昨今は海外移住者も増えてきましたが、子供がいる家族では、「子供の将来のことを考えたら……」と海外移住に踏ん切りがつかないご家庭も多く見受けられます。
しかし、子供の将来を本当に考えるならば、もしかすると海外移住が最善の選択となるかもしれませんよ。そこで、今回は子供連れ家族が海外移住をするに当たっての日本での国選びから手続き、現地の移住先の確保までの流れをご紹介します。
子供連れ家族。海外移住に抵抗がある理由
海外移住は若いからできる、自由に生きることができる独身のうちだけ、という意見はもう古いかもしれません。2020年の新型コロナ前までは、外務省統計では海外移住者は毎年増加し、過去最高を更新していました。
確かに海外という異国の環境だと子供は戸惑うかもしれません。しかし、それは最初の数か月間だけ。子供はあっという間に現地の環境に慣れるものですし、外国人の友達だってすぐにできます。
子供が5~10歳程度ならば、ネイティブで日本語を話せるので、将来的に帰国しても語学で躓くことはありません。「子供がいるから海外移住は無理……」という方は、むしろ子供よりも自分たちの生活や仕事に対しての不安が大きいのではないでしょうか。
子供の将来のために、海外移住が絶対におすすめの理由!
ここ10~20年で東南アジアは見違えるように発展しました。いままで移住先としては見向きもされなかったベトナムやカンボジアが台頭し、現在では日本人から見ても大規模のイオンモールが市街地に複数オープンしています。
特にベトナムは日本のバブル期を彷彿とさせる発展を見せて、欧米人、日本人ともに多く暮らしているため、インターナショナルスクール、日本人学校ともに完備。日本人が暮らすに不足するものはまったくありません。
その他シンガポールやマレーシア、タイのバンコクなども子供連れ日本人家族の定番の移住先。物価が安いため多少の贅沢ができますし、ストレス社会から解放されるので、子供と一緒にいれる時間も増えて、充実した海外ライフを満喫できます。
子供の教育にとっても海外移住は非常におすすめ。現地では自分たちも外国人のため、世界各国の友人を作ることができます。
見聞が広がるだけではなく、幼少の頃から外国語に親しみを覚えることによって、英語はもちろん、3言語、4言語と覚えることも普通に可能です(現地の学校では言語は選択制。
インターナショナルスクールに入れば公用語の英語にプラスしてさらに1~2言語選択)。そのため、本当に子供の将来のことを思うならば、むしろ早期海外移住を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
海外移住における子供の学校事情と問題・解決のまとめ!
子供連れ家族で海外移住。すべきこと~国選び編
子供連れの家族で海外移住を本格的に計画するに至った場合、まず最初にすべきことは、移住先の国選びですね。アジアか欧米になるかと思いますが、いずれにしても都心部と田舎では口が違うかのように環境が異なるため、都市選びも重要です。
国を選ぶ際は、「仕事の見つかりやすさ」、「政治の安定度」、「親日度」などを基準に選んでみてください。また、端的に「日本人旅行者数もしくは日系企業数が多い国及び都市」を選べば、上記の3つの要件は往々にしてクリアしているはずです。また、幾つか都市の目ぼしを付けたら、次は下記項目も見てみましょう。
- 日本の食材を販売するお店やスーパーの有無
- 日本人学校・インターナショナルスクールの有無
- 日本人町あるいは外国人町の有無
- 日本食レストランやコンビニの有無
日本人が多く暮らす都市であれば、大抵は上記項目はすべてクリアしていることでしょう。ただし、仮に上記1つでも抜けている場合は、多少の不便さを感じることもあるかもしれません。
子供連れ家族で海外移住。すべきこと~手続き編
子供連れ家族で海外移住国・都市を決めた後は、実際に移住の手続きをすることになります。どうしても海外移住というと大げさで複雑な印象を受けますが、実のところ非常にシンプルです。これは日本だけではなく、どの国にも言えることなのですが、基本的に国というのは、出国に対しては寛容で、入国に対して厳格となります。
日本で行う手続きは主に下記。
- 海外転出届
- 翌年の住民税などの支払い
実はこの2つだけ。また、海外転出届を出すと、日本の住民票を抜けることになるので、この時点で翌年以降の税金、国民健康保険と年金の支払い義務がなくなります。
ただし、子供がいる家族は、海外にしっかりと定住できるまでは、海外転出届を出さずに、税金を払い続けるのがおすすめ。
また、日本に帰国の際に病院にかかりたいのであれば、国民健康保険を維持するためにも税金を払い続けるのも一つの方法です(実際は違法性がありますが、現実問題として多くの移住者が同様の手を使っています)。
また、住民税や市税は前年が翌年にかかってきますので、海外移住をする際は、市役所で残りの税金を支払うことになります。
ただし、それに間に合わない場合は、後日郵送で自宅に支払い書が送られてきますので、日本にいる親族に代理で支払いを頼むのもいいでしょう。コンビニなどで支払うことができます。
1年未満で帰国する可能性があるならば、住民票は抜かない
最初は本当に海外移住ができるか分かりませんので、移住後の1年間は住民票を抜く必要はありません(=海外転出届を出さない)。日本では学齢簿というものを学校側が付けていて、市町村は子供の学校の在籍の有無を確認しております。
仮に住民票を抜いてしまうと、学校側は除籍とみなし、学齢簿が子供を削除することになりますが、1年未満であれば欠席扱いとして、学齢簿から削除はしません。帰国後にスムーズに学校を再開させるための手段ともなりますので、親御さんはよく覚えておきましょう。
子供連れ家族で海外移住。すべきこと~渡航・移住編
子供連れ家族で海外移住先及び国内での手続きを終えたあとは、航空券を購入して移住先に渡航するのみ。航空券は片道となります。往復を購入した方が安いため、往復航空券を購入後に帰国分を破棄するのは違反となりますのでご注意ください。
また、移住先の住居が決まるまでは、ホテルやレジデンスに暮らすといいでしょう。現地には複数の日系不動産屋が必ずあるので、日本人もしくは日本語が話せる現地人が住居探しの対応に当たってくれます。当日もしくは数日中に理想の物件を見つけることができるでしょう。
居住先は子供が通う学校近くがおすすめ!
居住先を決めるときは、子供の通う学校近くがおすすめです。できることなら徒歩圏内を探しましょう。電車を乗り継ぐこと自体は子供一人でも難しくありませんが、東南アジアは日本のように歩道橋や横断歩道が整備されていなかったり、交通ルールを守らない車やバイクも多いので、子供の一人歩きは危険です。
また、欧米は信号のないラウンドアバウトが多いので、こちらも慣れないうちは危険です。アジアでは両親が毎日子供の学校送迎をするのも普通ですが、外国人からすると、ちょっと厳しいものがあります。
子供連れ家族だからこそ海外移住を!
昨今は海外移住を進めるセミナーなども大分増えてきましたね。何よりも現地でリクルートのような仕事紹介会社がここ数年でアジアで圧倒的に増えてきたため、身一つで移住しても仕事がかなり見つかりやすくなったのもおすすめできる要因の1つです。
子供連れの家族だからこそ、日本だけではない新しい生き方を見つけてみてはいかがでしょうか。きっといままでの生活とは異なる幸福感をもたらしてくれるはずです。