名刺を作ったその日から転職できるフリーライター。しかし、近年はライターの育成講座や取得すると有利な資格も増えてきました。そこで、ここではフリーライターとして大成するための資格の必要性、及びクライアントに自分をアピールして差別化を図る方法をご紹介します。
フリーライターが近年急増の背景
フリーライターと言えば、雑誌に政治経済などを書く、いわゆる「記者」をイメージする人もいますが、昨今はフリーライターが執筆するジャンル・業界は非常に幅広くなり、旅行、グルメ、生活、法律、不動産、海外、保険などあらゆる方面にフリーライターの書く品質の高い記事が求められるようになりました。
その背景の一つにあるのが近年の「IT化」です。一人一台パソコンやスマホを持つ時代となり、子供から大人、お年寄りまで多くの日本人がインターネットで情報収集をするようになりました。そのため、いままで紙媒体やテレビメディアでしか活躍の場がなかったフリーライターが、2000年代に入った途端、「WEBライター」として活躍しはじめることができるようになりました。
新型コロナ後はフリーライターがさらに増加して競争が激しくなる理由
2020年より世界はニューノーマルの時代に突入したと言われています。新型コロナは良くも悪く世界を変え、識者の間では「新型コロナが原因でIT化が加速し、IT技術の進歩が10年以上前倒しになった」とさえ言われています。確かにここ数年でDX化が加速し、対面販売からネット販売に切り替わり、出張や会議がzoomのようなオンライン会議システムへと移行しました。
今後はいままでウェブ集客に関心がなかった企業や店舗も、ネット販売や自社ブランディングを目的にいっせいにウェブサイトを立ち上げることでしょう。そして、そこには必ずフリーライターの需要があります。
フリーライターにそもそも資格は必要ない
フリーライターになるためには何かしらの資格が必要と思っている人もいるかもしれません。ネットで検索すると、「この資格を持つと案件の受注に有利!」、「フリーライターとしての成功の近道!」、「フリーライターに必須の資格はこれ!」といった情報サイトが幾多も出てきます。
しかし、そもそも現役で活躍して成功を収めているフリーライターで、そういった資格を持っている人はおそらくほとんどいません。フリーライターは個人事業主でありフリーランスです。そのため、“フリーライター”と肩書をつけた名刺を作るだけで、その日からフリーライターに転身することができます。フリーライターに関して資格の有無の話題が出たのは、やはりWEBライターの需要が高まった2010年頃からとなります。そのため、フリーライターで資格取得の有無を検討している人は、「WEBライティングをメインに生計を立てていくことを検討している人」となります。
資格と養成講座はどちらがおすすめ?
フリーライターとして仕事をしていくに必要と思われるスキルや心構えは、資格と養成講座によって学習することができます。求める性質が異なるため、どちらを積極的におすすめできるかは一概には応えられませんが、資格は「自分の文章スキルの確認と依頼主へのPRのため」に取得するものであり、養成講座はプロとして活躍しているフリーライターから、心構えや体験談などを聞くことで「モチベーションの向上とフリーライターとして必要な知識」を学ぶことができます。
そのため、これからフリーライターになりたい、という志望者は、まずは養成講座を受講して、ある程度依頼を受けて場数を踏んできても、なかなか生活が安定しなかったり、書類審査で落とされてしまうときは、資格の取得を検討してみるのはいかがでしょうか。
フリーライターで有利となる資格とは
では、具体的にフリーライターで有利となる資格はどういったものが挙げられるのでしょうか。まず覚えておきたいのは、「WEBライティング〇〇検定」といった資格が幾つかありますが、これらの取得はまったく必要ありません。
いずれも一般社団法人が運営元となりますが、これらを持っていても企業へのPRに繋がるとは言い難く、また受講料も馬鹿になりません。中には1~4級まで順番に取得しなければならない資格もあり、飛び級ができないため、第一線で活躍しているプロのフリーライターも4級から受講する必要があり、合計で5万円以上資格の取得にかかります。
また、クラウドソーシングの会長が運営している「WEBライティング技能検定」は、当該クラウドソーシングを利用する際には有利になるかもしれませんが、それ以外でのPRには力不足となります。
おすすめの資格「日本語検定一級」
その中でもフリーライターにおすすめしたい資格は、「日本語検定一級」です。日本人は日本語がネイティブのため感覚的に理解していますが、文章に起こすときには論理的な体系と正しい文法が求められます。日本語検定は2級が大学生レベルで、1級が社会人レベルと言われていますが、実際は勉強無しに2級1級に合格するのは困難です。
一方で日本語検定一級の資格を取得できるレベルであれば、少なくとも「読みやすい記事が書ける」、「依頼主からのテスト記事で審査に落とされることがなくなる」といった恩恵を実感できるはずです。実際に多くの企業は「WEB〇〇検定といったちょっと胡散臭い資格よりも、日本語検定の資格取得者の方が圧倒的に実力がある」とみなしています。
近年フリーライターに求められるSEOとは
近年活躍するフリーライターの多くは、WEBライティングが収入の基盤となっています。上述したように、自社サイトを通じて集客・収益を事業とする企業が増えており、コロナが落ち着いたあとは、よりその傾向が強くなることが予想されます。
しかし、ネット集客を成功させるためには、Googleの検索順位で上位を獲得しなければなりません。その検索上位表示を狙う施策をSEO対策と呼び、目的はGoogle検索で1頁目の表示となります。
フリーライターがSEO対策の資格を有するメリット
SEO対策を施した記事はSEOコンテンツ・SEO記事と呼ばれますが、普通に正しい国語表現を身につけるだけでは不十分です。
- SEOキーワード
- 検索ボリューム
- 頻出率
- タイトル・見出し・hタグ
- 文字数
など、SEO対策を実施するためには、学習すべき知識がたくさんあります。そのため、自分がどれだけのSEO対策の知識を持っているのかを証明するために、SEO対策の資格も所有していると、依頼主に対する印象が大分変ってきます。
なぜなら、多くの依頼主はフリーライターはSEO対策の知識はそれほど持っていない、少なくとも専門家ではないと認識しているからです。そのため、SEOコンテンツが書けるフリーライターは、依頼主にとっては非常に貴重な存在となるはずです。
おすすめの資格「SEO検定」
フリーライターが持つべきSEO関連の資格は、「SEO検定」です。それ以外にも幾つか資格はありますが、SEO検定が最もオーソドックスかつ網羅的です。ちなみにSEO検定の資格は1級から4級までありますが、フリーライターで持っていてほしいのは2級となります。1級はプロのSEOコンサルがきちんと時間をかけて学習をして臨むレベルとなりますので、フリーライターには不要です。
依頼主にフリーライターとしての自分をアピールする方法
今回ご紹介した資格は、例えば面接時に「私は日本語検定の資格を持っているので、高品質な記事を書くことができます」といったアピールの方法は用いません。企業としては資格よりも実績をアピールしてほしいからです。
そのため、フリーライターが資格をアピールするときは、あくまでも「履歴書」や「職務経歴書」、「ポートフォリオ」上に記載するに留めるのがいいでしょう。良くも悪くも資格は勉強すれば取得できますが、実績は結果を出さなければついてきません。そして、企業が求めているのは結果を出せるフリーライターとなります。