「ノマドライターになりたいけど将来に不安がある」という人も多い様子です。Webライターはノマドワーカーの中でも誰でも気軽にはじめられるとあって人気がある職種ですが、ライターの普段の生活の様子や仕事の仕方などは不透明な部分も多いため、転身に踏ん切りがつかない人も少なくありません。
そこで、今回はキャリア13年以上のノマドライターが将来性と日々の生活・仕事方法を詳しく紹介します。
新型コロナでノマドライターの仕事事情は大きく変わる
2020年より世界で猛威をふるった新型コロナも2023年になると一応の鎮静が見られ、多くの社会人はこれまで通り職場出勤を命じられるようになりました。しかし、IT業界を中心に一部企業では出社不要のリモートワーク化を継続して推進するところも見受けられますし、会社を退職して“ノマドワーカー”として新たな道を進む人も増加しました。
コロナを契機に良くも悪くもニューノーマルの時代となり、会社に依存しない収入・仕事・生活が多かれ少なかれ認知されるようになりました。
ノマドワーカーの中でもノマドライター(Webライター)が選ばれる理由
ノマドワーカーといっても職種は様々です。「エンジニア・デザイナー・コンサル・講師・マーケター・動画編集」等が挙げられますが、その中でもノマドライターは特別な資格やスキル不要のため、非常に人気が高い職種となります。
また、ノマドライターといっても具体的にはさらに細分化され、
- Webライター(SEOライター)
- アフィリエイトライター
- ブロガー
- 翻訳ライター
- ディレクター・編集者
に分けることができます。雑誌書籍など活字媒体を専門にするライターもいますが、近年はそれだけでは生計を立てるのが難しいため、Web媒体にも出稿しているのが普通です。
いずれのノマドライター職も名刺とポートフォリオ(実績)を作るだけで簡単に仕事を受注できるため、昨今ではデザイナーや編集者も実績作りにライティングを請け負う人が増えています。
ノマドライターの将来性を考えたメリットとデメリット
ノマドライターへの転身を考えている、あるいはノマドライターとして働きはじめたばかりの人の中には、「ノマドライターの将来が不安」、「収入や生活面を考えると将来が怖い」と考える人もいます。
そこで、以下ではノマドライターの将来性を鑑みたメリットとデメリットを紹介します。
ノマドライターの将来性に対するメリット
ノマドライターとして今後も働き続ける上で、重要なメリットが3つあります。いずれも会社員(サラリーマン)にはないものなので、社員とノマドライターを天秤にかけている人は、是非検討の材料としてください。
- 日本経済の景気によるリストラや就職難の心配がない
新型コロナのときは多くの企業で整理解雇が実施されました。今後も業績不振に陥ったときは、会社は容赦なく従業員をリストラすることが予想されます。ノマドライターは自営業となるため、転職活動やリストラの心配は不要です。 - 毎日の通勤ラッシュや残業、ハラスメントのストレスがない
日本は古くから「ストレス社会」と揶揄されているように、朝夕のラッシュアワーや過酷な残業、各種ハラスメントが横行しています。ノマドライターであれば通勤時間や職場は自分で決めることができるほか、自営業のため良くも悪くも上司という存在がありません。 - 収入経路を増やすことができる
ノマドライター・Webライターと言えば「収入面が心配」という人も多いですが、Webライターは上述したように複数のアフィリエイトや翻訳、ディレクターといった職務を兼任できるので、他の職種と比較しても収入の安定化は比較的容易となります。
ノマドライターの将来性に対するデメリット
一方で将来にわたってノマドライターの仕事を継続する上でのデメリットも紹介します。
- 残業代・有休・退職金・福利厚生がない
自営業は各種手当がないほか、労働法が適用されません。ライターは良くも悪くも“やった分だけ”が報酬となるので、それ以外の収入経路を作るのも大切な業務の一環となります。 - 自分でスケジュール管理と収入管理が必要
ノマドライターに転身すると、案件や収入は自分で管理しなければなりません。スケジュール管理とタスク管理を同時に行いつつ、今月の収支をパソコンで管理する必要があります。 - ローンが組みづらい
一昔前は「クレジットカードが作れない」という問題がありましたが、昨今はインターネットバンクなど数多くの銀行で簡単に作ることができます。一方で信用を担保にする車や住宅ローン審査はなかなか難しいのが現状です。屋号でも通らない場合は、いっそのこと法人化(株式会社化)するのも有効な手段となります。
ライティングだけじゃない。ノマドライターの生活と仕事方法
昨今はノマドライターという言葉も周知されてきたものの、実際にどのような日々を過ごしているのかを知りたいという人もいます。そこで、以下ではノマドライターの普段の仕事や生活について具体的に解説します。
ノマドライターはどこで仕事をする?昨今のフリーランス事情
ノマドライターといえば、「スタバでパソコン」をイメージする人が多いかもしれません。しかし、昨今はコワーキングスペースやレンタルオフィスが都心・郊外に普及しているため、月額料金でそちらを利用した方が能率的とされています。また、家事や育児も兼任するノマドライターであれば、自室にこもって仕事をする人も多くいます。
2023年以降は海外ノマドも増加中。人気都市は?
新型コロナも落ち着き、世界は努めてコロナ前に戻ろうとしている昨今ですが、海外ノマドも着実に増えています。近年は歴史的な円安を背景に欧米よりも物価安の東南アジアがノマドライターに支持され、「バンコク(タイ)、ホーチミン(ベトナム)、クアラルンプール(マレーシア)」などが人気の旅先となっています。
ノマドライターの月間スケジュールとライティング以外の業務
ノマドライターの具体的な業務内容を解説します。多くの人が誤解していますが、ノマドライターはライティングだけが仕事ではありません。
月末月初は請求&案件管理に追われる
月末月初は書類や打ち合わせ関連でスケジュールが埋まります。
- 請求書の送付
- 入金確認&領収書の送付
- 個人契約書の押印と送付
- 翌月の業務内容の打ち合わせ
ベテランのノマドライターは5~8社程度の顧客と毎月業務委託契約を交わしています。フリーランスのため自分で経理関係をこなさなければならない他、翌月の記事作成の内容を打ち合わせするため、オンライン会議も必須です。
月の3分の1~4分の1は「取材&撮影」に費やされる
ノマドライターの中でもグルメ・旅行・政治・電化製品(ガジェット含む)等を専門に扱うライターは、ネットの情報だけで記事を書くことができないため、月の3分の1~4分の1は取材インタビューや写真撮影に費やされます。取材&撮影はライターにとっては非生産性の時間となるため、多忙な月は休みの土日に行うこともしばしばあり、「今月は1日も休みがなかった」といったことも珍しくありません。
プロのノマドライターが1日に執筆する文字数・記事数とは
Webライターに転身したばかりの人や、まだ日の浅いビギナーライターであれば、1日に書ける文字数は3000~5000文字、文字単価は0.7円~1.5円が平均ではないでしょうか。
一方でベテランになると、1日に書く文字数は8000~1万文字。文字単価の平均は2~4円となります。多くのベテランライターは案件を受注する際、自分の時給と日給を照らし合わせて受託するか否かを決めます。プロライターであれば平均2~3万円の日給を希望するので、文字単価2円であれば1万文字を1記事と5000文字前後の記事を1記事書く具合で調整することでしょう。
まとめ:ノマドライターは将来性ある職業と言える最大のポイント
今回はノマドライターの将来性と実際の仕事事情を紹介しました。今後は働き方の自由化やフリーランス人口の増加、あらゆる業種のITが想定されます。ネット集客を希望する企業にとって、良質なSEOコンテンツを書くノマドライターは重宝するため、副業ライターとも明確に差別化されることでしょう。
将来性及び伸びしろは非常に大きいので、現在ノマドライターへの転身を検討している人は、まずは業界知識を増やし、実際の業務と将来をイメージしてみることから始めるといいでしょう。