フリーでトラベルライターとして働くのであれば、事務処理やデータの管理などもすべて自分で行わなければなりません。
1日かけて取材で手に入れた貴重なデータは、しっかりと自分のパソコン内で管理して、必要な時がきたらすぐに「あのデータはここに保管してある」と分かるようにしておくのが仕事を円滑にすすめるコツです。
そこで、今回はトラベルライターが取材後に行うデータのおすすめ整理方法をご紹介します。
トラベルライターが扱うデータってなに?
トラベルライターが日ごろパソコンに保管しているデータはどんなものが考えられるでしょうか。記事を書くだけでではなく、顧客取引に関する情報も取り扱わなければなりません。
- 記事
- 顧客情報
- 過去案件情報
- 共有フォルダ
- 写真
- 日ごろ使用しているサイトのID&パスワードなど
上記がトラベルライターが日ごろ慎重に扱わなければならないデータの内容となります。
記事の整理&保管方法
トラベルライターとして最も重要な記事。顧客によってはワードプレスなどCMSのダッシュボード上に直接投稿するよう指示してくるところもありますが、雑誌や書籍媒体の記事は基本的にワードで書くのが普通。
執筆した記事、あるいは制作中の記事は、間違って紛失しないように一番目立つデスクトップの真ん中にフォルダを作って溜めておくといいでしょう。
顧客情報の整理&保管方法
上述したように、CMSに直接記事を投稿する契約の場合は、ダッシュボードのログインID&パスワード。
また、顧客と交わした契約書、執筆にあたる条件、支払い方法や請求書フォーマットといった顧客との契約にまつわる一式のデータをフォルダに纏めて保管してください。
頻繁に開くものではありませんが、重要度は高いためドロップボックスやGoogledriveといったオンラインストレージにて保管するといいでしょう。
過去案件情報の整理&保管方法
過去案件は消去してしまうトラベルライターもいるようですが、それはあまりおすすめしません。
1年後2年後に突然依頼のメールが来くる可能性もありますので、そのときに「このお客にはどういう契約(料金)していたんだっけ?」、「どんなテイスト・品質の記事を書いたんだっけな」と過去案件を振り返ることができれば、メールのやり取りもスムーズにできます。
ただし永遠に保管している必要はなく、せいぜい2~5年程度を区切りに、それ以上年数が経っていて、再度依頼がくる可能性が限りなく低いのであれば消去してかまいません。
もし過去情報を消去した後に偶然にも依頼がきてしまったら、過去のメールのやりとりを確認して判断するといいでしょう。アカウントを変えるかメールボックスの容量が一杯にならない限り、メール履歴はずっと残っているのでご安心ください。
また、こちらも頻繁に出し入れするデータではないので、基本は「過去案件」や「既存顧客」といったフォルダを作って、オンラインストレージの奥底に保管しておくといいでしょう。
共有フォルダの整理&保管方法
通常、書いた記事や写真はEメールで送りますが、記事の量が多かったり、写真のサイズが重い場合はメールではやり取りが難しくなるので、ドロップボックスやGoogle driveといったオンラインストレージ上で共有フォルダを作り、そこに記事や写真を格納します。
注意点はフォルダの中身を顧客と共有しているため、顧客情報を個人的にまとめたものも当フォルダに入れてしまうと、相手にも見えてしまうことです。やりとりに必要最低限のデータのみを格納するようにしましょう。
また、間違えてdeleteボタンを押してフォルダやファイルを消去してしまった場合は、相手がパソコンを立ち上げてネットに繋がっていると、同期した瞬間にフォルダが消えてしまう事態に陥ります。
オンラインストレージにはバックアップ機能がついているのが普通なので、慌てずガイドラインに沿って消えてしまったフォルダやファイルを復元してください。
その後、一言お詫びのメールを顧客に送ればトラブルに発展することはないはずです。
写真の整理&保管方法
写真はなによりも整理が非常に重要。トラベルライターとして何年も続けていると、写真のストックも数万枚となります。
その写真はすべてシーン別にフォルダを作るのがおすすめ。例えば「タイ」のフォルダがあったら、さらに「天気」、その下に「雨」、「晴れ」といったフォルダをつくっておくと。
「タイの雨季の時期の旅行の仕方を紹介!」といった記事で簡単にタイの雨の写真を見つけることができます。
このようにフォルダをできるだけ細かく細分化して整理すると、例え何万枚の写真ストックができたとしても、また3年前、5年前の写真を引っ張り出したいときであっても簡単に見つけることができます。
写真データはリサイズして保管しよう
写真のデータはパソコンから移したばかりのときは、1枚当たりの容量が非常に重いはずです。おそらくMかLサイズで撮影している場合は、3~8MBほどとなるでしょう。
これではオンラインストレージに保管する場合、同期する時間がびっくりするくらいかかってしまいます。
パソコンやストレージサービスを変えたりして数万枚の写真を最初から同期するとなると、3~7日ほどかかってしまい、その間パソコンの処理速度が著しく落ちてしまい仕事に支障が出てしまいます。
写真は1枚当たり大きくとも1MB以下にリサイズするのがおすすめです。縦横サイズでいえば、webサイト上であれば「2152×1420」以下で十分です。
雑誌など紙媒体でも使う可能性がある重要な写真に限り、リサイズする必要なくそのままのサイズで保管するといいでしょう。
日ごろ使用しているサイトのID&パスワードなどの整理&保管方法
顧客探しに使用しているマッチングサイトや自分の運営しているサイトやレンタルサーバーのログインIDとパスワードなどもtextに記述してストレージ上に保管しておくといいでしょう。
顧客関連のフォルダと区別するため、「個人フォルダ」といった名称でフォルダを作成し、そこに自身の仕事関連の情報は入れておくようにしましょう。
デスクトップだけではリスク大!必ず複数のバックアップを
これまで紹介したトラベルライターとして整理・保管すべき情報は、必ずオンラインストレージを含む複数の媒体で保管・バックアップするようにしてください。
PCに不慣れな方の中には、デスクトップのみに保存している人も少なくありません。しかし、パソコンはある日突然フリーズしたり、不具合を起こしデータが消えることがありますし、海外渡航先では盗難の危険もあります。
オンラインストレージ上に保管しておけば、IDとパスワードさえ知っていればどのパソコンからでもアクセスすることができますので、データ紛失のリスクが減ります。
しかし、逆にオンラインストレージのみも危険。お金を支払い忘れて契約期限が切れてしまうと、フォルダも失われてしまいます。
おすすめのバックアップ方法
トラベルライターの方におすすめしたいバックアップ方法は下記の通り。
- パソコンのデスクトップ(Off line)
- オンラインストレージ
- ポータブルHDD
上記3箇所にデータを保存しておくといいでしょう。
それほど重要ではないデータに関してはオンラインストレージでまとめてしまってもかまいませんし、保存する必要のないデータはパソコンのデスクトップに保存して、案件が終了したら削除するといいでしょう。
ポータブルHDDは耐久性を重視したものを強く推奨します。最新のSSDもいいのですが、あくまでもバックアップのみなので、そこまで予算をかける必要もないかもしれません。
また、バックアップは月に一度ほど取っておけば十分です。もし大きなアップデートをした場合は、当該フォルダのみバックアップを取得するといいでしょう。
トラベルライターは管理能力も問われることを自覚しよう
トラベルライターになるからには、個人事業主としての自覚を持つことが大切です。顧客情報や記事・写真といった重要なデータはすべて自分で管理しなければなりません。
パソコンにもセキュリティソフトを導入するなど、しっかりとリスク管理を講じておきましょう。