海外移住を希望される方で、まだ現地で就職先が決まっていないという方は、フリーランスの道を模索してみるのはいかがですか。今回はフリーランスで海外移住をしたときの現地の仕事の探し方、及び収入を安定・向上させるポイントをご紹介します。
海外移住する人の多くはフリーランスの現実
シニアライフではなく、若くして海外移住を模索するのであれば、現地で収入源を見つけなければなりません。一般的に現地で収入を得る方法は、
- 駐在員として赴任する
- 現地採用として現地法人で会社員として働く
- フリーランス・個人事業主として働く
上記いずれかとなります。駐在員はそもそも日本本社での採用となるので、なりたくてなれるわけではありません。そこで、海外移住者は原則現地採用で働くか、フリーランスの道を辿るかのどちらかの選択に迫られます。
フリーランスは現地採用よりも魅力的な働き方
海外移住を希望する20代から40代の男性女性の多くは、海外現地で自由な生き方を望んでいます。現地採用は福利厚生がほとんどないわりに給料が安く、それでいて任せられる仕事は責任が重く、現地在住者の間ではあまり好まれていません。
せっかく海外移住という一つの大きな夢を叶えても、その先に待っているのが日本とまったく変わらない仕事風景であり、自宅と職場の往復の日々であるならば、幻滅してしまいます。
そのため、現地在住者の多くは、「まずはフリーランスで稼げるかを試してみて、駄目ならば現地採用」という考えが古くから根付いています。
海外移住をしたフリーランスの収入源は3つ
海外移住後にフリーランスとして生計を立てると決めた場合、フリーランスの収入源は主に3つあります。
1.日本にある日系企業から依頼を受注する
IT化が進んだ2000年代。いまでは一人一台パソコンを持つ時代となりました。そのため、世界どこにいてもネットを介して日本と繋がることができ、海外移住をしても、現地で日系企業と折衝して案件を受注することもできるようになりました。
日本が長らくデフレに苦しんでいるとはいえ、世界3位の経済大国には変わりありません。日本で得られる収入はとりわけ物価の安いアジア南米圏では非常に重宝し、月十数万円でも海外現地では普通以上の贅沢な暮らしをすることもできます。
仕事の探し方~企業に直接応募がおすすめ
ネットを使って日本にある日系企業から依頼を受注する際、一般的には①マッチングサイトから引き合いを貰う、②自分で企業のHPに問い合わせをする、が挙げられます。
海外移住者のフリーランスにとっておすすめなのは後者。マッチングサイトは確かに引き合いはあるのですが、どうしても相見積もりにかけられるため単価が低くなりがちであるのと、さらに報酬の20~30%に運営側に徴収されてしまいます。
そのため、自分でGoogle検索をして、引き合いのありそうな企業に問い合わせをするのがおすすめです。1~2か月に1件でも継続受注ができれば、それをベースに収入を毎月増加させることもそれほど難しくはないでしょう。
2.海外移住先の現地法人から依頼を受ける
海外移住先に拠点を置く日系現地法人と取引をして、HP制作やSEO記事の更新といった依頼を受注することもできます。相手が経費を持て余しているのであれば、高額で受注できるケースもあります。
また、旅行会社やホテルから日本人旅行者向けの旅行記事を書いてくれ、と依頼されて、そのままトラベルライターとしての道が開かれるケースも決して少なくありません。
仕事の探し方~地道に探す。商談必須
海外移住先の現地法人から仕事を受注したい場合は、ホームページから問い合わせをするよりは、飛び込みの電話でアポイントをとった方が遥かに受注確率が高いです。これは日本に住んでいては分からないですが、海外移住をすると、心理的に日本人の「輪」を大切にするようになります。
企業側からすると、「せっかく日本人がテレアポしてきたんだから、話くらいは聞いてあげるか」と商談の機会を設けてくれるのが常です。もちろん契約に至るかどうかは提供するサービスに依りますが、少なくとも日本で行うテレアポよりはずっと効率的と言えます。
3.起業orネットビジネスで生計を立てる
例えばブログを書いているならば、アフィリエイトやアドセンスで雑所得を得たり、海外居住を強みとした輸出入やフィールドワークといったビジネスを起業するのもフリーランスの魅力となります。複数のビジネスを並行して行い、どれか1つでも芽が出るようならば、従業員を雇って本格的に法人化するのもいいでしょう。
仕事の探し方~信頼できる現地人をパートナーに
輸出入やフィールドワークはもちろん、現地の地場企業を相手にビジネスをするのであれば、必ず必要となるのが、「信頼できる現地人」の存在です。
彼らがいるかいないかでは、海外移住先現地におけるビジネスの成功率に雲泥の差が生じます。できれば日本語を話せる現地人ならなお良し。現地人と知り合える機会を作り、まずは積極的に友達作りを試みてください。
フリーランスはどれか1つを選択するのではなく、すべてを仕事にする
上記で挙げた3つの内、どれを仕事にしようか迷っている人は、もう一度自分がフリーランスであることを再確認してください。フリーランスは1つの仕事に捕らわれる必要はなく、3つすべてを自分の本業としてまっとうすることができます。
日ごろはネットを介して日本から案件を受注していたとしても、必ずどこかで躓くことがあります。そのため、日ごろから少しずつでかまいませんので、海外現地でも案件を受注できるよう、種まきをしておくことが非常に大切となります。
本格的に起業をする必要はなくとも、毎日ブログを更新していたり、ネットや本を読んで輸出入の知識を蓄えていたりと、いつでも本格的にビジネス化できるように準備をしておくことが、フリーランスにおける「勝ち組」に入る条件の1つではないかと考えます。
コロナ禍で海外移住フリーランスに追い風
2020年から世界で猛威を振るうコロナウイルスですが、2022年以降は企業も積極的に商業活動を再開しています。しかし、コロナ以前とは異なり、極力人との接触をなくすため、面接はzoomのようなビデオ会議システムを活用することになり、そのため日本全国はもちろん、海外在住者も応募することができるようになりました。
また、コロナ禍の中でもビジネスは活発化しはじめているとはいえ、依然として海外渡航は条件が困難な状況となります。そのため、海外マーケットを意識している企業は、海外移住者に市場調査を依頼するケースが増えています。こちらもフリーランスにとっては追い風となります。
SEOコンテンツの需要も急増!ライターとしての道もおすすめ
コロナ禍以降は、多くの企業でネットによる集客に予算を費やすようになりました。そのため、Google検索の上位にランクインするように対策をする、SEOコンテンツの需要が大幅に伸びました。
需要が高いということは、フリーランスのライターにとっては、案件が受注しやすくなるだけではなく、記事単価も上がるということ。質のいい記事を書き、先方が満足してくれるのであれば、1文字1~3円程度の報酬単価を安定して得られるようになります。
フリーランスで海外移住。収入源を増やすのが成功のポイント
フリーランスで海外移住を成功させる大きなポイントは、「収入源を増やすこと」です。フリーランスは1つではなく2つ3つと本業を持つことが大切。片方のビジネスがうまくいかなかったとしても、「3つの内1つがうまくいけば良し」と考えるようにすると、海外移住先でもストレスなくマイペースに仕事を続けることができるでしょう。