日本ではおよそ123万世帯の母子家庭、いわゆるシングルマザーがいるとされています。仕事と子育てを両立するための支援もまだまだ不十分な印象を拭えません。そこでおすすめしたいのが、「海外移住でストレスフリーの生活をおくる人生」というものです。物価の安い国に移住をすると、現地でどんな生活が待っているのでしょうか。
今回はシングルマザーの海外移住の実情と現地での生活の実態をご紹介します。
日本全国に123万世帯のシングルマザー
厚生労働省の発表した統計によると、日本全国にはおよそ123万世帯の母子家庭、いわゆるシングルマザーがいるとされています。経済協力開発機構のデータ上では、一般平均所得の半分以下の収入で暮らす「貧困率」が54.6%となり、これは先進国の中で最も高い比率となります。
シングルマザーが低収入な理由は幾つかありますが、子育てを両立するため正社員として勤務することが難しく、パートやアルバイト、派遣で収入を得ている世帯が全体の6割以上を占めています。日本ではシングルマザーの支援が急務と言う実態があるにも関わらず、今後もシングルマザーの経済的貧困は続くことが見込まれます。
シングルマザーの現状~収入は生活費と子供の養育費でなくなってしまう
国勢調査によると、シングルマザーの世帯収入は年間でおよそ243万円。これは厚生労働省発表の児童のいる世帯707万円の約3分1程度しかありません。
月の給料は家賃と生活費、そして子供の学費含む養育費ですべてなくなってしまうのが、大半のシングルマザーの置かれている現状となります。
海外には驚くほど日系企業が多い
日本は長らく不況が続いていますが、それでもGDPで世界3位の超経済大国となります。日本に住んでいるとなかなか気が付きませんが、海外に行けば、どこの都市でも日系企業が進出しているから驚きです。
海外では男性よりも女性が従業員として重宝される傾向にあり、シングルマザーであっても、都市圏であれば職に困ることはないといっていいでしょう。
日本人シングルマザーだからこそ海外移住がおすすめの理由
海外現地で転職して会社で働く人を「現地採用(現採)」と呼びますが、現採の募集要項を見ると、圧倒的に男性ではなく女性の募集比率が高いことが分かります。女性であれば電話事務や総務、社長秘書、接待などで利点があるからです。
現採は日本の労働法は適用されませんので、社会保険に加入することはできませんが、その分応募者の働き方を考慮してくれるので、子供の学校の送り迎えや、突然の休暇といったシングルマザーの不都合も受容してくれる会社が多くあります。
海外移住をするシングルマザーの現地採用の注意点
日本では正社員になる大きな理由として、「年金や健康保険といった社会保険の加入」、「収入の安定」などが挙げられますね。しかし、海外で働く現地採用者には、この規則が適用されません。年金は国民年金の任意加入をして、保険は海外在住者向けの保険プランに加入することができます。
シングルマザーの海外移住先の考え方
シングルマザーが海外移住をする国や都市を決める際は、下記条件を満たしているかを確認してみてください。
- 物価が日本よりも3分1以下
- 日系企業が多く、現地で日系転職エージェントが複数社ある
- 治安がいい
- 給与が月収で1500ドル以上
シングルマザーの海外移住先としてのおすすめ地域は「東南アジア」となります。同じく物価安の国として南米が挙げられますが、治安面で不安が残るのと、物理的に距離が遠いので、簡単に日本に一時帰国ができない難点があります。
一方でベトナムやマレーシア、タイ、シンガポールなどは日系企業も多いですし、20代の若い内ならばインドネシアも有望です。いずれも事務職や秘書で月収は1200~1500ドル。社長秘書となれば1500~2000ドル程度となります。
東南アジアの生活費は安い。ストレスフリーの生活が実現
海外移住したシングルマザーが月収1500ドル(16~17万円)の仕事に就くとします。一見すると「これで生活できるの?」と心配になるかもしれませんが、上述したように、物価が日本の3分1程度の国・都市に海外移住をすることができれば、単純計算で40~50万円程度の水準の生活をおくることができることになります。
無論生活様式によって異なりますが、月にかかる生活費はおよそ3万円程度。居住先の家賃は2~3万円とすると、生活費はたったの6万円前後で済みます。
「そんなに安い家賃あるの?」と考えがちですが、家賃5万円程度を工面することができれば、現地ではミドルからハイクラスの高級マンションに暮らすことができ、敷地内に屋外プールはもちろん、レストランやカフェ、小さな公園がある物件を見つけることができます。
シングルマザーの一番の悩み。海外移住で子供の養育費はどうなる?
海外移住におけるシングルマザーの大きな悩みの1つが「子供の教育事情」です。上記でご案内した東南アジアの国々は、いずれも都市部日本人学校が開講していますので、月3~5万円程度の学費で日本の学習指導要領に沿った授業を行ってくれます。
学費はやはり高くなってしまいますが、就職する企業によっては家賃補助や子供の学費補助といった福利厚生をつけてくれるところも少なくありません。
海外移住をしたシングルマザーのほとんどは副業をしている
日本では社員として定時勤務を終えたあとに、さらにアルバイトをするのは本当に大変ですね。しかし、海外現地の副業は日本のそれとは少し異なります。
「東南アジアに日本人が住んでいる」というだけで、現地人からするとシングルマザーはとても貴重な存在となります。そのため、副業としては「日本語の先生(会話をするだけ)」や「日本語の記事を現地のウェブサイトに上げる」といった簡単なものばかりとなります。週に2~3回程度のアルバイトで月収はおよそ3万円程度なので、子供の養育費を賄うことができます。
フリーランスの道も。海外移住をしたシングルマザーを
上述したように、子供を育てるシングルマザーも、海外移住をすることによってストレスのない生活を送ることができますし、生活に慣れてくれば毎月貯金をすることも、2~3か月に一度国内旅行を楽しむことも容易にできます。
また、フリーランスとして副業の幅を広げるのもいいでしょう。Facebookやブログ、公式HPで自身を宣伝し、日本語講師として生徒を募集するのもいいですし、日本人にPRをしたいお店や企業のHPに、記事を書くフリーライター職を本格的に始めるのも面白そうです。複数の旅行会社や観光情報サイトから専属ライターとして仕事を請け負うことができれば、本業の収入を越えるのも時間の問題です。
友人と共同経営で事業をはじめるシングルマザーも多い
移住先としておすすめするアジア圏では、多くの日本人が個人事業として副業を行っています。シングルマザーのママさんも、現地で知り合った日本人と共同事業をはじめたり、現地人と一緒にカフェやショップを経営したりと、日本では夢にも思わなかった生活をおくっている人も大変多くいます。
海外移住後は新しい人生が待っている。まずは国選びからはじめよう
「いまの生活が大変」、「これからの人生を見つめ直したい」、「子供と一緒に新しい人生設計を考えたい」と本気で考えるシングルマザーは、まずは現地に移住を果たした在住者ブログを確認して、どんな生活をママさんたちはおくっているのか、様子を見てみてはいかがでしょうか。
モチベーションが上がってきて、本当に海外移住を実行したいのであれば、早速移住する国と都市選びをはじめてみましょう。