プロライターとして活動するからには取材案件は必ず経験するものです。自分のスキルアップにも繋がりますし、報酬も悪くありません。
ここではライターが行う取材の種類と実際の報酬事情を詳しくご紹介します。
プロライターは記事だけではない。取材が必ず必要
プロライターとして活動する場合、Webライターであったとしても取材案件は必ず経験するべきと言えます。取材経験があるとポートフォリオに記述するだけで実績に箔が付きますし、その後の記事報酬の単価交渉も容易となります。
取材と言えば「難しい」、「専門スキルが必要」といったイメージがありますが、きちんと準備しておき、当日の立ち回り方を知っていればそれほど難しくはありませんし、数回程度取材するだけで、自分がイニシアティブをとってインタビュー対象者を先導することもできるようになります。
取材の報酬事情を解説。記事作成案件との比較
プロのライターも月の稼働日のほとんどは記事作成に費やされます。自宅やカフェ、コワーキングスペースなど場所はライターによって異なりますが、基本的にライターは良くも悪くも「書いた分だけ収入がもらえる」職種となるため、記事を書く実働時間は多いことに越したことはありません。
しかし、通常のWeb記事が文字単価2円程度の報酬だとすると、取材案件は5円~20円程度が相場となります。ただし、注意してほしいのは「文字単価20円の報酬は不定期案件」ということです。例えば1年に一度の案件であったりと、何かしらの企画ものがほとんどです。
一方で連載となると取引先も経費を抑えたいため、このような高額な文字単価を提示してくれることはありません。
また、中には「取材の連載」もあります。例えば人材紹介会社のサイトで掲載企業の社長にインタビューをとったり、飲食店のグルメ取材などは数日おきに取材をこなさなければなりません。
では、これらの取材報酬が通常のWeb記事の文字単価と比べて非常に高いのかというと、実はそんなことはありません。
取材は通常1つの案件に対して「準備に半日、取材とデータ整理に1日、記事作成に1日」と2.5日ほどかけて行います。そのため、仮に通常のWeb記事の2倍の報酬をもらったとしても、普通か少し割安となってしまいます。
取材の難易度や掛かる時間によっても報酬の計算方法や考え方は異なるので、まずは自分の業界における取材内容と報酬相場を知ることからはじめてみるといいでしょう。
新型コロナ後はZoomの取材が定番化
新型コロナ以降は対面におけるインタビュー取材が自粛され、Zoomのようなオンライン会議システムを用いた取材が浸透しました。
新型コロナが落ち着いたいまでもZoomを推奨している企業は多く、取材先に行かないため移動費の節約ができます。
ただし、企業によっては「自宅でインタビューできるんだから」という理由で報酬の減額を要求するところも少なくありません。
確かにライターにとっても移動する手間は省けますが、事前準備やインタビュー時間、記事作成時間は対面でもZoomでも変わりありませんので、毅然とした態度で正当な報酬を要求するようにしてください。
プロライターが知っておくべき取材の種類
ライターの経歴が浅い人や、副業のWebライターから本業に転身した人が取材の仕事を受ける場合は、主に以下の3つの種類となります。
1.最も一般的な対人「インタビュー」取材
取材と言えば多くの人がイメージするのが対人のインタビューではないでしょうか。業界によってインタビュー対象者は異なりますが、Web記事を求める多くの業界で必要とされている取材方法です。
一般的には最初のアポイントメントは取引先の担当者が行ってくれるので、指定された日時にインタビュー対象者と落ち合って取材します。
取材にあたる質問事項やレコーダーなどは事前に準備しなければなりません。会社の代表や飲食店の店主にインタビューする場合は、事前に会社/お店ホームページを調べて経営理念などを調べて、インタビュー対象者が辿ってきた軌跡を少しでも理解しておくようにしましょう。
2.取材の中では最も割のいい「店舗・エリア」取材
取材の中ではおそらく最も難易度が低く、それでいて最も割のいいのが「店舗・エリア」取材です。飲食店や商業施設の内外観の写真撮影や観光地の町並みや名所の撮影が主な取材内容となります。
アポイントの必要や誰かをインタビューすることもありませんので、基本的に自由にスケジューリングができます。
例えば、旅行ライターであれば1つの名所に対して100~200枚ほど撮影して写真をストックしておけば、複数の旅行会社や観光サイトに記事を書くことができます。
案件が発生していないうちに取材をする場合、移動費や宿泊費などは自腹となります。個人事業主であれば経費申請ができますが、10割申請するとまずいケースもあるので注意してください。
3.カメラスキルが求められる「製品・商品の撮影」取材
「製品・商品の撮影」は雑誌など紙媒体に掲載するときはプロのカメラマンが撮影に当たりますが、ネットにアップする写真であれば、記事作成と一緒にライターに撮影依頼をするのが普通です。
飲食店であれば料理撮影、ECサイトであれば物販商品撮影、旅行先であればお土産撮影などが主な被写体となります。
近年はiPhoneのような高画質撮影ができるスマホも増えてきましたが、解像度が低いため一眼レフやミラーレスには品質が劣ります。
依頼主が写真の品質を求めるようならば、レフ版・照明ライト(カメラのフラッシュライトでも可)は準備しておくのがよさそうです。
近年は動画撮影取材も増加中
近年はYouTubeの普及もあり、動画撮影取材も増えてきました。企業が動画マーケティングに注力を始め、自社の製品・サービスのPRに動画を使う手法は今後も増えてくることでしょう。
ホームページに投稿する場合は動画と併せて記事作成も必要となるので、ライターが動画撮影と編集ができれば、併せて受注することもできます。
高額な取材案件を受注する方法とポイント
上記で紹介したように、取材案件といっても業界や手段・方法によって報酬は大きく異なります。そこで、以下ではライターが高額な取材案件を受注する方法をご紹介します。
Web記事の取材であればベテランである必要はなく、「立ち回り」が重要であることを覚えておいてください。
取材の案件は自分で提案する
ある程度プロライターとしてキャリアを積むと、取材の仲介業者と知り合ったり、既存顧客から取材の相談が来るものです。
一方で副業から本業に転身したばかりのライターが高額な取材を受けたい場合は、「自分から提案する」のが近道です。
ポイントは、単にメールで提案するのではなく、パワーポイント等を駆使してしっかりとした提案書を作成することです。
「なぜ取材による記事作成が必要なのか」、「取材による記事作成の効果」、「おおよそ必要となる記事数と予算」などをできるだけ具体的に資料に織り込んでみると説得力が増します。
まとめ:取材は必須ではないがライターのスキルアップに貢献してくれる
今回はWebライターが受注できる取材の種類や報酬事情、高額で案件を受注するポイントを紹介しました。Webライターにとって取材は必須の仕事内容ではありません。しかし、仕事自体は複数回こなせば慣れますし、文章を書く以外の自身のスキルアップにも繋がります。
将来を見据えて長くライターを続けていきたいのであれば、月に1度くらいは取材を受けてみるのもいいかもしれません。