将来を考える大学生や、社会に出た20代の働き盛りの方は、一度は「海外を飛び回る仕事をしてみたい」と考えるのではないでしょうか。そのために海外支店を持つ会社を選んだり、商社を目指したりする人は多いですね。
今回おすすめするのは、誰でもすぐに始めることができるトラベルライターの仕事。現在では職種として成立する立派な業界となるので、一度世界を股にかけるライターに挑戦してみてはいかがですか。
海外を飛び回る仕事に就きたい!どんな会社を探せばいい?
海外を飛び回る仕事に就きたい、と考える人は働き盛りの20代や、ビジネスマンとして理想を持っている大学生なんかに多いですね。では、海外を飛び回る仕事というのは、どのような業界・職種となるのでしょうか。
海外を飛び回る仕事は、基本的に「商社」と「メーカー」となります。それ以外は基本的に海外の特定の国で働くことはできますが、せいぜい居住国の国内出張に留まり、第三国へ行くことはほとんどありません。
一方で商社やメーカーであれば、日本居住で毎月海外出張があったり、海外居住で第三国へ出張することも頻繁にあります。ただし、知り合いの商社やメーカー勤務の方を見てみると、激務であることがほとんどなので、ゆっくりと旅行気分で海外を楽しむことは、なかなか難しいようです。
近年増加中のトラベルライターとは
トラベルライターとは、一昔前にはなかった職種ですね。日本人が海外旅行を積極的にするようになり、なおかつIT産業が発達した2000年代以降に生まれた仕事(職種)と言えます。
「でもそんな仕事、安定しないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は今後もトラベルライターの需要はますます増えることが予想される、穴場の仕事と言うことができそうです。
ほぼすべての旅行会社がIT化に伴うネット集客に依存することに
旅行会社、観光サイト、旅行まとめサイトなどを運営する企業は、今後も海外旅行者の増加に伴い、ネット集客に力を入れることは確実です。特にコロナ禍以降は旅行会社は相次いで窓口を閉めて、節約した店舗維持費や人件費をウェブサイトのネット集客に回すことになります。
ウェブサイトの運営には、必ずSEO対策が必要となります。そして、SEO対策というのは、SEOコンテンツ、いわゆる記事となるので、現地取材ができるトラベルライターはいままで以上に重宝されることになるでしょう。
トラベルライターの仕事は、本当に海外を飛び回ることができるの?
トラベルライターになると、本当に海外を飛び回ることができるの?という質問をよくいただきます。確かにトラベルライターの広告を見ると、ビーチでバカンスをしていたり、高級ホテルをエンジョイしている写真が使われていて、正直半信半疑なところがありますね。
トラベルライターの仕事は、ご存知の通り海外現地のお店や観光地を取材して、写真撮影の後、記事を書くことです。
基本は自分が居住している、あるいは得意としている国の依頼を請け負いますが、東南アジアやヨーロッパは国境を簡単に跨ぐことができますし、移動費も抑えられるので、複数か国の隣国の取材依頼をまとめて引き受ける、ということは時々あります。
ただし、依頼主はやはり現地在住者を優先する傾向にあるので、海外を飛び回りながら仕事をこなしたい場合は、まずは旅行会社や観光情報サイトといった取引先との信頼を築くのが第一となるでしょう。
海外を飛び回るなら、紙媒体の仕事を受注するのがおすすめ
海外を飛び回ることができる仕事の案件は、意外かもしれませんが「紙媒体」です。ガイドブックや海外情報誌がそれに当たります。紙媒体の場合は、出版社や編集プロダクションは旅行会社と異なり、現地在住の有無よりか、一定水準の文章力と納期遵守ができるライターを重要視します。
言うなれば信頼できるライターであれば、海外在住者である必要もありません。しかも経費も意外と多く使えますし、旅行会社や観光サイトでは出してくれない移動費や宿泊費も申請することができることも多々あります。
実績がないうちはなかなか仕事が回ってこないかもしれませんが、もし依頼の問い合わせがあったら積極的に受注するといいでしょう。
海外の高級ホテルへ宿泊できる?
トラベルライターになると、無料で海外の高級ホテルに宿泊できるイメージがあるかもしれませんが、これはちょっと難しい。
例えば旅行会社からの依頼で観光地の取材を引き受ける場合は、旅行会社が提携するホテルに無料で宿泊することができますが、せいぜい3つ星から4つ星程度。リゾートホテルに宿泊するのはちょっと難しそうです。
また、その他の海外取材依頼で宿泊費を経費計上できる場合も、1泊3000~5000円程度と金額が決められていますので、高級ホテルに宿泊はできません。
しかし、高級ホテルを取材した際、担当者に宿泊希望を申し出ると、従業員割引よりもさらに安いマネージャー価格で宿泊することができる場合があります。通常1泊3~5万円の高級リゾートに1万円程度で泊まれる可能性は十分あります。
実はマイルは溜まらない?
海外を飛び回る仕事の場合、つい期待してしまうのが「マイル」ですね。マイルが溜まれば無料で航空券を手配できたり、エコノミーからビジネスクラスにグレードアップすることだってできます。しかし、トラベルライターでマイルはなかなか溜まらないのが現状です。
基本的に蓄積するマイルは距離で決まるので、海外を飛び回るといっても周辺国を行ったり来たりするトラベルライターでは、マイルはほとんど溜まりませんし、レガシーではなくLCCを利用した格安航空券を利用するのが普通のため、そもそもマイルがないことがほとんどです。
複数か国周遊トラベルライターになるコツ
トラベルライターですぐに海外を飛び回る仕事を希望する場合、居住する、あるいは取材を得意とする国の選び方に注意しましょう。例えばアジアであれば、タイよりもベトナムがおすすめ。
タイは1国だけで十分なボリュームのコンテンツを作ることができますが、カンボジアは観光地がそれほど多くないので、ベトナムと一緒に紹介されることがよくあります。そのため、ベトナムの取材を強みにすれば、自然とベトナムとカンボジアの二か国取材が可能となります。
ヨーロッパであればバルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)やスペイン&モロッコ、ドイツ&スイス、ブルガリア&トルコ、ギリシャ&マルタ(エーゲ海)などは移動が楽なのでよく一緒に取材します。
そのため、手っ取り早く海外を飛び回り複数か国を同時に取材したいならば、上記の国々を自身の強みに持ってみてはいかがでしょうか。
自分で観光サイトを運営する強み
トラベルライターとしての仕事が板についてきたら、次は自分で観光サイトを作って運営してみるのはいかがでしょうか。自分が行った国々の観光記事をアップして、そこにホテル宿泊や航空券、パッケージツアーのアフィリエイト広告をつけるだけで、毎月収益を得ることができます。
まっとうな収益を得るためには数年がかりで記事の更新を続ける必要があるので、トラベルライターとしての仕事をこなしつつ、自分のサイトを少しずつ成長させるといいでしょう。
海外を飛び回る仕事は決して夢じゃない!トラベルライターになろう
海外を飛び回る職種は幾つか挙げられますが、誰でもできる、という点を鑑みると、トラベルライターが最も近い職種かもしれません。
トラベルライターといっても旅行記事だけではなく、実際は政治経済、不動産、タウン情報なども執筆することになるので、ジャーナリストとして活動することになります。
旅行好きはもちろん、物書き志望の人にとっても、トラベルライターはうってつけの仕事と言えるかもしれませんね。