昨今はフリーランスのライターも大分増えてきましたが、その多くはWebサイトに記事を投稿するウェブライターのようです。しかし、旅行ライターになったからには、雑誌や書籍にも自分の体験や観光地情報を書いて活躍したいですよね。
そこで、ここでは旅行ライターになった暁には、どのようなメディアで仕事ができるのかをご紹介したいと思います。おそらく「えっ、そんな仕事もあるの?」と驚くメディアもあるかもしれませんよ。
旅行ライターが目指す先には何がある?
現在旅行ライターとして活躍している、あるいは目指している人の多くは、「旅行会社から観光地の情報記事の依頼を受ける」、「旅行雑誌に携わる」、「旅行ライターとして文庫本を出す」といったことを目標にしているかと存じます。
しかし、昨今は旅行ライターも1つの職種として認知されはじめ、上記以外の分野・メディアでも活躍の幅が広がるようになりました。そのため、旅行ライター志望の方も含めて、自分の10年後、20年後のあるべき姿や、目標、目指すべき通過点を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
旅行ライターと「雑誌」メディアの関係性
旅行ライターと言えば、上述したように「旅行雑誌」に携わることが一つの目標と言えます。雑誌メディアに携わりたい場合は、一般的には日本国内の出版社や編集プロダクションに自分を売り込み、自分が住んでいる都市エリア、もしくは国・文化・習慣を書きおろす依頼を受けます。ガイドブックの性質によっては、コラムの依頼を受けたり、在住者しか分からない現地の“あるある”を記事にすることもあります。
旅行ライターは海外現地の出版メディアに営業をかけよう
とはいっても出版社や編集プロダクションに飛び込みの電話をして営業をかけたとしても、自分の力量を信用されて依頼まで発展することはまれです。そこで、海外在住の旅行ライターにおすすめしたいのが、「現地の出版メディアの会社に営業をかける」ことです。現地の日系出版社であれば、こちらが日本人というだけで直接編集長と会うこともできますし、海外で旅行ライターを本業にしている人は少ないので、試しに依頼をしてくれるまでは早々時間はかからないはずです。
ガイドブックだけじゃない!旅行ライターが活躍できる雑誌メディアとは
雑誌メディアといっても、旅行ライターが活躍できるのはガイドブックだけではありません。日本人が多く暮らすエリアには、決まって在住日本人向けのフリーペーパーがありますので、そちらの専属ライターになれば、「現地コラム」、「お店紹介」、「インタビュー記事」、「地域情報」などを執筆することができます。
また、さらには海外ビジネス情報誌のひと枠の依頼を受けることもあります。「アメリカにおける暗号資産事情」、「ベトナムとロシアの特別なヒストリー」といった具合に、かなりタイムリーな記事を求められることが多く、納期も10日程度と詰まってはいますが、その分報酬は悪くありません。
近年の旅行ライターの活躍の場はテレビ・ラジオメディアにも波及
旅行ライターと言えばニッチな業界ではあるものの、ここ最近は現地在住のライターが旅番組やラジオにも出演するケースも増えてきました。もともと旅番組を構成する際は、番組スタッフは現地の旅行ライターや旅行サイトの運営者から情報収集をします。
その多くはメールと電話でのやりとりですが、キャストが海外現地を歩く番組の場合は、事前にロケハンが行われるため、その際に旅行ライターが同行します。日曜の昼にやっているような見慣れた旅番組も、実は旅行ライターが影で支えているのです。
ラジオではレギュラー番組を持つこともできる!
また、ラジオでは世界各国の現地情報や政治経済を伝える番組がたくさんあります。特にNHKは現地在住者を生番組で使う傾向があり、海外在住の旅行ライターであれば、多くの人が一度は出演依頼のメールが来た、というほどです。
ラジオ出演の報酬は1回20~60分で1万~1万5000円程度でそれほど高くはありませんが、貴重な経験ですし、職務経歴書にも記載することができるので、一度は引き受けてもいいかもしれません。ただし、ラジオは生放送が多いので緊張する方は要注意を。
旅行会社と提携。旅行ライターが感じるウェブメディアの強みとは
旅行ライターの毎月の収入の土台となるのがウェブメディアです。旅行記事を求めるサイトは、旅行サイトや観光情報サイト、タウン情報サイトなどが主ですが、いずれも月1~3万円程度の案件・ボリュームしか受注できません。
その一方でSEO対策と現地情報の質が求められる旅行会社と提携すれば、毎月5~10万円程度の案件を受注できるので、2~3社と契約すれば、それだけでサラリーマンの月収並みの収入を確保することができます。
旅行会社との契約はおいしい!無料で旅行ができて、収入も安定
旅行会社と契約すると、ウェブメディアだけではなく、それ以外のさまざまな仕事を任されることが多いです。
- ツアーの体験記事
- 新規ツアーの同行
- 旅行会社の提携ホテルの記事
- 旅行会社の提携店(レストラン、カフェ、スパ)の記事
例えば旅行会社の提携ホテルの記事であれば、実際に宿泊することもできますし、朝食ビュッフェも提供してくれます。無論日本人向けのリゾートホテルや5つ星ホテルなので、満足度は120%。無料で旅行をしながら仕事ができるという旅行ライターの醍醐味を実感できる象徴的な案件となります。
海外在住旅行ライターのあるある。お店の「共同経営」
海外在住の旅行ライターは、旅行会社からの依頼で取材先のお店主人と頻繁に折衝をします。すると、その内主人から「日本語のホームページを作るから手伝ってくれないか」、「うちのお店は70%が日本人旅行者だから、貴方にマーケティングをやってほしい」などと共同経営のような話を持ち掛けられることがよくあります。場合によっては自分の旅行ライターとしての人生の大きな転換期となる可能性もあります。
印税生活の是非は?昨今の流行り「電子書籍メディア」
旅行ライターにとって「書籍や文庫の自著」は、憧れであり大きな目標の1つでもあります。しかし、実際的にITが発展した2000年代以降、出版業界は全体的に斜陽産業となり、近年は知名度のない旅行ライターの旅本はなかなか売れないですし、案件も回ってきません。
そこで、昨今流行っているのが「電子書籍メディア」からの出版です。電子書籍であれば誰もが気軽に出版することができますし、たくさん販売できれば印税も入ります。ただし、電子書籍の執筆依頼はなぜか非常に報酬が低いため、自分で出版するのがおすすめです。
旅行ライターはメディアだけが仕事ではない。ニッチだけど高額報酬の案件
旅行ライターと言えば、ここで紹介したような紙面、ウェブ、テレビといったメディアへの寄稿が主業務ですが、実は裏方のようなニッチだけど、引き受ければ大分割のいい案件も少なくありません。
- 航空会社からの依頼
日本人旅行者向けのPR(ホームページ更新、SNS投稿) - 出版社からの依頼
ガイドブックに掲載するお店や観光地の基本情報収集 - 大手ホテル予約サイトからの依頼
在住国及び近隣国の主要イベントの参加&体験記事、ホテル宿泊体験記事 - 現地ツアー会社からの依頼
日本語のホームページ翻訳 - 現地お店からの依頼
メニューや広告の日本語翻訳
上記案件は毎月発生するわけではありませんが、報酬単価は非常に高いため、旅行ライターとして盤石な生計を立てるためには是非受注したいところです。
旅行ライターが活躍できるメディアは多い!将来を考えた仕事を受注しよう
今回ご案内したように、旅行ライターが活躍できるメディアは非常に多彩となります。そのため、仕事を受ける際は、その案件を受注した後に自分にどれだけの利益・恩恵があるかを考えてみるといいかもしれません。