海外移住を果たして旅行ライターとして活動をすることが決まった場合、何より心配なのが「現地での生活と仕事のバランスとステップ」です。海外現地に知り合いがいなければ、頼る人もいませんし、新しい仕事を異国の地ではじめるに当たって不安だらけの毎日が続きます。そこで、今回は海外移住後の最初のステップと旅行ライターの仕事のはじめを詳しくご紹介します。
海外移住直後は私生活と仕事のバランスを考慮しよう
海外移住を果たして、海外現地で新生活がはじまったあとは、早速旅行ライターとしての活動を考えたいものです。しかし、最初は異国の地にも慣れていませんし、現地で知り合いやツテもない状況であれば、私生活とのバランスをとるのも難しいです。
また、旅行ライターの中でも東南アジアや南米に移住する場合は、普段の生活の中で理不尽な体験も多くありますので、知らずのうちにストレスが溜まってしまい、精神的に参って帰国をすることになる、なんてことも実は普通にあります。
そのため、移住後は生活と仕事に慣れるまで、日々目標と目的を立てて行動をするのがおすすめです。
海外移住後のプライベートでの注意点とポイント
ここでは海外移住後の最初のステップとして、旅行ライターとプライベートを区別してご紹介します。
海外移住後のプライベート(私生活)でのステップ・行動~ビザ編
海外移住して数年の内は、常に「滞在ビザ」に関して気にしなければなりません。フリーランスで旅行ライターになる場合は、観光ビザで現地に滞在する人が実際のところはほとんどです。
観光ビザは数週間もしくは1か月ないし3か月程度しか有効期限がありませんので、期限が迫ってくると更新手続きか一度国外に出国したのち、再入国をするといった過程を踏まなければなりません。
また、昨今はどこの国でも滞在ビザの制限が厳しくなっているので、場合によっては複数回観光ビザの更新を繰り返していると、怪しまれて次回更新ができなくなることもあります。そのため、理想は現地で小さな会社を作り、そこでビジネスビザを取得して滞在するという方法です。
海外移住後のプライベート(私生活)でのステップ・行動~観光編
旅行ライターとして活動をはじめると、プライベートの旅行であっても、半分は仕事という認識で臨まなければなりません。例えば日本国内の旅行であれば、その多くは1泊2日ないし2泊3日の旅程を組むことが多いでしょうが、旅行ライターとなると、1つの観光地に最低でも7日~10日間は滞在したいところです。
旅行ライターのプライベートの観光は、やはりただ無邪気に楽しむことはできません。「ここの写真はたくさん撮っておけばあとで使えるかも」といった打算的な考えがなければ、後ほど同観光地の旅行記事の依頼が来た時に再訪する手間が発生してしまいます。
旅行ライターは「いかにして移動費と宿泊費を節約できるか」に尽きますので、プライベートの観光と旅行ライターとしての仕事は、必ず同時に賄うようにしましょう。
海外移住後の旅行ライターのステップ・行動
会社というバックグラウンドがない状態で一人で誰の力を借りることもなくお金を作るのは、想像以上に大変です。それが海外という異国であればなおのこと。
まずは日本で作った名刺をばらまくことが旅行ライターとしての最初のステップ。旅行ライターの潜在顧客になりそうな旅行会社、ツアーデスク、ホテル、の日本人担当者、日系出版社には一通り挨拶にうかがい、自分の存在を知ってもらうようにしましょう。
また、必要経費と割り切って、遠方へと足を運ぶことも最初は必要です。海外は移動インフラが日本と比べて安く済むので、長距離バスや電車を使うことでより費用を浮かせることができます。
また、現地の旅行者向けのレストランやホテル、エステ、お土産店などをネットで調べ、日本人旅行者に人気があるようならば、SEO対策として旅行記事の更新を提案することもできます。
日本人旅行者が多い東アジア、東南アジアであれば、日本語を話せるお店オーナーも少なくありませんので、日本人にPR記事を書いてくれる旅行ライターは渡りに船。少なくとも門前払いされることはありません。
取材するときは1日かけて数をこなそう
海外ではホテルや高級レストランでない限り、アポなしでの取材依頼及び訪問も受け入れてくれます。午前中をデスクワークで午後を取材とするより、1日複数の取材をこなす方が効率がいいので、予め訪問するお店をリスト化しておくといいでしょう。
また、先方担当者が日本語ができない場合を考慮して、英語もしくは現地語で取材依頼書を作成し、プリントアウトして持参するのも有効です。
取材は1軒につき30分程度、写真は外観、内観、料理や商品の撮影で、80~100枚程度を撮っておけば、複数の旅行記事に使うことができます。
最初のうちはとにかくお店情報が欲しいので、1日およそ5~8件ほどこなせるのが理想です。旅行ライターは、ときとして質より量が重要となることも覚えておきましょう。
海外移住旅行ライターのデスクワークの環境を整える方法
海外移住してはじめて気づく日本の快適さというものがあります。旅行ライターの仕事の多くは記事を書いたり、案件を探したり、請求書関連をまとめるデスクワークに充てられます。
しかし、海外では自宅のWi-Fiは必ずしも早くはないので、「ネット速度が遅くて自宅だと仕事にならない」といったこともよくあります。
そのため、まずは旅行ライターとして活動するにあたり、デスクワークの環境を整えることをはじめましょう。賃貸の場合はWi-Fi速度はどうすることもできない場合が多いので、ネット速度が速い冷房つきで静かなカフェを見つけるのが手っ取り早いです。
また、カメラのレンズや付属品、パソコンの周辺機器なども最初の内に一通りそろえておくようにしましょう。
海外移住後にすぐに揃えたいカメラ関連
- カメラ本体
- レンズ(単焦点、標準、ズーム、広角)
- 三脚
- ストロボ
- スペアバッテリー(2個以上)
海外移住後にすぐに揃えたいパソコン関連
- パソコン本体
- Google driveやdropboxといったオンラインストレージの加入
- バックアップ用の外部メモリー(HDDかSSD。USBメモリーは不可)
- 取材先で写真やデータをその場で受け取るためのUSBメモリー
- プリンター
海外では学生が利用する小規模の印刷所があり、そこで必要書類は印刷できますが、顧客情報の観点やウイルスの可能性を鑑みると、自室でプリンターを揃えるのが無難です。
旅行ライターは生産性と非生産性の仕事は区別するのがポイント
旅行ライターの日々の作業は大きく分けて生産性と非生産の仕事に分けることができます。生産性のある仕事は、その業務をすることで直接収入が入ってくるものを指し、旅行ライターにおいては依頼された旅行記事の執筆がそれに当たります。
一方で請求書や領収書関連の発行や、自分のブログの記事更新は直接収入に結びつくものではないので、これらは自分が決めた業務時間外で作業するのがメリハリがついておすすめです。
海外移住直後はあれもこれも手を出してしまい、休日返上で仕事につきっきりになってしまいがちです。しかし、フリーランスは自分で仕事の裁量を決めなければなりませんので、1日に仕事をする時間や業務時間内にすべきこと、すべきでないことは、しっかりと自分の中でルールとして決めておくのが、だれることなく仕事を続けられるポイントとなります。
海外移住後最初の半年間は私生活を充実させることに集中するのも
海外移住をする前もフリーランスや個人事業主として自分で生計を立てていた、と言う人であればいいのですが、海外移住に加えてはじめての自由業であれば、1日のすべきことに戸惑ってしまいがちです。
そんな旅行ライターにおすすめしたいのは、1日のスケジュールではなく、1ヵ月ないし3か月の間でやるべきことをリスト化し、それを追うスケジュールを作成してみてはいかがでしょうか。
また、海外移住最初の半年間は、現地の生活や環境に慣れることに重点を置き、仕事は生活費を稼ぐレベルに抑えてみるのもいいでしょう。アクセルの踏み方も自分次第であることを覚えておいてください。