世界を渡り海外の魅力を日本に伝えるトラベルライター。日本のパスポートがあれば、世界191か国の国にビザなしで観光目的で入国することができ、この国の数は世界1位を誇ります。海外旅行好きにとっては、日本のパスポートを保持しているだけで非常に恵まれた環境であるといえます。
しかし、年々海外が身近な存在になってきたからこそ、海外渡航時には注意が必要です。特にトラベルライターは数日間の短期滞在ではなく、できるだけネタを搾り取るためにビザ免除期間ぎりぎりまで現地に滞在することも珍しくありません。場合によっては数か月にわたり海外に居住することもあるでしょう。
そこでトラベルライターにおすすめしたいのが海外旅行保険の加入です。旅慣れているからと高を括っていると、1度の事故や病気で取返しのつかない事態に陥ることも考えられます。今回はトラベルライターの海外旅行保険事情、及び加入する際のポイントや注意点をご紹介します。
日本で加入!海外旅行保険を選ぶ
海外旅行保険への加入方法は、窓口かオンラインかのいずれかで手続きすることができます。航空券やホテルの手続きを旅行会社で済ませようとすると、窓口で契約書と一緒に海外旅行保険の加入書も渡されます。もちろん任意なので加入するかしないかは自由となります。また、いまはオンラインでも簡単に手続きを済ませることができるようになっており、ネット上で手続き及び支払いを済ませると、数日後に保険証券や旅のしおりのようなものが送られてきます。海外現地の病院ではこれを提出するだけで利用が可能です。
日本を発つ当日の加入も可能
海外旅行保険は日本を発つ当日でも加入することができます。オンラインでクレジットカード払いするだけで加入成立となるので、あとは後程メールで送られてくる保険証をプリントアウトするだけ。また、最近は保険会社のアプリを開いて病院に見せるだけというシステムもあります。ちなみに日本の空港内でも大手保険会社の窓口があり、十分程度で即時加入することもできます。
トラベルライターは実際は海外旅行保険に加入している?
実情をいうと、トラベルライター全員が海外渡航の都度、海外旅行保険に加入しているわけではありません。例えばお隣の韓国や台湾は食事にも親近感があるため、お腹を壊すこともあまりありませんし、環境も似通っているため体調を崩す確率は低いとみることができます。また、一週間以内の短期滞在では旅慣れていると、なかなか加入に踏み切ることができない旅行ライターも多いようです。
ただし、発展途上国の東南アジアや治安に不安のある南米旅行、医療費が高額になるアメリカのような地域に行く場合は、日数に関係なく海外旅行保険に加入するのが普通です。
海外旅行保険の内容・種類
海外旅行保険を扱う会社は10社近くあり、いずれも大手なので信頼することができます。プランもそれほど大差はありませんが、オプションや値段、適用範囲などが若干異なるので、何社か見比べたのち自分の渡航に有利な方を選ぶといいでしょう。
では、以下は海外旅行保険の内容・種類を見ていきましょう。
傷害・疾病の死亡/治療費用
まずは基本的なところから。海外旅行保険で最も利用する確率が高いのがこちらの治療費用に対する保険です。現地で事故やトラブルで怪我を負ってしまった場合や、病気にかかった場合に病院に払う治療費を賄ってくれます。また死亡保険も付帯しています。
携行品の盗難・紛失
こちらは海外旅行ならではの保険内容。空港や現地で自分の携行品が盗難にあったり、紛失した場合にその価値分の保険がおります。
賠償責任
こちらもほとんどの海外旅行保険に付帯しているサービスです。現地で自分に過失がある状態で金銭の賠償責任を負うことがあります。例えば相手を怪我させてしまったり、美術館の展示品を誤って壊してしまったり……、背筋も凍るような事態ですが、海外旅行保険に加入しておけば賠償責任が発生した際、保険会社が支払ってくれます。ただし、美術品の場合は非常に高額になる可能性がありますので、値段が安いプランの場合は保険内容では賄いきれない場合もあります。
航空機遅延
海外へ渡航する場合、度々遭遇するトラブルが飛行機の遅延です。1~2時間程度の遅延は日常茶飯事ですね。この保険に入っておくと、おおよそ6時間以上の飛行機の遅延に対して保険がおります。内容は保険会社によってばらつきがあり、1回の遅延に対して1万円程度加入者に支払われるケースもあれば、遅延が原因で空港周辺のホテルに宿泊を余儀なくされた場合のホテル代や飲食費、移動費などすべてが保険で賄えるところもあります。ただし、戦争や地震、津波といったケースは対象外となることが普通です(テロは基本対象の範囲内)。
海外旅行保険に加入する最大のメリット
トラベルライターが海外旅行保険に加入する最大のメリットは「キャッシュレスで治療を受けられる」ことに尽きます。特に発展途上国や高額な医療費が発生する国においては非常に重要な役目を担います。基本的に外国人が現地の病院で治療を受ける場合は国際病院となります。国際病院は腕利きの医師が在籍し、リクエストすれば日本語通訳がつきますし、病室も非常に清潔です。しかし、お腹を壊して医師にかかり、バイオ検査や血液検査、1日の入院をしただけでも10万円前後の医療費がかかってきます。外国は多くの場合が前払いとなりますので、現金やカードを持ち合わせていない場合は治療を受けることすらできません。海外旅行保険はキャッシュレスサービスが前提となるので、旅行者の負担は一切ありません。
海外旅行保険の注意点もある
持病・既往症を持っている方は、海外旅行保険の加入に対して注意が必要です。持病に関連した治療を現地で受ける場合は、保険が下りないことがほとんどです。もし保険が下りるとしたら、それは渡航前には予期できない急激な悪化が理由の場合となります。保険会社によって定めている規約や保険対象範囲は異なるので、実際加入する際は必ず規約を一読してください。また、どの旅行会社もベースとなるプランに追加できるオプションメニューを用意しています。歯科治療や電子機器補償などはオプションに該当する場合が多く、また上記で紹介した賠償責任や飛行機の遅延などもベースプランに含まれていないことがあります。すべてのオプションを付けるならばカスタマイズプランを利用して自分でプランを作ることも可能なので、予算と比較して選ぶといいでしょう。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険の注意点
実は大半の人が持っているクレジットカードにも海外旅行保険が元から付帯している場合が多いです。実際はカード会社の規約を読み込む必要がありますし、カードの会員クラスによっても補償内容は異なります。ただし、クレジットカードに自動付帯している海外旅行保険は、「補償限度額が低い」ことと「建て替えしなければならない」ことからあまり使い勝手がいいとは言えません。よほど待遇のいいクレジットカードでない限り、素直に海外旅行保険に加入するべきといえるでしょう。
備えあれば患いなし。トラベルライターは海外旅行保険に加入しよう
「いままで何十回も海外旅行しているけど、一度も病院にかかったこともないし事故に遭遇したこともない」という方も多いでしょうが、すべての物事において『最初』というものがあります。海外旅行保険はまさに備えあれば患いなし。海外を仕事の舞台とするトラベルライターならば、なおのこと加入をおすすめします。