテムで、なおかつリーズナブルな値段の品を探したい!と思ったときに活躍するのが、All Foldersのアプリです。

気になる商品を網羅したアプリで、お得なセールをゲット!(画像はReclamafolder.nlからのキャプチャ-)

このアプリには、総合雑貨店やインテリア専門店の商品はもちろんのこと、スーパーマーケットの最新セール情報なども満載です。

アプリに登場するのは、“現地人御用達”の店ばかり(下画像参照)。そのため、一般観光客が利用するスーベニール店(土産物屋)にはまず置いていない、オリジナリティあふれる商品をたくさん見つけることができます。たとえば、クライアントへの手みやげはもちろん、日本への帰国時にも欠かせない、オランダならではのおみやげが簡単にさがせます。アプリに搭載されたナビを使えば、めぼしい商品を扱う店までのアクセスもばっちり。

各店のロゴの下にあるハートのアイコンをタップすれば、「お気に入り」ページの作成ができる。(画像はAll Foldersからのキャプチャ-)

たとえば、メジャーなスーパーマーケットの AH(Albert Heijn:アルバート・ハイン)や DEEN(デーン)など(画像参照)のページに掲載されたセール情報を活用すれば、思いのほかリーズナブルに現地の食材が買えるので、外食に飽きたときの自炊にも活用できて便利かも。このアプリを使えば、現地人のライフスタイルもすぐ実現できること間違いなし!

コスメ、アパレルからインテリアまで手抜きのない最新情報をチェックできる。(画像はAlle Foldersからのキャプチャ-)

ダウンロードはこちら

iPhoneApp store
AndroidGoogle Play Store

2.My Wheels(マイ ウィールス)

たとえばクライアントから仕事を依頼されて目的地へ出向くとき、あなたならどんな交通手段をとりますか? タクシー?それともバス?

Mywheelsのロゴがついたレンタカー。(画像はMyWheelsからのキャプチャー)

迷ったら、このレンタカー注文アプリMy Wheelsをダウンロードしてください。滞在先から、いちばん近い場所でピックアップできるレンタカーをナビで探すことができます。

自宅から1番近い場所で使用できるレンタカーをすぐに探せて、車種が選べるのも便利。(画像はMyWheelsからのキャプチャー)

運転しやすい車種を探すことも可能なので、これ!と思える車が見つかったら、同乗者数や時間、運転者の身分証明証(番号)を順に従ってアプリに記入し、料金をカードで支払って予約完了の承認が済めばOK。ちなみに乗車料金は1時間につき平均して3,25ユーロ(日本円にして約400円:2020年11月8日現在)となっています。1つだけ、注意して頂きたいことがあります。このアプリを使う場合のみに限らず、オランダ(およびヨーロッパ諸国)で運転する場合は、登録の場合などに国際免許証とパスポートが必要になりますので必ず、事前に用意しておいてください。

また、ヨーロッパ諸国では、一般的にAT車普及率が低いため、大都市とその周辺以外では探すのが困難なこともあります。マニュアル車の運転もOKの人ならこの心配はまったくありません。

突然のアポにもあわてず目的地へ!利用価値抜群と評判。(画像はMyWheelsからのキャプチャー)

レンタカーのドアをオープンするのも、スマホのアプリ経由でOK!ちなみに、オランダでの交通事情ですが、日本と同じ心構えで運転すれば決してむずかしいことはありません。ただし、右側通行ということだけは忘れないように!

(画像提供:MyWheelsからのキャプチャ-)

ダウンロードはこちら

iPhoneApp store
AndroidGoogle Play Store

3.Kies ik Gezond (キース イック へゾンド)

取材後、お腹が空いたからちょっと何か食べたいな…というようなときは、もちろんテイクアウトが便利でしょう。でも、隙間時間がもしあったら、オランダ人の食生活をちょっとのぞいてみませんか?

たとえば、近所のスーパーマーケットへ行ってみると…あれっ?という発見もたくさん!ところせましと並ぶ食品を眺めていると、「どうやって食べるのかな?」「味は?」などなど、次から次へと好奇心をかきたてられるでしょう。

品揃えの多さに迷うことは必至!(画像はDirk.nlからのキャプチャー)

ただし、見た目がかわいい!とか、包装がキレイで思わず食べたくなる!と思っても、はたして原材料には何が使われているのかが、気になる人もいると思います。特に、食品アレルギーを持つ人にとっては不安あるでしょう。しかし、このアプリがあれば大丈夫!

(画像はVoedingscentrumからのキャプチャー)

アプリをダウンロードし、商品に記載されたバーコードをスキャンすれば、原材料や各成分、添加物の有無、塩分や糖分などの詳細などを確認することができます。現在はオランダ語版のみですが、近い将来、英語やその他の言語へ切り替える機能も搭載する予定だそうです。

各食料品の詳細をひとつひとつ比較することもできますので、自分の体質や食生活にびったりなものをチョイスするためにマストなアプリ、とオランダ人たちからも大好評です。

原材料は?アレルギー対策は?知りたいことがすぐにわかるアプリ。(画像はVoedingscentrumからのキャプチャー)
商品についているバーコードをスキャンして成分表を表示させ、同じカテゴリに属する他社の商品(画像は、ピーナッツバター各社商品)との比較もできる。(画像はKies Ik Gezondからのキャプチャ-)

ダウンロードはこちら

iPhoneApp store
AndroidGoogle Play Store

4.Tussen school en Thuis (トゥッセン スホール エン タウス)

とつぜんですが、「オランダ人の足」 とはいったい何でしょう?!

正解は、「自転車」です。国民のひとりにつき、平均して2台の自転車を所持しているといわれるほど、オランダでは交通手段として自転車が普及しています。

まさに、オランダ人の「足」⁈(画像はIamsterdamからのキャプチャ-)

その理由は、国土がほぼ平坦で自転車をこぐのにもってこいだから。また、日本の九州とほぼ同じ面積しかない小国ではありますが、自転車を使えば気軽に隣町まで行けてしまえるメリットも!ガソリン代も浮く?し、健康のためにも自転車を利用しない手はありません。自転車専用道路も全国的に普及していますので、あなたもきっと、オランダ人になった気分で自転車を乗りこなすことができるでしょう。

しかし、ここまで自転車が普及しているからこそ、守らねばならないルールもあります。重要なのは、右折や左折をしたい場合、行きたい方向へ腕を伸ばして合図すること。そうでないと、他の自転車があわててぶつかってくる危険性があります。都市部では特に、自転車の速度が日本と比較すると速いため、相手に合図を示すことで接触が避けられるというわけです。

右折の際、右手を必ず上げて進行方向を他の通行者に伝える。左折の際も同じ方法で、左手を上げる。(画像はIamsterdamからのキャプチャ-)

右折と左折の仕方を覚えれば、自転車を自由に乗りこなせるようになるはず!ただし、実際に道へ出るのはちょっと不安な人ももちろんいるでしょう。そこでおすすめなのがこのアプリTussen school en Thuisです。

バーチャル・リアリティを使って、アムステルダム市内で自転車を乗りこなすシュミレーションがいつでも練習できる優れモノです。

もともとは、自転車通学するオランダの中高生用に製作されたアプリですが、自転車に初挑戦する人にはもってこいだと思います。トライするには、VR-Brilと携帯電話 (iPhone, Samsung, HTC、 Huaweiで、 iOS 10.0/Android 5.0 以上)があればダウンロードしてすぐに始められます。

VR-Brilはこのような通販を利用すればリーズナブルに購入できます。
bol.com

このアプリを使い、安全に自転車通学をするためのシュミレーションを学校内で行っている様子。(画像はTussen school en Thuisからのキャプチャ-)
バーチャル・リアリティでアムステルダムの街へ出かけよう!(画像: Tussen school en Thuisからのキャプチャ-)
実際の道路で練習するのと同じ感覚で体験できるのがポイント。(画像はTussen school en Thuisからのキャプチャ-)

数回の練習で、きっとうまく自転車を乗りこなせるようになると思いますが、あくまでもあせらず、自分のペースで!

自動車、バス、路面電車…市内で安全に自転車を乗りこなすためにシュミレーション!(画像はTussen school en Thuisからのキャプチャ-)

ダウンロードはこちら

iPhoneApp store
AndroidGoogle Play Store

5.We are eves (ウィ アー イヴス)

オランダのドラッグストアは、どの街にも同じチェーン店が並んでいます。たとえば「Kruidevat」や「DA」といった店がその代表ですが(以下画像参照)、処方箋を必要としない薬のほか、コスメも多く取り扱っています。ブランドからプチプラ商品まで、充実な品揃えはもちろんですが、コスメ専門店よりも手ごろ値段で販売しているのはやはり最大の魅力!

プチプラコスメを多く扱う国内最大級ドラッグストア、Kruidvat(画像:Kruidvat)

ただ、日本では目にしたことのないブランドもあり、どれを選んだらいいのか迷ってしまうことも多々あると思います。ちょっとしたお土産にもぴったりなコスメ類の評判(レビュー)があったら参考にできるのに…とか、アレルギー対策は大丈夫かな?と心配な人の不安を解消させるのが、このアプリWe Are  Evesです。

化粧品のみならず、ヘアドライヤーから各種メイクブラシまでの評価をチェックできる!(画像提供:We Are Evesからのキャプチャー)
目移りするほどたくさんあるコスメから、自分に合ったものを選ぶときには…(画像:We Are Eves)

このアプリのウリは、1万人以上のWe Are  Eves登録メンバーが実際にトライしたコスメについて率直な意見を述べ、感想をシェアできるところです。

ビューティ・スペシャリスト(専門家)の率直な意見も参考に(画像:We Are Evesからのキャプチャー)

たとえば、自分と同じような髪の質や肌のタイプのメンバーを探し、その人が発信するアドバイスを参考にすれば、自分にぴったりなコスメを簡単に見つけることもできそうです。また、メンバーにはコスメの専門家や、美容関連専門誌のエディターも参加していますが、広告料をもらってレビューをリリースするのではなく、各コスメに対する率直な評価をシェアしており、その点でも信頼ができるといえるでしょう。

アプリ機能を使えば、高評価を得ているコスメを集めてウィッシュ・リストを作成することもできますし、メンバーが集まるコミュニティ内で、コスメに関する質問を投げかけることも可能です。

(画像:We Are Evesからのキャプチャー)

このアプリを使えば、気になるコスメの評価が一目瞭然!買っても大丈夫かどうか、あたりはずれが気になる人にもぜひダウンロードして活用していただきたいと思います。

ダウンロードはこちら

iPhoneApp store
AndroidGoogle Play Store

以上、オランダで生活するのに、役に立つアプリ5つを御紹介しました。各アプリとも、現地人からの口コミ評判がいいものばかり集めてみました。似たようなアプリももたくさんありますが、やはりオランダ人が「これ、おススメ!」とイチオシするアプリは生活ナビとしてたのもしい味方になってくれます。筆者ももちろん、毎日お世話になっています!

観光で訪問するのと、仕事で訪れるのとでは事情が違いますし、日本と比較すれば不便なこともあるかもしれません。そんなとき、疑問を解決してくれるおススメアプリを使えば悩みも解決!とまではいかなくても、半減するに違いありません。現地の人たちと同じように、快適に毎日をエンジョイしながら、新しい情報を世界に発信していきましょう!

(リサーチ・筆者:稲葉 かおる)

オランダ版日本にあまりなじみのない便利なアプリ
最新情報をチェックしよう!

日本のトラベルライターにあまりなじみのない海外の便利アプリの最新記事8件