憧れのヨーロッパに海外移住を計画している人の中には、現地で働く会社・仕事がまだ決まっていないという方もいます。一般的にヨーロッパに長期滞在をするためには、就労ビザを主としたそれに準じる滞在ビザが必要となります。そこで、今回はヨーロッパにフリーランスとして海外移住をしたい人のための、押さえておくべきポイントをご紹介します。
ヨーロッパに海外移住。日本人が多い国はどこ?
ヨーロッパに海外移住することを憧れている日本人は大勢います。実際新型コロナ前までは、年々海外移住者は増加をしていました。2022年になるとwithコロナと称して、新型コロナを受け入れる動きが世界で加速。一時帰国していた多くの日本人がヨーロッパに戻り始めました。
では、日本人にとっては、ヨーロッパのどこの国が住みやすいのでしょうか。
- ドイツ 42135人
- フランス 36347人
- イタリア 14020人
- スイス 11792人
- オランダ 10670人
- スペイン 9462人
- ベルギー 5827人
- スウェーデン 4476人
- オーストリア 3234人
- アイルランド 2818人
上記は外務省統計「海外在留邦人数調査統計(2022年度版」となります。昔からドイツとフランスは日本人が多く移住する国として知られていますね。ちなみにイギリスは上記に含まれていませんが、在住数でいうとドイツを抜いた6万人強でヨーロッパ1位となります(なぜ政府統計に含まれていなかったかは不明)。
フリーランスでヨーロッパに海外移住は現実的に可能か
現状ヨーロッパに海外移住をしているほとんどの日本人は、
- 現地駐在員
- 起業家
- 現地人と結婚をした配偶者
- 留学生
のいずれかとなります。その理由は、アジアと異なりヨーロッパは滞在ビザが厳しいからです。一般的に中長期の滞在ビザを取得する際は、「労働ビザ」、「起業ビザ」、「投資家ビザ」、「配偶者ビザ」などを取得する必要があり、配偶者ビザ以外は、現地で就労するためのビザとなります。
そこで、フリーランスがヨーロッパに海外移住を考える場合、まず検討してみてほしいのが「収入の出どころ」です。
日本とヨーロッパの移住先のどちらに収入源があるのか
ヨーロッパに海外移住を計画するフリーランスは、下記のいずれかを検討していることでしょう。
- 日本に所在を置く企業から仕事(案件)を受注する
- 海外移住先の国に所在を置く企業から仕事(案件)を受注する
もし海外移住先の国に所在を置く企業から仕事を請け負うことができるのであれば、起業・投資家ビザを取得することによってビザの問題は解決されます。しかし、現地法人として起業するのであれば、初期費用で500~1千万円の原資は必要ですし、ビザの取得は非常に複雑なので、現地の弁護士に依頼する必要も出てきます。
一方で日本に所在を置く企業からのみ仕事を受注する場合は、海外移住国に対して納める税金がありませんので、移住国側からしてみると滞在ビザを与える理由がありません。そのため、配偶者ビザ以外で該当するビザは現状ないのが現実となります。
日本の企業から依頼を受けるフリーランスのヨーロッパの移住方法
しかし、現実的には多くの日本人フリーランスがヨーロッパ諸国を周遊しながら海外移住を成功させています。彼らの多くは、下記のような流れに沿って海外生活を続けています。
- 観光目的のビザ免除で入国
- ビザ免除期間が許す限り現地に滞在
- ビザが切れる間際に第三国へ出国
- 数日後に再び再入国
上記を繰り返すことによって、ビザを取得することなくヨーロッパに移住をすることができます。ちなみにヨーロッパの多くは3か月間ビザ免除で現地に滞在することができます。
ヨーロッパに海外移住するならフリーランスが一番おすすめの理由
ヨーロッパに海外移住をする場合は、会社に属さずフリーランスとして稼ぐのが最もおすすめです。ヨーロッパの現地企業で働くことを考える場合、まずは現地語の習得が必要ですし、現地では履歴書と職務経歴書が非常に重要視されるので、欧米式の面接に慣れていなかったり、英語しか話せないとなると、なかなか内定はもらえません。
一方で日系やアジア系のレストランや雑貨店であれば採用される確率は高くなりますが、その反面給料は現地水準からみて2~4割ほど下回ることを覚悟しなければなりません。
そのため、フリーランスで現地に所在を置く日系企業や、日本に所在を置く企業から案件を受注するのが、最も現実的かつ中長期にわたってストレスなく現地生活をおくれる方法となるでしょう。
ヨーロッパに海外移住をする際の注意点
ヨーロッパに海外移住を検討している日本人の多くは、パリやロンドン、ローマなどに憧れを抱いて、お洒落な日々を過ごしたいと考えているものです。もちろん現地に移住すれば、そういった夢に見た時間を過ごすことも現実的に可能となります。
しかし、その一方でヨーロッパ移住者だけが知るデメリットもあるものです。
- 治安がよくない
女性の夜の一人歩きは基本的にNGです。これはパリやロンドンといった都心でも同じこと。 - 物価が高い
特にユーロ圏やイギリスポンドは対ドル円に対して非常に高いため、現地水準で月収手取り30万円くらいはコンスタントに稼がないと、生活が厳しくなります。 - サービスが悪い
日曜日はスーパーや薬局まで閉店するところが多いですし、役所の態度もよくありません。レジのキャッシャーもかなり雑に商品を扱うので、イラっとすることも多々あります。
また、ヨーロッパ諸国の中でもアジア人に慣れていない田舎の地域では人種差別を受ける可能性もありますので、海外移住に慣れていない方は、まずは都市圏の中でも日本人が多く暮らすエリアに身を置くことを強くおすすめします。
ヨーロッパに海外移住をするフリーランスにおすすめしたい仕事術
初めてヨーロッパに海外移住をするフリーランスは、どのような仕事をどこから受注すればいいのか分かりません。そこで、ここではヨーロッパ在住のフリーランスにおすすめしたい仕事の立ち回り方をご紹介します。
ユーロ圏の海外移住ならば現地の日系企業から案件を受注をする
上述したように、ユーロ圏やイギリスは物価が非常に高いため、日本から安定した仕事を幾つか受注することができても、現地の生活水準を鑑みると少々物足りない可能性もあります。
そのため、ユーロ圏に海外移住をするならば、必ず現地の日系企業を相手にした仕事を見つけるべきと言えます。
ヨーロッパで自由な生活を!海外現地ライター
海外現地ライターはヨーロッパに移住する日本人の間では、比較的名の知れた職種の一つとなります。ヨーロッパ各国は電車で移動することができるため、大抵は隣接し合う複数か国の現地ライターとして活動しています。
フリーランスのライターであれば、現地の日系企業やお店のホームページの記事更新案件を請け負うことができますし、SEO対策の知識を習得すれば、企業ホームページのSEOコンテンツの更新業務を受注することもできます。
SEO対策は数か月程度で成果がでるものではありませんので、基本は半年から1年契約となるため、収入の土台を構築することができます。なによりもユーロ払いポンド払いであるのが魅力です。
ヨーロッパに海外移住。仕事と生活の両立を目指す
ヨーロッパの移住先で就職する会社が決まっていない方は、思い切ってフリーランスの道を選んでみるのもいいかもしれません。ライターであれば特別なスキルや資格は不要ですし、当月から収入を得ることができます。
ヨーロッパの物価は相対的に日本よりも大分高いため、日本と同じくらいの収入で移住をしてしまうと、現地の生活水準についていけなくなる可能性もあります。そのため、現地通貨で報酬を貰える仕事を日系企業から受注するのが先決となるでしょう。