海外移住先を決めかねている人の多くは、「英語や現地語に不安がある」ようです。確かに国によっては英語ができないと暮らしに大きな問題が出るところもありますし、実際に語学力不足のために海外生活を挫折し、帰国をする人もいます。
そこで、ここでは日本語のみで海外移住を成功させるポイントやおすすめの国をご紹介します。
海外移住希望者は増加しているが、言語の壁に悩む人も
近年は多くの日系企業が海外に進出しているため、駐在員含めて海外在住者は軒並み増加傾向にあります。一昔前までは海外移住と言えば「老後のセカンドライフ」、「シニアライフ」などと呼ばれていましたが、昨今は学生インターンをはじめ、20代、30代の若い人の海外移住が非常に多く目立ちます。
しかし、海外移住を希望している人の中には、「言語(外国語)」が相変わらず大きな障害となっているようです。
海外移住希望者は外国語ができなければ移住できない?
では、海外移住希望者は、やはり外国語スキルは必須なのかというと、実はそんなことはありません。「外国に住むのだから英語や現地語は必須でしょう」と考える人は多いことでしょうが、実際は必ずしも必須ではなく、生活方法によっては英語をまったく必要としない環境に身を置くことも十分可能です。
英語や現地語含む外国語は、あくまでも現地の人々とのコミュニケーションの手段の1つでしかないことは覚えておいてください。
英語と現地語の学習はどちらが重要か
もし英語圏ではない国へ海外移住するのであれば、現地語を学習する方がおすすめです。現地語を話すことができれば、ローカルな人たちとも会話ができますし、仕事においても優位性を持つことができます。
一方で、駐在員や現地起業家のような、ビジネス目的で海外移住を果たし、数年後は日本へ帰国、または第三国へ移住するつもりであれば、現地語よりも英語の方が将来的に応用が利いていいかもしれません。
日本語のみで海外移住はできるのか
では、今回の本題である「外国語スキルがまったくない人が、日本語のみで海外移住を成功させる」ことはできるのでしょうか。
まず、英語スキルがまったくない人は、英語圏への居住はおすすめしません。特にヨーロッパ圏は英語か現地語ができないと、周囲に助けてくれる人がいなく、どうすることもできなくなってしまう可能性があります。
また、現地語を覚えるにしても、ドイツ語、フランス語、イタリア語といった言語は日本人が苦手な声調を大切とするので、英語以上に覚えるのは苦労します。
そのため、日本語のみで海外移住をするつもりならば、最初はアジア圏を選ぶといいでしょう。
アジア圏だと日本語のみで海外移住ができる理由
アジア圏は昔から多くの日系企業が進出しているため、現地に身一つで海外移住をしても、職に困ることはありません。また、アジア現地では日本は現地人を雇用する側となるため、こちらが現地語を話すのではなく、従業員に日本語を話してもらうことも可能です。
厳密には社内の公用語は英語か現地語ですが、日本人には日本語ができる現地人の秘書が付きますので、彼に通訳してもらうことで、こちらは英語も現地語も習得する必要はなくなります。
日本語のみでも海外移住ができるおすすめの国と日本語事情
アジア圏の中でもおすすめしたいのは東南アジアとなります。韓国や中国は既に多くの日本人が現地で暮らしていますが、いずれも近年は国際摩擦の影響が少なからず見受けられます。
一方でここ20年、日本は多額支援を東南アジア諸国に注いでいるため、親日度は非常に高く、日本人というのみで大抵の現地人は良くしてくれます。
エスニックな雰囲気の「マレーシア」
多民族が暮らすマレーシアは、2000年代初めにシニアライフ先として注目されましたね。中心都市のクアラルンプールは電車も通っていますし、ショッピングセンターや国際病院、インターナショナルスクールなどもあるため、海外移住者が末永く暮らすことができます。
現地で日本語が通じる割合はそれほど高くはありませんが、大抵の日系企業は日本語が話せる従業員を雇っています。また、マレー語は日本語に近い発音となるため、英語も聞き取りやすいのが特徴です。
治安良し、物価安の「ベトナム」
日本人が旅行先としてベトナムに注目しはじめたのは、2000年代と比較的最近の話。ベトナムの首都ハノイ、及び南部商業都市ホーチミンは、東南アジアを代表する大都市に成長しました。
ベトナムはマレーシアやシンガポール、タイと比べると、まだまだ発展途上ですが、その一方で治安が良好で物価も安く、15~20万円程度の月収で贅沢な海外移住生活を満喫することができます。
また、日本人町は観光の中心地にあり、町中を歩くとあちらこちらで日本語が飛び交っています。
東南アジアで最多の在住日本人数「タイ」
2022年時点でタイには7万5000人以上の日本人が暮らしており、東南アジア諸国の中では最多を誇ります。昔から日本人の旅行先として人気があり、首都バンコクには大規模な日本人居住エリアもあります。
現地では日系ショッピングセンターをはじめ、和食店や輸入雑貨店などが多く、日本食にも困りません。
日本語のみで海外移住を成功させる秘訣
上記では日本語のみでも豊かな海外移住生活を実現できる、おすすめの国をご案内しましたが、もう少し具体的に海外移住を成功させる秘訣をご紹介します。
日系企業に就職し、日本人町に居住
上述したように、東南アジア圏の最大の特徴は、現地に多くの日系企業があることです。また、日本人が多く暮らす都市には、必ず1つか2つ、日本人町が存在します。
日本人町に居住をすれば、現地事情で分からないことは日本人に聞くこともできますし、お店の多くは日本語を話せる現地従業員を配置しているので、安心感もあります。また、アジアの都市であれば、日本人がいる不動産会社もありますので、最初の衣食住の情報は彼らから得るのがいいでしょう。
フリーランスとして生計を立てる
日系企業では、英語や現地語スキル不問の採用枠も多くありますが、それでも日本語のみしか話せない場合、営業や事務といった職種に限られるため、高い給与は望めなく、平均月収は1200~2000ドルとなるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、会社に属することなく、個人事業主として生計を立てる「フリーランス」です。フリーライターとしてWEB記事を書くだけでも12~15万円は手堅く稼ぐことができますし、デザインやエンジニアのスキルがあれば、より安定した収入を得ることができるはずです。
トラベルライターは日本語のみで仕事が可能
海外移住先の全国各地の観光地を回るトラベルライターならば、日本語のみで仕事を請け負うことができます。依頼主は日本の旅行会社が主ですし、現地の取材先であるお土産店やスパ、ホテルには大抵日本人か日本語が堪能な従業員がいます。
WEBライティングのカテゴリーの中では報酬単価が高い方ですし、現地ライターとしてある程度知名度が高くなれば、ガイドブックや書籍の寄稿依頼も来ることでしょう。
日本人旅行者数が多い都市に移住するのがおすすめ
トラベルライターの依頼を積極的に請け負いたい場合は、日本人旅行者数が多い都市に移住するのがおすすめです。アジア圏であれば中国と韓国が最多となりますが、いずれも古くから日本人に知られている移住先のため、ライバルも少なくありません。
一方でマレーシアのクアラルンプールやタイのバンコク、ベトナムのハノイ、インドネシアのバリ島といった都市であれば、まだまだ参入の余地は残されています。ただし、問合せを待っていても仕事を受注することはできませんので、自分から積極的に旅行会社等に営業をかけることも大切です。
日本語のみでも海外移住は問題なし!移住先国を吟味しよう
今回ご紹介したように、海外移住に当たり、日本語は必ずしも必要とするわけではありません。しかし、日本語のみでも海外移住を成功させることができるのは、あくまでもアジア圏に限ったこととなるので、最初の移住先国の選択には吟味が必要です。