アメリカ観光の際の注意点

 アメリカは日本において人気の旅行先の1つです。ハワイ・グアム・ニューヨーク・ロサンゼルス・ラスベガス、など様々な有名どころが思い浮かぶのではないでしょうか。

日本人にとって馴染み深い旅行先であるアメリカですが、観光する際には知っておきたい注意点がいくつかあります。そこで今回は旅行を安心・安全に楽しむための注意点をテーマごとに絞って紹介していきたいと思います。

アメリカ観光の際に役立てて頂けると幸いです。

・チップ

 日本にはないチップ文化ですが、アメリカではチップを支払う文化があります。アメリカにおけるチップは労働者にとって大切な収入源の一部であり、欠くことのできない存在です。

アメリカのステーキ

そのためアメリカを旅する際は、チップの相場・チップの支払いが必要になる場面を知っておくことが必要です。

 まず、一般的なレストランは15〜20%が相場となっています。税込み総額ではなく、税抜き総額の15〜20%です。

よほどひどいサービスを受けた場合は15%以下のチップ、自分のせいでお店に迷惑がかかった場合や特別良いサービスを受けた場合は20%以上のチップを払っても良いでしょう。

ただそのような場合を除いては、15から20%の間でチップの額を決めるのが良いでしょう。日本のレストランはおしなべてサービスの質が高いので、アメリカで受けるサービスにチップを払うのはバカバカしいと感じる日本人も多いようです。

しかしながら、特別大きな問題がない限りアメリカ人は15〜20%チップをきちんと払います。高級レストランにおいては、サービスの質はあまり考慮せずに20%かそれ以上のチップを支払う場合が多いです。

高級レストランではサーバーがかなり丁寧に接客をしてくれるので、チップを払うに値しないサービスを受ける場合はほとんどないかと思います。日本食レストランなどではチップ(サービス料)が予め含まれている場合もあるので、お会計の際は注意深く伝票を確認してください。

含まれていれば追加のチップを支払う必要はありません。

 カウンター式のバーでは、注文したドリンクを受け取る際にバーテンダーにチップを渡します。現金で支払う場合がほとんどなので、小さいお金を事前に用意しておくと良いでしょう。

ドリンクをお代わりする場合も、その度にチップを払います。ドリンク毎に1ドルが適正価格です。

 ファーストフードやカフェではチップを払う必要はありません。レジ前にチップを入れる箱が置いてあったり、クレジットカード会計の際チップをいくら払うか聞かれる場合がありますが、ゼロでも問題ありません。

気持ちの良いサービスだったと感じた時は、1ドル札や小銭で支払うと良いでしょう。

 タクシーを利用する場合は、一般的なレストランと同じく15〜20%のチップを払えばOKです。配車アプリであるUberを利用して移動する場合は、アメリカ人でもチップを払う人は少数派です。

ブランケットを貸してくれた・超長距離の移動だった、などの場合はチップを払う場合も多いようですが、「チップを払わなかった」=「ウーバードライバーのサービスが良くなかった」ということにはなりません。

ただ、チップは乗車後にUberのアプリを通して支払うこともできます。クレジットカードを登録しておけば、乗車代金と一緒に引き落とされる仕組みです。簡単なステップなので、私は優良なドライバーだったと感じた場合はチップを払うことにしています。

 チップ計算にはアプリを使うと便利です。チップ計算のアプリは沢山あるので、ぜひ1つダウンロードしておくといいでしょう。

おすすめはTipCal(チップカル)というアプリです。このアプリはアメリカを含む世界60カ国もの通貨でのチップレートを収録しています。シンプルで最低限の機能しかついておらず使い勝手が良いです。

インターネットの環境がなくとも使用することができます。海外に行った際はWiFiがないという問題に直面することも多いので、オフラインでも使えるのは安心です。

アプリのダウンロードはこちら

tip-cal-app
iPhoneAppStore

・現金/カード

 カード社会・キャッシュレス社会と言われるアメリカでは、日本に比べてクレジットカードが使えるお店は格段に多いです。

そのため、旅行では多額の現金を持ち歩かず、基本的にはクレジットカードでお会計を済ませる人も多いでしょう。

しかしながら、キャッシュレスが進んでいるアメリカにおいても現金が必要になる場面はあります。いざという時に困らないために、代表的な例をいくつかご紹介します。

 まず1つ目は、個人が営んでいる屋台や規模の小さな雑貨店などでは、クレジットカードに対応していない場合も多く見られます。アメリカではクレジットカードに対応している小さな商店も他国に比べると多いのですが、「cash only」としているお店もちょくちょく見かけます。

現地で開催されているフリーマーケットやグリーンマーケットなども観光で立ち寄ると楽しいと思うので、必要最低限の現金を用意しておいて損はないでしょう。

 2つ目のケースは、路上駐車をする場合の支払いです。アメリカでは路上に車を止める「ストリートパーキング」がたくさんあります。支払いはすぐ側に設置してある機械で済ませます。

その際、クレジットカードが読み取れない・ネットが繋がらずアプリでの支払いもできない、といった場合に現金を持っていると便利です。減ってきてはいますが、現金でしか支払えない機械もたまに見受けられます。

ストリートパーキングは紙幣で支払うことはできません。必要になるのは25セントなので、ストリートパーキングで小銭を使い切るのも1つの手だと思います。

 3つ目のケースはチップです。ホテルなどで荷物を運んでもらったり、ルームサービスを頼んだ場合、1ドル札でチップを支払います。そのため1ドル札は数枚用意しておくと便利です。

また、バーカウンターでお酒を頼む際も1ドル札を渡すので、事前に用意しておいて下さい。私は「チップもらえますか?」とバーテンダーから聞かれて、チップはカードで支払いができず困った経験があります。

このようにお会計はカードでできるにも関わらず、チップは現金のみというお店もあるので注意が必要です。

・アルコール

 日本では20歳から飲酒が認められています。しかしながら、アメリカでの飲酒は21歳になってからと定められています。これは州ごとに異なる訳ではなく、全ての州に当てはまる法律です。

20歳になっていても、日本人がアメリカでアルコールを飲めば法律違反になってしまうので気をつけて下さい。


 21歳以上の人もアルコールに関して気を付けることがあります。明らかに21歳以上だと外見から判断できる場合を除き、酒屋でアルコールを購入する際やレストランでアルコールを注文する時は、年齢確認のため身分証明書(ID)の提示を求められます。

日本人は実年齢よりも若く見られる傾向にあるので、30代、40代の人でもかなりの確率で年齢確認されるようです。アルコールを購入したりレストランでお酒を飲みたい場合は、パスポートを携帯しておく必要があります。

私はアメリカのボストンへ観光に行った際、紛失の可能性を危惧してパスポートやアメリカ国内の運転免許証はホテルに置いて出かけました。

夕食の際、レストランでアルコールを注文しようとすると、年齢が証明できる身分証がないとのことでソフトドリンクしか提供してもらえずがっかりした経験があります。

ちなみに日本の運転免許証であればたまたま持っていたのですが、「アメリカ国内の身分証明書かパスポートしかダメ」と言われました。

どのくらい厳しいかはお店によっても異なるかと思いますが、21歳以上の方でアルコールを楽しみたい場合は、パスポートを持っていくことを忘れないで下さい。

・交通ルール

 アメリカでは、運転が荒い車をよく見かけます。ウインカーを出さない車や、かなりスピードを出して走っている車を見かけたりする頻度が高いです。アメリカで運転する際、また自分が歩行者の場合も事故に遭わないよう細心の注意を払いましょう。

事前に知っておきたいアメリカの交通ルールや日本との相違点がいくつかあるので順に説明していきます。

 1つ目は、右側走行ということです。日本は左側走行、右ハンドルなので最初は違和感を感じます。慣れるまでは細心の注意を払って運転し、特に曲がる場合は反対レーンに入らないように注意して下さい。

2車線以上ある道路では、一番右が低速走行用の車線で、左が追い越し車線です。

 2つ目は、赤信号でも右折可能ということです。曲がる前の一時停止・目視確認は必須ですが、車が来ていなければ信号が赤でも右折できます。

ただし、「NO TURN ON RED」という標識がある場合は例外なので、信号が青に変わってから右折しましょう。歩行者として横断歩道を渡っている際も、赤信号で右折してくる車がないか注意して下さい。

 3つ目は、踏切での一時停止は不要ということです。日本では踏切を通過する時、一時停止・減速します。一方、アメリカでは遮断機が降りていない限り止まりません。

一時停止してしまうと後ろの車を混乱させたり、煽りを受けたり、追突されたりする危険性があるので注意が必要です。

 このようにアメリカでは日本と異なる交通ルールが存在します。基本的には歩行者が優先されますが、人によってかなり態度も異なります。

歩行者としても、近付いて来る車が必ずしも止まってくれると思わないようにしましょう。交通安全に気を付けて、観光を楽しんで下さい。

・治安

 アメリカでは著名な観光地であっても、一歩路地裏に入れば雰囲気が一変し、治安が悪いというケースも多々あります。

自由の女神

例えばコロンビア大学はニューヨークの中でも有名な観光地の1つですが、ハーレム という地域に位置しており、治安が良くない地域だと言われています。

私も何度か訪れたことがあるのですが、駅を降りると麻薬の匂いがしたり、道端にたむろしている人を何人も見かけたりします。

またニューヨークの地下鉄に関しては、数十年前はかなり治安が悪いと言われていましたが、今ではかなり改善されています。しかしながら、地下鉄に乗る際も、公共の場所だからといって安心しきってしまうのは危険です。

スリには充分注意し、自分の持ち物から常に目を離さないようにしましょう。また、泥酔している人や薬物中毒の疑いがある人が電車に乗っているのも見かけたことがあるので、そのような場合は目を合わせずある程度の距離を保つか、車両を変更するなどして下さい。

 治安の良し悪しに関する情報は、ある程度ガイドブックにも記載があります。自分が行こうとしている土地について事前に知り、危険と言われる地域には足を踏み入れないようにしましょう。

そうすることで危ない目に遭う確率はぐんと減らせます。残念なことですが、生活に困窮している人が多い土地は窃盗・盗難が増える傾向にあります。

治安の良し悪しを図るには、「ホームレスの人を多く見かける」「人通りが少なく暗い雰囲気」「麻薬の匂いが漂っている」「落書きが多い」「駐車してある車が壊れていたり傷付いていたりする」「道路が舗装されていない」などが目安になります。

治安が悪いと感じる通りに来てしまった場合は、すぐに大通りに出るようにしましょう。

 また、インターネットから情報を得る場合は、外務省の「海外安全ホームページ」 が参考になります。アメリカにおける犯罪発生状況や、各主要都市の状況について記載があるので、渡航前の下調べに有効です。

「スマートフォンを狙った強盗・ひったくり事案が急増していることからスマートフォンを使用しながら出歩くことは避ける」「強盗犯に建物の陰等に引きずり込まれないよう市内を歩く際にはなるべく車道側を歩く」など具体的な対策も書いてあるので、1度目を通しておいて損はありません。

 加えて、アメリカのサイトになりますが、「Neighborhood Scout」というサイトは犯罪率がマップ上で一目瞭然となるので便利です。住所や州の名前、郵便番号などを入力して調べることができるので、訪問予定の地域を事前に検索し、治安について確認しておくと良いでしょう。アメリカ人の友人も、このサイトは引越しをしたりするときに利用すると話していました。

 今回はアメリカ観光の際、気をつけてもらいたい事柄をいくつか紹介しました。旅行では気が緩んで開放的な気分になりがちですが、文化や価値観が異なる国なので注意することもたくさんあります。観光の際はこれらの注意点に気を付け、アメリカ旅行が楽しく充実したものになるよう願っております。

アメリカ観光の際の注意点
最新情報をチェックしよう!

日本のトラベルライターが初めて訪れるとビックリする文化の違いの最新記事8件