トラベルライターとして日々旅行記事を執筆するに当たって、ある程度は記事の書き方を覚えておくと、効率よく規定の文字数を書きあげることができます。
日本語がネイティブであれば、基本的に文章自体は誰もが書くことができますが、規定のテーマに沿って決められた文字数を納期内に指定された数の記事を納品するのは、やはりアマチュアではできないプロの技術となります。
ウェブライティングの場合はSEOを意識する
SEOとは、簡単に言えばGoogleでキーワード検索をしたさいに、検索順位の上位に表示される対策を指します。SEO対策は内部と外部の2種類に分けられていて、コンテンツ制作はこのうちの外部SEOの括りとなります。
一昔前までは内部対策が重要とみなされていましたが、昨今は「コンテンツは王様」と呼ばれるように、コンテンツ=記事がSEOにとって最重要の要素となっております。
そのため、クライアントはトラベルライターの書く記事の質をより一層重要視する傾向にありますし、単に「旅行記事を書けます」だけではなく、「SEOに則した旅行記事を書くことができます」というトラベルライターの方が重宝される傾向にあります。
ウェブライティングは記事の構成がある程度決まっている
トラベルライターの生活の柱となる旅行サイトの記事の執筆ですが、基本的な記事構造というのは決まっています。
- 記事タイトル
- 要約文(ディスクリプション)
- 見出し
- 写真
- 文章
- 内部リンク
上記の流れはウェブライティングにおいて、すべてのサイトに共通している構成となります。
SEOから見る構成
上記1~6をSEOの観点から見ると、記事タイトルは32文字以内、要約文は120文字以内、見出しはh2タグ、小見出しはh3タグ、内部リンクはブログカード、もしくはテキストリンクで対応、といった構成となり、こちらもどのサイトにおいても共通している内容となるので覚えておくといいでしょう。
トラベルライターは質のいい旅行記事を書くことが大切ですが、ウェブライティングの場合、結局のところ誰かに読んでもらえなければクライアントとしては書いてもらった意味がありません。そして、誰かに読んでもらうためには、Googleの検索順位の上位に表示される必要があります。SEOはそのための施策となります。
記事を書く前に構成を考える必要はある?
ウェブライティングでも雑誌や本といった紙媒体への執筆であっても、記事を書く前にざっくりとした全体の構成を考えることは自分のスキルアップに繋がります。一般的に1つの記事の文字数は1500~3000文字程度となります。
400字詰原稿用紙換算だと4~7枚程度となります。最初は時間がかかるかもしれませんが、この程度であれば2~3時間程度で書きあげなければ、トラベルライターとして安定した収入を確保することは難しいと考えてください。
また、記事の書きだしに当たっては上述したように前もって考えていた構成に見出しや文章を当てはめていきますが、1500文字程度であれば、わざわざ紙やワードファイルなどに構成内容を書きだす必要はなく、頭の中で見出しを想像しながら書けるようになるのがベストです。
3000文字以上になると、もう少し具体的に構成(書く内容)を考えておかないと、2000文字辺りで「もう書くことがなくなった」、「文字数を稼ぐために本筋から大分逸れてしまった」といった問題が発生して、最悪書き直さなければならない事態になることもあります。
長文の記事を書く場合のポイント
場合によっては競合サイトとの差別化を図るために5000~1万文字程度の大きな記事をクライアントから要求されることもあるかもしれません。報酬にすると1文字2円だとしても1~2万円となるので、1日で書き上げることができれば、日給換算では悪くない案件と見なすことができます。
では、1万文字前後の大きな記事を書く場合は、どのようなポイントを押さえながら記事を書くのがいいのでしょうか。
構成では見出し毎の内容と文字数をメモする
構成はワードファイルなどで書きだすといいでしょう。記事タイトルをはじめ、見出しと小見出し、また見出し毎にどんな内容の記事を書くのか、どのくらいの文字数かもこの時点で考えておくといいでしょう。
5000~1万文字の場合、プロのライターでも記事を書きあげるのに丸一日がかりとなります。そのため、記事を書いている途中で、当初書く予定だった見出し内容を忘れてしまうことを避けるため、しっかりと執筆する内容はメモしておく必要があります。
記事タイトルを一度読んだ後に、見出しを作る
5000~1万文字レベルとなると、文章を書いている途中に「あれ?そういえば何のことに対して記事を書いているんだっけ?」とそもそもの記事のテーマがぼやけてしまうことがよくあります。
記事タイトルと本文の内容が著しく異なる場合、SEO的にも不利となり、検索順位の下落に繋がります。そのため、見出しを作る前は、必ず記事タイトルを見直して、関連するキーワードを入れた文章で構成するようにしましょう。
段落(ブロック)を集めて1万文字を作るイメージを持つ
プロのライターは、1つの記事タイトルが1万文字で構成されていると考えるのではなく、10~20程度の段落を集めて1万文字にするとイメージしながら執筆をします。
例えば1万文字の記事を20個の見出しで構成するのであれば、1つの見出し(段落)に対してはたったの500文字を書けばいいだけです。500文字の記事を20個書いて、それをまとめて1万文字にするのであれば、ビギナーのライターでも作ることができるのはないでしょうか。
自分の中でフォーマットは作らない
旅行記事というのは、観光地の概要や行き方、魅力を伝えるスポット記事と、国や都市の概要、交通事情などを伝える情報記事の2つに分けることができます。
旅行会社や観光サイトの記事を読むと分かるように、大抵の記事は「①アクセス方法、②概要、③見どころ、④営業時間などの観光情報」と見出しのフォーマットが決まっています。
もちろん必須の情報というのはありますが、基本的にトラベルライターに求められるのは『現地の臨場感』です。できるだけ型にはまらず、オリジナリティを重視した記事を書くように心がけましょう。
記事タイトルは読者を意識する
トラベルライターは好きな記事を書けばいいというものではなく、ニーズがある記事を常に意識して書く必要があります。
ニーズがある記事とタイトルを決める方法としては、①検索ボリュームを見る、②サジェストキーワードを見る、の2つが挙げられます。検索ボリュームというのは、簡単に言えばクリック数です。キーワードプランナーというGoogleが提供しているツールを使用することで確認することができます。
サジェストキーワードとは、Googleの検索窓にキーワードを打ち込むと、予測変換でよく検索されているキーワード候補があがってくることがありますが、このキーワードがサジェストとなります。検索ページの下部にも表示されます。
このように検索ボリュームやサジェストキーワードを調べながら、クリックされやすいキーワードを繫げて記事タイトルを作るのがベストと言えます。
次の旅行で行ってみたいと思ってくれる記事を書こう
トラベルライターは本当に毎日のように旅行記事を書くことになるので、段々と書く内容が似通ってしまう傾向にあります。そのため、記事を書く際は、その先に読んでくれる読者を意識して、「次の旅行で行ってみたい!」と思ってくれるような感性溢れる文章を紡いでください。