フリーランスが収入増を考える上でオウンドメディアの運営は必須です。そこで、今回はオウンドメディアを運用・成長させるポイントやサイトを通じた稼ぎ方を紹介します。
フリーランスはマッチングサイトだけでは稼げない
デジタル系の業務を請け負っている多くのフリーランスは、クラウドソーシングと呼ばれるビジネスマッチングサイトを利用して仕事の引き合いを探しています。しかし、マッチングサイトを長年使っていると、以下のような弊害も日々実感するようになるでしょう。
5年10年経っても収入が増えない。単価が上がらない
クラウドソーシングは仕事を依頼する企業が予め報酬金額を提示し、それに対して受注するか否かを決めるのが通常です。しかし、依頼する企業は少しでも安くアウトソーシングを試みたいため、フリーランスが「割が良い仕事」と思えるような金額に設定してくれることは稀です。日本は長らくインフレしていないため、5年10年経っても報酬金額が同じであることが予想されます。
常に多くのライバルに競り勝つ必要がある
大手のクラウドソーシングを利用すると、1つの案件は10~30人ほどの同業者が応募します。採用されるのは若干名となるので、倍率は10倍を優に超えます。毎回仕事を受注する度に競合に競り勝たなければならないのは、精神的にもしんどいものがありますし、何よりも安定した仕事の確保ができません。
フリーランスがオウンドメディアを始めるメリット
オウンドメディアとは自分(自社)が運営するデジタル媒体を指します。企業のコーポレートサイト、自社通販サイト、個人のブログサイトなどがオウンドメディアの代表となり、広義ではFacebookやInstagramといったSNSもオウンドメディアに含まれます。
では、これらのオウンドメディアをフリーランスが運用するメリットを以下に解説します。
自分のブランディング&競合不在で案件獲得
すべての企業がコーポレートサイトを運営している理由は自社のブランディングです。自社製品や情報を発信することでデジタルマーケティングを成功に導きますが、これはフリーランスでも同様。自分のキャリアやポートフォリオを掲載することで、マッチングサイトでは書き切れないPRが可能となります。また、オウンドメディアに問い合わせをくれる企業は、自分のキャリアや実績に魅力を感じてくれたから依頼をしているので、案件を獲得できる確率はぐっと高まります。
サービス終了の心配がない
マッチングサイトのようなサービスは年々参入企業が増加しています。大手であっても一度の事業方針の失敗で撤退を余儀なくされることもあるでしょう。ずっと利用していたマッチングサイトがサービス終了してしまうと、来月からの収入も途絶えてしまいます。
一方でSNS以外のオウンドメディアは自分で管理するWebサイトとなるので、サイトの閉鎖の有無は自分次第となります。
顧客と対等に商談できる=希望報酬に近づける
オウンドメディアから問い合わせする顧客は少なからず自分のサービスに興味があるため、マッチングサイトにありがちな相場を大幅に下回る買い叩きがほとんどありません。最初にこちらの希望報酬を伝えて、相手にとって予算を超えてしまうようであれば、そこで初めて値引き交渉をすると良いでしょう。
フリーランスがオウンドメディアを運用するデメリットと注意点
一方でフリーランスがオウンドメディアを運用するにあたり、デメリットも幾つかあります。エンジニア等サイト運営と制作に慣れている人であれば問題ありませんが、ITリテラシーに乏しい人は、以下の注意点を覚えてください。
オウンドメディアのセキュリティ&メンテナンスは自分でやる
オウンドメディアを持つと、サイトのセキュリティ管理やメンテナンス、サーバーの維持などはすべて自分でやらなければなりません。サイト制作者に任せることもできますが、余計な費用が掛かってしまいますし、サイトやサーバーのログイン情報は安易に他者に教えるものでもありません。
ちなみにサイト&サーバー維持費の目安は以下の通りです。
- サーバー費用:年間1万~1万8000円
近年はインフレが世界で激しく、サーバー維持費も値上がりしています。しかし、日本で提供されているサーバーは非常にセキュリティが強固ですし、無料バックアップや無料マルチドメインなど、他国と比べるとサービスが優秀です。 - ドメイン費用:年間2000~4000円
サイトのURLに該当する部分です。1つのドメイン費用は上記の通りそれほど高くはありませんが、複数サイトを運営するようになると、徐々に負担も大きくなってくることに注意してください。
ブログサービスの利用をおすすめしない理由
アメブロやFC2、ライブドアブログといったブログサービスは無料で利用できるため、多くのフリーランサーが運用しています。しかし、これらはSEO対策ができないため、Googleのキーワード検索で上位表示が難しいですし、自分のページを自由にデザイン、レイアウト変更ができないため、ブランディングも困難です。
フリーランスである以上、自分のオウンドメディアには多少なりとも費用をかけて価値を作るようにするのがおすすめです。
ホームページ作成サービスはオウンドメディアにおすすめ?
近年はJimdoやWix、ペライチ等プログラミングの知識不要でホームページを作成できるサービスが増えてきました。サーバーは提供会社のものを使うのでセキュリティの心配は不要ですし、豊富なテンプレートの中からデザインを選べるので、素人が作ったとは思えないお洒落サイトをすぐに運用できるのが特徴です。
ただし、これらのホームページ作成サービスで作るサイトは「複雑なサイトは作れない」、「通販サイトは費用が割高になる」、「SEOに弱い」といったデメリットもありますので、利用する際は検討が必要です。また、これらのサービスで作成したサイトのデザインやコンテンツは外部のCMSにコピーすることができませんので、サイトを移転するときは通常よりも割高な費用が発生します。
フリーランスがオウンドメディアで稼ぐ3つのポイント
フリーランスがオウンドメディアを運用して稼ぐことを考えた場合、以下で説明する3つのポイントに気を付けることで、収益性が上がり、目的と将来性を持ってサイト運営に臨むことができます。
1.ブログの更新日を決める&テーマに沿って記事を書く
趣味でブログを更新するのであればいいのですが、フリーランスがビジネス目的でサイトを運用するのであれば、読者を意識してブログの更新日を決め、毎回テーマに沿って日記にならないように記事を書くのがポイントです。
2.SEO対策の知識を身に付ける
Google検索の上位表示を狙う施策のSEO対策は、Webコンテンツの作成において非常に重要な要素となります。SEO対策の知識を身に付けた上でオウンドメディアを運用すれば、キーワード検索で自分のサイトがヒットするため、早い段階で企業の目に留まります。また、Webライターを目指すフリーランスにとってもSEO対策の知識は必須です。
3.実績(ポートフォリオ)は内容に気を配る
オウンドメディアには必ず自分のキャリアと実績を記載するプロフィールページを作ってください。新しい実績ができれば、随時ページにも項目を追加して最新の情報に更新するべきです。記載されている実績が何年も前の情報だと、閲覧者は「いまはもう仕事していないのかな」、「メール送っても届かないかも」と問い合わせをためらいます。
まとめ:苦手意識を持ってはダメ。まずはブログサイトの運営から
今回はオウンドメディアについて具体的に解説しました。昨今はWordPress等無料で作れるオープンソース型のCMSも普及していますし、フリーのエンジニアに依頼すれば数万円でしっかりとしたサイトを作ってくれます。「Webは苦手だから」と苦手意識を持つのではなく、プロのビジネスマンとして、自社ブランディングのためにまずはブログサイトから運営してみるのはいかがでしょうか。