国内・海外旅行好きの中には、就職先にも旅行に関わる仕事を志望する人が多くいます。しかし、単に旅行会社に就職しても、海外支店勤務や観光地への出張がなくずっと窓口業務であれば、フラストレーションが溜まってしまうものです。
そこで、ここでは旅行関連の仕事事情をはじめ、本当の旅行好きにおすすめしたい「旅行ライター」の仕事内容と就職方法を解説します。
国内・海外旅行好きのおすすめの就職・転職先とは
「学生の頃は頻繁に旅行に行った。就職先でも旅行したい」、「少しでも仕事中に旅行ができる業界ってどこ?」といった疑問を持っている人も多くいます。一般的に旅行好きの人がまず就職先として検討するのは“旅行会社”ではないでしょうか。
しかし、昨今は新型コロナの影響で一時的に観光市場が縮小し、旅行会社をはじめ観光関連の業界も相次いで規模を縮小し人件費の削減を図っています。今後数年は旅行会社への就職は難しいことが予想されますし、仮に就職に成功しても、実際どの程度旅行に携われる業務に就けるかも不明です。
女性が海外に行ける仕事は何?どんな業務内容?
旅行関連の仕事に就いても実際観光地に行くことはできず、女性の場合はほとんどが事務所勤務となります。では、その中でも海外に行って仕事ができる業界・業種とは何が考えられるのでしょうか。
いろんな国に行ける仕事は「商社」と「メーカー」
業界問わず「商社」と「メーカー」は現地における市場調査や調達先との折衝、抜き打ち検査などが必要となるため、海外に出張する機会は非常に多くあります。ただし、あくまでも出張ベースとなりますので、中長期の海外赴任を求める場合は、ある程度キャリアと役職を積み重ねなければ難しいでしょう。
また、いろんな国に行ける業界の1つに「物流・輸出入」があり、こちらは海外現地赴任が可能となります。給料も悪くないですし、望むのであれば期間の指定なく長期にわたって海外に住み続けることもできるのですが、往々にして輸出入業務を行う港付近に駐在するため、アジアの生活はかなりシビアとなります。
旅行関連の仕事への就職はデメリットも多い
一方で旅行業界への就職を検討している人は、下記で解説するデメリットもよく理解した上で転職を吟味するのが良いでしょう。就職した後になって「こんなはずじゃなかった」とならないように、業界調査は欠かしてはなりません。
1.現地では休みがないため観光を楽しむ時間がない
旅行会社のマーケティングや企画戦略といった部署に就職できれば、国内・海外と共に観光地に出張する機会は恵まれます。しかし、上記で紹介したメーカーや商社と異なり、数日の短期滞在となることがほとんどのため、海外に行くことはできても仕事三昧で観光する時間はないのが現状です。
また、出張が土日に跨ることもあり、休みがなかなか取れないと嘆く旅行会社勤務の人も少なくありません。
2.就職しても海外に配属される機会はなかなか巡ってこない
旅行関連会社に就職することができても、必ずしも国内・海外の観光地に出張できる部署に配属されるとは限りません。特に昨今は経費削減のため出張の回数を減らし、Zoomのようなオンライン会議システムを駆使する事例も増えてきました。
海外出張をしたい、国内の観光地で勤務したい、という理由で旅行会社に就職するのは時期尚早と言えるかもしれません。
3.ツアーガイドなど体力仕事が多い
女性に人気の職種として挙げられる「ツアーガイド」や「ツアーコンダクター」は、現地ツアーを作ったり、海外現地の提携先と打ち合わせをするために定期的に国内外への出張を欠かしません。
しかし、いずれの職種もイメージとは裏腹に体力仕事であることが挙げられます。特にツアーガイドはツアー参加者一人ひとりを管理しなければなりませんし、旅程の確認に追われてツアー中は毎日深夜まで残業することになります。
国内外の旅行好きにおすすめの「旅行ライター」とは
あまり聞き慣れないかもしれませんが、「旅行ライター」は2000年以降に知名度を上げている人気の職種です。旅行予約サイトや観光情報サイトを運営している企業に対しては正社員として就職することができますが、一般的にはフリーランスとして個人で活動する人が圧倒的に多いです。
旅行ライターの主な業務内容は「旅行先に赴き、観光取材・記事の作成をする」こととなります。本業はライティングのため、記事作成が日常のメインとなりますが、市場調査や店舗調査、Instagramの更新といった案件もあるため、1年中部屋にこもって文章を綴るわけではないことは留意してください。
仕事先も多岐に及ぶため収入・生活の安定化が早い
旅行ライターの取引先(依頼主)は旅行会社が多いのは事実ですが、旅行関連以外にも市場調査会社・不動産会社・製造業・IT企業など、海外諸外国や観光地に支店・業務を持っている業界も潜在的なクライアントとなります。
上述したように、旅行ライターの業務幅は多岐にわたるため、収入経路を作りやすく、早期の生活の安定化を図ることができます。フリーランスや個人事業主と聞くと、「生活が安定しない」、「将来が不安」という声を聞きますが、旅行はコロナのように一時的に需要が縮小することはあっても廃れることはないため、将来にわたって市場規模は保証されていると考えて差し支えないでしょう。
旅行ライターは国内よりも海外旅行好きにおすすめできる理由
旅行ライターは国内と海外双方に高い需要を誇りますが、どちらかというと海外の方が安定した仕事の受注が期待できます。
国内向けに記事を書いている旅行ライターは海外ライターと比較して人口が多く、またブロガーやユーチューバーといったインフルエンサーの存在感が大きいため、駆け出しのライターは最初の案件の受注に躓く可能性があります。
一方で海外旅行向けのライターは数多くいるわけではないため、現地の最新情報記事を書くことができれば、長期的に契約してくれる取引先を複数社見つけることはそれほど難しくはありません。
旅行ライターに就職する方法と最初にやるべきこと
旅行ライターはフリーランスとなるので、名刺を作ったその日から就職することができます。取引先はライター以前の職歴には興味がありませんので、履歴書や職務経歴書の作り込みはほとんど不要です。ただし、求められる場合も考慮して作っておくことはおすすめします。
また、案件の受注自体はクラウドワークスやランサーズ、ココナラのようなクラウドソーシングサイトを利用することにより、早ければ即日に受注することもできます。
ただし、ここに登録している企業は低単価のライターを探しているところが多く、また、受注にあたっては運営元に20%強の手数料を払わならなく、これはフリーランスにとってはかなり大きな割合です。
そのため、最初の数か月間は利用するのもいいですが、できるだけ早々に自力で顧客を見つけられる手段を養うべきと言えます。
旅行ライターの案件を受注できるようになったら「ポートフォリオ」を作る
旅行ライターの仕事を受注できるようになってきたら、徐々に「ポートフォリオ」を作りましょう。旅行ライターの取引先は、ライターを書類選考する際に履歴書や職務経歴書の代わりに「実績」を求めます。
ポートフォリオは旅行ライターの実績や略歴を端的に表したものとなるので、出来栄え次第では主婦や副業のライターと大きな差別化を図ることができるので、書類選考はほぼ100%通過することができるようになります。
まとめ:旅行そのものを仕事に。「旅行ライター」のすすめ
国内や海外の旅行関連・観光地に間接的に携わることができればいいのであれば、冒頭で紹介した商社やメーカー勤務でも可能性はありますし、旅行会社でもいいでしょう。
しかし、旅行そのものを仕事にして、なおかつ観光地の勤務が希望であれば、旅行ライターが一押しとなります。旅行好きの方は、是非旅行ライターを検討してみてください。