海外に気軽に行けるようになった昨今。海外旅行に魅了されて、大学を卒業したら旅行関連の仕事に就きたいと考える学生も増えてきました。そんな学生におすすめしたいのが、旅行ライター(トラベルライター)です。
しかし、旅行ライターといっても、ニッチな業界で、就職方法など不明点も多くあります。そこで、今回は学生が旅行ライターに就職するためのおすすめの方法をご紹介します。
学生が旅行ライター(トラベルライター)になるために最初にするべきこと
学生時代に海外旅行を楽しんだのち、「旅行をしながら収入を得ることが夢」と語る学生も多くなってきました。ITによるグローバル化が進んだ昨今、パソコン一つあれば収入を得ることができるようになりましたし、若いうちは失敗しても日本で何度でもリセットすることが可能です。
そのため、新卒で就職する前に、「旅行ライターの仕事を経験してみたい」と考える学生が増えてきたように思えます。
その学生が旅行ライターとして国内外で活躍するために、まず知るべきことが「自分はどのくらい記事を書くことができるのか」ということ。
ライターはウェブサイトにしろ書籍や雑誌にしろ、品質と同時に執筆のスピードとボリュームが求められます。1記事3000文字書くのに2日、3日かかってしまっては、毎日記事を書いても十分な収入を得ることはできないでしょう。
記事を書くことに慣れるために必要なこと
学生の中で、毎日何かしらの文章を書いている、という人はそれほど多くはありませんね。旅行ライターとして仕事を請け負う場合、ウェブサイト上の記事であれば、文字数はおよそ1記事1000~3000文字が普通となり、1日1本から3本、理想は5本程度書くことができれば、一般のサラリーマンの収入を超えることも難しくありません。一方で書籍は400字詰め原稿用紙換算で200ページ以上のボリュームが必要となり、それを2か月程度で書き上げなければなりません。
このように、1日に何本も記事を書くためには、「文章が好き」というだけでは難しく、ある程度の慣れと経験が必要となります。
旅行ライター(トラベルライター)になる前に、まずはウェブライターとして業界問わず記事を書いてみる
旅行ライターになる前に、学生であるうちにアルバイトとしてウェブライターの仕事を引き受けてみてはいかがでしょうか。ネットで検索すればいくらでも求人はありますし、大抵は年齢不問で在宅可となります。
記事単価は500円や800円、よくても1000円程度安いですが、ここでの目的は執筆のスピードに慣れることと、決められた納期までにしっかりと納品することとなります。
その他に検索順位を上げるためのSEO対策を盛り込んだ記事執筆方法などもありますが、それは旅行ライターになった後からいくらでも覚える機会はありますのでご心配いりません。
1記事1000円で請け負うことができたら、平日2本書けば月20記事で4万円。3本書くことができれば6万となり、学生のコンビニやスーパーのアルバイトと同じくらいの収入となるのではないでしょうか。
最初は1日3本は難しいので、アルバイトと並行して記事を書き始め、慣れてきたら徐々にライティングの収入を上げていくようにしましょう。半年ほど書き続けることができて、なおも記事を書くことが苦痛にならないのであれば、旅行ライターへの就職を本格的に検討するといいでしょう。
学生インターンで海外生活を実践
ウェブライターとしての実績をある程度詰んでいれば、職務経歴書やポートフォリオを埋めることはできるようになります。しかし、旅行記事を請け負いたい場合、肝心なことは「ライターが現地にいるかどうか」です。
依頼主である旅行会社や観光サイトの運営者は、現地の鮮度の高い情報とライターが撮影した写真を求めています。写真ストックも海外記事の執筆経験もないうちは、まずは自分が現地に足を運び、そこでの暮らしに溶け込む必要があります。
昨今は学生が海外現地で仕事をしながら生活ができるインターンが人気です。海外現地のホテルや旅行会社に行けば、学生のインターン生が一人二人在籍していることも珍しくなくなってきました。
まずは3か月から半年程度を目安にインターンに応募してみてはいかがでしょうか。企業によってはインターン後にそのまま正規採用してくれるところもあるので、海外生活の地盤を作ることができます。
海外現地の旅行関連の会社で働きながら、旅行ライターをサイドビジネスに持ち、生活を安定させつつ実績を積んでいくのが、学生から旅行ライターとして成功する理想的な流れと考えることができます。
海外旅行でも旅行ライターの仕事はできる?
インターンの求人が見つからない場合は、通常の海外旅行(観光目的)で現地に入国するのもいいでしょう。観光目的の場合は現地で収入を得ることはできませんが、現金払い、もしくは日本からの依頼であれば基本はトラブルに発展することはありません。
ただし、観光目的で入国する場合は、ビザなしで現地滞在できるのはせいぜい2~4週間なので、それ以上滞在する場合は現地の大使館もしくは領事館に足を運んでビザを取得しなければなりません。ビザ取得の条件は国によって異なりますので、日本を発つ前に調べておきましょう。
海外現地の“すべて”の旅行会社に挨拶をする
海外の現地には、日系の旅行会社が必ず複数あります。HISやJTBのような大手旅行会社の支店もあれば、その地域に特化した中小の旅行会社もあります。学生で駆け出しの旅行ライターは、まずは規模問わずすべての旅行会社に挨拶に回りましょう。
担当者と名刺交換をして、必要なときにメールを受け取ることができるようにしてください。学生で旅行ライターという肩書は非常に珍しいので、旅行会社も興味を持って仕事を依頼してくれるかもしれませんよ。
学生旅行ライターを経て、卒業後のとるべき道とは
学生のうちから日本でウェブライターを経験し、インターンあるいは海外旅行で旅行ライターの実績を積んだあとは、まずは大学を卒業することとなります。もし、大学卒業後の進路も相変わらず旅行ライターへの就職を希望するのであれば、プロとしての活動をはじめることになります。
海外に住む場合、収入が安定するまでは一般企業で働くことも視野に入れることになりますが、現地で就職する際には大学の卒業証明書が必要となります。また、国によっては専門職でしかビザを取得することができないケースもあるので、最初の移住先となる国は時間をかけてよく吟味するといいでしょう。
また、学生時代のライター実績を活かして、国内で旅行関連の仕事に就きたい場合は、旅行会社や海外サービス関連企業、出版社、編集プロダクションなどへの就職を検討することができます。その他でも海外市場調査会社も何かと海外出張の機会が多い業界となります。
学生の旅行ライターはそれほど難しくない!若いうちに経験を
もし両親に進路を相談すると、「旅行ライターなんて、生活は成り立たない」と叱咤をうけるかもしれません。しかし、旅行ライターといっても、職種は「記者」となります。
仕事をこなしていけば、現地の政治や経済事情の記事を求められることもあるでしょうし、そういった仕事を1つでも請け負うことができれば、今度はジャーナリストとしての道も見てきます。意外とつぶしが効く仕事なので、若いうちに一度経験をしてみるのもいいのではないでしょうか。