「世界を旅する仕事」に憧れている人は多いのではないでしょうか。近年は日本もグローバル化が進み、海外勤務も普通になってきました。
しかし、いざ世界を旅する仕事を探すとなると、どのような職種であれば夢が実現するかは不透明です。そこで、ここでは企業の社員や自由業として働く場合の職業や、安定した生活をおくることができるおすすめの仕事などを具体的にご紹介します。
世界を旅する仕事とは。どんな職業がある?
仕事において世界を旅する仕事は幾つかあります。いずれも短期間の出張か駐在の違いはあるものの、海外を股にかけた仕事であることに変わりはありません。
しかし、企業の社員として海外で仕事をするためには、相応に会社から認められているポジションに就かなければならないので、入社して即海外に行けるわけではないことは覚えておきましょう。
一方で自由業であれば、海外で仕事するかどうかは自分次第となるので、最短即日から世界を旅する仕事に就くことができます。
1.女性に人気の職業「ツアーコンダクター」
世界を旅する業界の代名詞となる旅行業界ですが、コンスタントに海外に行くことができる職種は、ツアーコンダクターとなります。ツアーコンダクターは自身が添乗員として参加することもありますし、新規ツアーの企画立案をするために海外現地に視察に行きます。
コロナ以降は現地スタッフとのzoomでのやり取りで視察を済ませることも増え、海外に行く機会が減ってしまったのが残念ですが、依然として女性に高い支持を誇る職種となります。
2.世界の商品を買い付け「バイヤー」
世界の商品の買い付けを行う「バイヤー」も年間を通じて頻繁に海外に行ける職業です。バイヤーは自社製品の買い付けと買い付け代行の2種があり、前者は1か国複数都市を回ることが多く、後者は依頼によって不特定の国を回ることになります。
昨今は個人でバイヤー稼業を担う海外在住者も増えてきましたが、シップバック(輸出したものが返送される)のリスクがあるため、企業に属するのがおすすめです。
海外を旅する仕事に就職するデメリット
海外を旅する仕事は確かに魅力的ですが、それと同時に日本を離れるデメリットもあります。特に会社勤めのサラリーマンであれば、自分の意思とは関係なく業務命令が下ります。数か月に一度程度であればいいのですが、毎月のように海外業務が発生すると心身ともに疲弊してしまうこともよくあります。
海外には行けるが、自由な時間はない
会社の業務として海外に行く場合、ほとんどのケースで現地を観光するほどの自由な時間はありません。特にバイヤーは買い付けがうまくいかないことがざらにあるので、現地情報を頼りに夜遅くまでマーケットの散策や移動に費やすこともあります。
また、買い付けに失敗した場合は会社の業務に多大な支障が出るためプレッシャーも甚大です。代行事業では着手金と実費しか顧客に請求できないので、利益はほとんどありません。
不規則な生活で家庭持ちは厳しい
ツアーコーディネーターやバイヤー以外にも輸出入事業、海外支店設立、海外市場調査会社など、海外に行ける職業・業務は多岐にわたりますが、往々にして不規則な生活となり、場合によっては「日本に帰るのは半年に一度だけ」といった生活を強いられることもあり、なかなか家族の理解を得られない可能性も危惧されます。
海外に行きたいときに自由に行ける環境を構築することが、「世界を旅する仕事」の条件と言えるのではないでしょうか。
個人で自由に世界を旅する仕事ができる職業とは
個人で自由に世界を旅する仕事は、2010年頃より「ノマド」として注目されはじめました。その後2020年よりはじまった新型コロナによって働き方が大きく変化し、zoomのようなオンライン会議システムを用いることで「職場を必要としない働き方」を見出すことができました。
スキルがあれば海外どこでも仕事ができる「エンジニア」
まず「世界を旅する仕事」をもっとも実現しやすいのが「エンジニア」です。顧客と直接会う必要はありませんし、オンラインで仕事を受注できるので商談の必要もありません。
パソコンとインターネット環境があれば世界中どこでも仕事ができますし、近年は東南アジア南米アフリカといった発展途上国でもインターネット環境がないところはまずありません。
また、エンジニアの魅力は1つの受注金額が大きいことです。月1件でもWebサイトの新規制作を受注できれば生活は困りませんし、Web制作以外にも保守費用で収入を安定させることができます。
海外旅行好きにおすすめ「旅行ライター(トラベルライター)」
2010年以降に出現した「ノマド」の台頭により、海外現地の観光取材をする旅行ライター(トラベルライター)が注目されるようになりました。有名ブロガーやインスタグラマーも出現し、旅行会社や地方自治体がスポンサーとなるケースも増えてきました。
兼ねてより課題であった報酬単価の低さも、ネットの普及に伴いSEO対策が重要視されるにつれて解消されていき、エンジニアやデザイナーよりも安定した収入を確保できるようになりました。
また、近年は旅行ライターにもカメラの写真撮影スキルが求められるようになってきました。一眼レフでしっかりと写真を撮ることができれば、より高単価な案件を獲得できるでしょう。
誰でも就職可能!旅行ライターで生活を安定させる方法
エンジニアやデザイナーとして案件を受注するためにはスキルが必要となりますが、旅行ライターは日本語をネイティブで書くことができれば、誰であってもその日から就職することができます。
旅行ライターの魅力は、観光記事作成以外の仕事も幅広く請け負うことができることにあります。海外現地の市場調査や写真撮影、現地インタビュー、翻訳など業務は多岐にわたるため、旅行ライターになったからといって、毎日記事を書いているわけではありません。
業務幅が広がれば収入の窓口も増えるので、生活は安定しやすくなりますし、別の業界や大手企業から思わぬスカウトもあるかもしれません。
専門知識を身に付けて高単価の依頼を受ける
ライターが1日に書ける文字数には限界があるため、旅行ライターが収入を増やすことを考える場合、手っ取り早いのは文字単価・記事単価を上げることにあります。
高単価の依頼を受けるためには、専門知識を身に付けるのがおすすめです。自分がよく行く海外都市・国を掘り下げて、観光・経済・政治・生活とあらゆる分野の専門記事を書くことができるようなれば、クラウドソーシングで受注するWeb記事とはまるで異なる案件を受注することができます。
複数の仕事で収益化を目指す
旅行ライターとして活動する唯一のリスクは「取引先がなくなる」ことです。ライターに限ったことではありませんが、個人事業主では売上の減少は生活に直接影響を与えます。
そのため、日ごろから旅行記事以外の収入源を複数確保しておくことで、新型コロナのように一時的に旅行市場が閉鎖してしまったときも生活が揺らぐことなく仕事を続けることができます。
まとめ:世界を旅する仕事は企業に就職するよりも自分で見つけるのがおすすめ
今回は世界を旅する仕事の概要を紹介しました。単純に海外で仕事ができる職種は幾つもありますが、自由に旅して収入を得ることができる仕事は実はそれほど多くありません。
スキルや資格の取得必要なく、「いまから仕事ができる」という点において、旅行ライターは何よりも優れた職種ということができるでしょう。