トラベルライターと言えば、旅行雑誌や観光サイトに記事を書くのが主な仕事となり、いわば雑誌やウェブサイトの裏方作業ということができます。
作家主体の小説家とは異なり、有名なトラベルライターというはあまり聞きませんよね。そこで、今回はトラベルライターで有名になるためのキャリアステップをご紹介します。
トラベルライターの仕事を請け負っているだけでは有名にはなれない?
トラベルライターの日々の仕事は、旅行サイトや雑誌メディアへの記事の納品です。5年以上トラベルライターを続けるベテランの人でも、これだけで有名になることは難しいと言えます。
例えば「〇〇のサイトに記事を書いている」、「〇〇の旅行雑誌にコラムを書いた」といった自慢話を知人にすることはできるかもしれませんが、有名とは程遠いですね。
トラベルライターが有名になるポイントは、媒体ではなく『自分』を売り込む
トラベルライターが日本全国的に有名・周知されるためには、どんなに有名な雑誌やウェブサイトに出稿しても、それはあくまでもポートフォリオや職務経歴書を華々しくするものに留まります。
もしトラベルライターが有名になることを目的として活動するのであれば、媒体ではなく『自分』を売り込むことが大切です。では、どのような形で自分を売り込むことができるのでしょうか。
自著の出版で有名になるのは至難。かなり狭き門であることを知る
トラベルライターの掲げる大きな目標の1つに「自著の出版」が挙げられますが、仮に出版を達成することができても、有名になるまでには至りません。
例えば、海外移住ものや、アジア南米のアングラものなど、5冊の自著を出版することができても、読者は著者に惹かれて買うのではなく、タイトルに惹かれて本を手に取ります。
「でも印税生活をおくることができるようになれば、自然と有名になるのでは?」
と考えるかもしれませんが、旅系ライターで印税生活を送ることができている人は、おそらく日本では片手で数える程度です。基本的に海外移住や海外生活ものは旬があるので、ブームが過ぎ去ると1万部はおろか5000部も売ることはできません。また、印税は何年先ももらえるわけではなく、売れる目途が立たなくなると、出版社側から「これ以上の印刷はしません」という販売終了通知が来ます。
トラベルライターで有名人になる最短の方法は「ウェブを活用」
2000年代はまさにグローバルの時代。ネットを介して誰もが有名になるチャンスが転がっています。その典型がYouTube。現在では芸能人並みに有名なユーチューバーも続々と出てきましたし、収入も数千万円から億単位を稼ぐ人も増えてきました。
また、YouTube以外にも有名ブロガー、有名インスタグラマーなど、ブログ、SNSも重要なツールとして躍進しています。トラベルライターならばしっかりと押さえておきたいところです。
では、ネットを介してトラベルライターが有名人になりたい場合、どのようなステップを踏むのが最短、最良なのでしょうか。
1.複数のツールを同時並行で更新をする
YouTube、ブログ、Twitter、Facebook、Instagramといったように、情報共有ツールは昨今は非常に多くあるものの、日本人が使うツールは限られています。
「ブログ一本に集中しよう」とするよりも、複数のツールを同時に使いこなすのがトラベルライターとして自分が周知されるための最初のステップです。
例えばYouTubeをアップするのであれば、Twitterで告知をしたり、インスタに貼った写真はFacebookやブログで詳細を紹介したりと、お互いの親和性は非常に高いです。
2.できるだけ毎日何かしらの更新をする
SNSやブログ含むネットツールの更新頻度は、有名になるまでは、多ければ多いほどいいと言えます。YouTubeのような動画配信サイトは編集もあるので、毎日更新というわけにはいきませんが、ブログやInstagram、Facebookなどはできるだけ毎日なにかしらの記事を更新したいところです。
YouTubeでは動画の更新頻度が多ければ多いほど、チャンネル登録者数は増加し、視聴回数も増える統計データがあります。これは更新頻度が多ければ、それだけ固定視聴者(読者)が増えるからです。
3.毎月決まった額の広告への投資も積極的に行う
上記のツールはすべて無料ではじめることができます。初期費用がかかるのはブログのホームページの制作費用ですが、こちらも一度作れば、毎年の年間維持費はレンタルサーバー代とドメイン代だけで済みます。
しかし、無料で利用する場合、自分の投稿記事を拡散させる手段が限られています。ハッシュタグやグループ投稿をうまく利用することはできますが、何かしらのメディアに取り上げられない限り、有名人のような数十万のファンを獲得することは困難です。毎月3~5万円程度の予算をとって、ファン獲得のための拡散を試みるのがおすすめです。
4.トラベルライターならではの発想をネタにする
ネット媒体を利用して有名人になりたい場合、発想が非常に重要となります。一昔前には「世界一周旅行」が旅ブームの火付け役となりました。現在でも世界を渡り歩いているユーチューバーやインスタグラマーは少なくありません。
トラベルライターはホテルや観光スポットが取材先となるので、それを活かしたネタ作りを考えるのもいいですし、海外生活の様子や仕事の裏側を記事や動画で公開するのも、興味引く内容となるはずです。
普通の人とは異なる生活をおくっているトラベルライターは、生活そのものがネタとなるので、更新頻度を増やしてもネタ切れを起こさないのも利点の1つ。
収益構造は有名人になるための設計図。事前にしっかりと考えよう
トラベルライターが有名人になるためには、事前に収益構造と理想のステップアップをしっかりと考えておくことが大切です。例えばブログを日々更新するに当たっても、その目的と目標を事前に考えましょう。
何のためにインスタグラムに写真を投稿するのか。インスタ映えするような海外の風景写真をコンセプトにするのか、自分を被写体にするのかでも、読者層は異なってきますし、その後の収益構造、有名になるまでのステップも変わってくるはずです。
例えばカメラ撮影に自信があるトラベルライターならば、Instagramを主軸に有名になる方法を考えることができます。
- Instagramに毎日インスタ映えする写真を投稿し、興味の引く文章をつける。
- Instagramの写真の詳細を自身のブログで紹介し、ブログも活性化させる。
- 観光サイト、旅行会社、出版社などから、写真やライティング、講演の依頼が来るので、積極的に引き受ける。
- 予算を使って効果的な拡散を試みる。
1~4を繰り返せば、自然とインフルエンサーになることができるかもしれません。インスタ映えする写真もありきたりなものではなく、誰もが初めてみるような写真を投稿すると、より目につきやすくなるはずです。
トラベルライターにおいては有名人=お金持ちとは限らない
上記のようなステップを踏んで知名度を上げることができれば、ある程度の有名人になることはできるかもしれません。しかし、有名になったからといって、それに比例した収入が入ってくるとは限りません。
「トラベルライターになって、より多くの人に自分を知ってもらいたい」と考える人も多くいるようですが、自由業としての収入源は、有名になるステップとは別に考えておきたいところです。