トラベルライターとして依頼をこなしていけば、いずれ必ず要求される海外取材。国内ライター志望であっても、クライアントは同じ旅行会社がほとんどとなるはずなので、リレーションを深めるという意味でも、海外取材は請け負うべきと言えます。

しかし、海外取材の場合、忘れ物をしたから取りに帰る、なんて失敗はできませんので、取材を成功する上で必要なアイテム、グッズは必ず把握しておきたいところ。今回はこれは絶対に持っていきたいグッズを中心にご紹介します。

グッズ① 防水リュックサック

日本ではビジネスマンが持つ仕事バッグといえば、手提げのビジネスバッグが普通ですよね。中には「リュックサックで行ったら上司に怒られた」という人もいるかもしれません。しかし、ところ変われば事情も変わります。アジア南米、欧米と、いわゆる日本以外の国では、リュックサックをビジネスバッグとして使うのも普通です。その理由はいくつかありますが、トラベルライターに覚えておいてほしいのは、「皆さんが想像している以上に、外国ではひったくりが多い」ということです。大事な書類が入っているビジネスバッグを盗まれたら洒落になりませんよね。両肩にかけて背負うリュックサックは、リスクヘッジとして最適なのです。また、アジアでは突然の豪雨となるスコールが1日数回降ります。大事な電子機器が壊れてしまわぬように、リュックサックは防水仕様を選んでください。

現地でも買えるが、日本で買うのがベスト

海外現地でも防水リュックサックはデパートなどで買うことができますが、有名ブランドが主となるので値段は高め。日本で買えば、安く手に入れることができるはずです。また、海外では上述したようにひったくりが多いため、一目で高い価値と分かるブランドバッグはあまりおすすめできません。シンプルで多機能は日本メーカーが最も得意とするところ。日本で用意しておくのがベストと言えるでしょう。

グッズ② USBメモリー(書類印刷用)

USBメモリーはトラベルライターの必須アイテムの1つです。海外取材では現地に1週間も2週間もいることになるので、その間に書類のやり取りなどが発生したらどうしますか。「毎月月初に顧客に請求書を送らなければならない」、「明日のホテル取材で担当者に渡す書類を印刷しなければならない」こんな事態は必ず発生します。そこで活躍してくれるのがUSBメモリーです。

USBメモリーに印刷したい書類のデータを入れておけば、現地のコピー屋で印刷することができます。ちなみに日本ではネットカフェやコンビニでコピーやスキャンができますが、アジアではコピー屋が大学や高校の傍に並んでいて、そこでコピーおよびスキャンをすることができます。ただし、注意点もあり、1日数百人の学生や社会人が数台のパソコンを共有するため、3回に1回はUSBメモリーにウイルスが入ってしまうトラブルが発生します。そのため、ノートパソコンには予めウイルスソフトを入れておき、USBメモリーは使ったら都度フォーマットをするようにしましょう。

グッズ③ ポータブルHDD

先ほど紹介したUSBメモリーは主に印刷用に使用します。一方でこちらのポータブルHDDは、取材先で使う場面があります。とりわけエンタメ系やホテルなどでは、写真撮影ができない場合、先方の保有する商用写真を受け取ることがあります。レストランも料理の写真にこだわりがあるお店も多いので、その際もお店の提供写真を使うよう指示されます。そのときにポータブルHDDを持っていれば、その場でデータを貰うことができます。「あとでメールで送るよ」という約束は当てにならないのでご注意ください。

また、USBメモリーも最近は数十GBの容量を入れることができるのですが、壊れやすく紛失しやすいのが最大の欠点で、また磁力にも弱いため、日本に帰国後にパソコンに取り込もうとしたらデータが破損していた、なんてことはトラベルライターならば一度や二度は経験することでしょう。そういったトラブルを未然に防ぐためにも、耐衝撃性に優れたポータブルHDDは非常に優秀です。

海外でも買うことはできるが、有名なメーカーを選ぼう 

ポータブルHDDは海外でも家電量販店やパソコンショップで簡単に手に入れることができますが、日本には出回っていないローカルメーカーも多くあります。それでいて値段は大手とあまり変わりません。取材先から受け取った重要なデータを保存するため、できれば大手の有名メーカーの商品を選んでください。

グッズ④ ムヒ&虫よけスプレー

トラベルライターでは景勝地や自然観光地の取材も多くあります。アジアには手つかずの大自然が多く、ときには雑木林や田園のあぜ道を歩くこともあるでしょう。意外かもしれませんが、多くの外国では虫よけスプレーは手に入れることができますが、ムヒのようなスーッとする痒みどめはあまり見かけません。そのため、日本出国前にムヒを買っておくといいでしょう。

自然観光地の雨上がりは要注意

アジアの自然景勝地を取材している最中に突然のスコール(大雨)。どうにかやりすごしたのはいいですが、雨上がりの後は蚊が大量に発生します。4つ星、5つ星といった高級ホテルの中にも蚊は平気で入ってきますので、寝室で刺されることもあります。ただ痒くなるだけであればいいのですが、東南アジアでは依然としてデング熱が流行っているので、場合によってはひどい高熱と痒みにうなされて、取材どころではなくなってしまう可能性もあります。虫よけスプレーだけでは心もとないので、暑くても我慢してストールや薄手の長袖を羽織り、できるだけ虫よけ対策をするのがおすすめです。

グッズ⑤ 本やゲーム機器など暇つぶしアイテム

暇つぶしと聞くと、海外取材において必須アイテムではないような気がします。しかし、長年トラベルライターとして活動していると、場合によっては何よりも重宝するグッズになることもあります。海外取材をするに当たって、日本の国内取材と大きく異なる点が、「担当者が時間にルーズの場合が非常に多い」ことです。待ち合わせのカフェや事務所の会議室で30分、1時間、ときにはそれ以上待たされることもしばしばあります。お客を待っている手前身動きがとれないため、本やゲーム端末で時間を潰すのはリラックスをする意味においても効果的です。

パソコンで時間潰しをしていたらトラブルが発生

トラベルライターになった当初は、心に余裕もないためパソコンを立ち上げて、作業をしながらお客を待っていました。しかし、ようやく担当者がやってきたと同時に、不運にもパソコンのバッテリーが切れてしまい、担当者と共有しなければならないウェブサイトなどを見せることができなくなってしまいました。

このようなトラブルはトラベルライターとして仕事をこなしていくと、必ず1度くらいは経験することになります。コンセントに挿していたけど、実は電源が供給されていなく、充電できていなかった、なんてことも日常茶飯事。それに凝りて「担当者を待っている間は仕事を忘れてスマホでゲームしている」というトラベルライターも少なくありません。

基本は海外現地でも手に入るが、できるだけ日本で揃えておくのがおすすめ

日本在住のトラベルライターは、外国人が羨望の眼差しで見るような高品質の取材グッズを安く手に入れることができます。特に電子機器はいまでも日本の品質は世界No.1とみなされています。海外取材グッズは、できるだけ日本で調達するのが推奨されます。

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