昨今は海外で仕事をするフリーランス・ノマドワーカーも大分増えてきました。しかし、海外移住となると、「どういった手順を踏めばいいのか分からない」という人も多いはずです。そこで、今回は移住から現地の仕事及び生活までのステップを分かりやすくご紹介します。
日本での手続きは少なめ。基本は現地の大使館で揃う
海外移住をする際、日本国内における手続きをどうすればいいのか迷っている方は、税金関連だけ考えておけば、とりあえずは問題ありません。
日本の税金制度では、税金は前年分を払うことになるため、何も手続きをしないでいると、海外移住をしたあとに請求書が自宅に届くことになりますので、それを防ぐために役所に足を運び、事前に払い込みを済ませることになります。
また、海外現地で会社員として働くことが想定される場合は、大学の卒業証明書が必要となり、これは大使館・領事館では取得できませんので、日本を発つ前に取得しておきましょう。これ以外の戸籍謄本などは海外移住先で入手することができます。
ついに海外移住!片道航空券を買って現地入り
あまり知られていませんが、帰国予定のない場合は片道航空券を購入する必要があります。往復航空券の方が往々にして料金が安いですが、片道のみ利用し、復路の航空券を破棄することは規約違反となり、最悪罰金を請求されます。
ただし、観光目的の入国の際は、入国審査で復路の航空券を要求されることがあります。その場合は、「帰りは陸路(バス)で隣の国へ行く」と伝えれば、大抵は問題なく入国することができます。
トラブル知らずの入国方法を2つご案内
上述したバスで隣国へ行くことを言い訳にする場合、バスの予約書を要求される可能性もありますので、念のため仮予約をしておくのもいいかもしれません。英語であれば入国審査官も詳しく調べたりはしません。
また、日本のパスポートがあれば、ほとんどの国は観光目的の入国に限り、最初の数週間はビザなしで入国することができますので、最初はビザなしで入国し、その後現地の大使館でビザを申請する方法も有効です。
ただし、ビザの法律は国によって異なるため、複雑化する可能性があれば、代行業者に依頼するのもいいでしょう。
海外移住後最初のステップは「物件探し」
海外移住後の最初のステップは「住居の確保」となります。日系企業が多数進出している都市であれば、大抵1つか2つは日本人が経営している不動産会社がありますので、そちらに賃貸物件を紹介してもらうようにしましょう。
物件が決まるまではミニホテルに宿泊することになりますが、ワンルームであれば1か月5万円以下で宿泊できますし、不動産会社に紹介してもらえれば、安くコンドミニアムを日割りで借りることもできるはずです。
ちなみにアジア欧米ではマンショントラブルがつきものなので、実際住んでみて気に入らない部分が多いのであれば、不動産の担当者に連絡して別の物件を探してもらうのも普通です。
物件探しのポイント。海外移住当初は日本人町の傍に住もう
海外移住生活に慣れるまでは、なるべく日本人が多く暮らすエリアに住むのがおすすめです。外国人向けのスーパーで日本食材を購入することができますし、周辺には和食レストランもあるものです。
どんなに海外旅行でならしていても、移住するとなると話は別。突然現地人と同じような生活をすることは到底かないません。
海外移住はトラブルがつきもの。信頼できる現地人を探す
海外移住後も慣れないうちは、何かとトラブルが発生します。自宅がらみであれば、不動産担当者に連絡するのもいいですし、同じコンドミニアムに住んでいる日本人に相談するのもいいでしょう。
しかし、どうしても現地人の力が必要となるときがありますので、それに備えて信頼できる現地人を複数人探して、日ごろから親しくなることも重要です。
将来的に現地で起業をするにしても、外国人だけでは何かと不明点が多いため、うまく立ち回ることができません。海外移住後に起業して成功している日本人の多くは、「信頼できる現地人パートナーが絶対に必要」と考えています。
友人を見つけるならば「語学学校」に通うのがおすすめ
日本人の友人や現地人と友達になりたい場合は、外国人を受け入れている語学学校に入学するのがおすすめです。現地語を学ぶことができますし、日本人含む外国人のクラスメートができますので、より海外移住を盛り立ててくれます。
また、できれば塾ではなく学校がおすすめ。現地の学生と仲良くなれば、現地の習慣や文化を手っ取り早く知ることができますし、生活の身の回りでのトラブルの相談にも乗ってくれることでしょう。
海外移住後にフリーランスとして独り立ち!職場探しから始めよう
海外移住を果たし、1か月もすれば日常生活に困ることはなくなります。最近は新興国であっても、都心であれば近代的なショッピングセンターの1つや2つあり、そこで生活必需品や日本食材の購入などもできます。
海外移住に慣れてきたら、次は職場探しを始めるといいでしょう。
フリーランスとして働くのであれば、自宅勤務も可能ですが、お洒落なカフェでパソコンを打つ方が気分良く仕事に励むことができるので、効率が良くなることもあります。
また、アジアはフリーランスで活動している人が現地人含めて非常に多いため、ワークスペースを貸し出している事務所やカフェをいたるところで見かけます。月額で数千円程度ですし、場所によっては住所も利用できるので、バーチャルオフィスとして起業することもできます。
ワークスペースで知り合った現地人と一緒に共同経営の道も
新興国に住んでいると、日本人であるということがどれだけの強みかをよく知ることができます。GDP世界3位の経済大国で生まれ、ネイティブで日本語を話し理解できる日本人は、海外現地では非常に重宝されます。
ワークスペースで独り仕事をしていると、現地人に声をかけられて意気投合し、共に起業をするに至った、といった話もよく耳にします。様々なチャンスが転がっているので、自分で取捨選択しながら、海外移住後の仕事における目的を改めて考えてみるといいでしょう。
単なる遊びではない。複数の現地サークルに入る目的
日本人が多く暮らす都市では、日本人のみで構成されるサークル・クラブ活動が幾つもあるものです。あまり人付き合いを得意としない人でも、最初の内は複数のサークルやクラブ活動に参加することをおすすめします。
この手のサークルやクラブの参加者のほとんどは駐在員となります。いわゆる海外現地法人の支社長、支店長といった役職の方々なので、ここでお近づきになれば、仮にフリーランスの仕事がうまくいかなかったときにも、「だったらうちの会社に来れば?採用してあげるよ」と助け船を出してくれるものです。
海外移住後のビザ(査証)と滞在方法
海外移住後3~6か月ほど経つと、ほとんどの国で当初の入国に使用した観光ビザの有効期限が切れます。そこで、観光ビザを更新するか、もしくは別の方法で現地滞在を続けるかを検討することになります。
手間や費用を考えると、観光ビザを更新することが最も手早いのですが、観光ビザのため現地でお金を稼ぐことは禁止されているため、現地企業で働くことはできません。
また、海外移住のように1年以上現地滞在を続ける前提がある場合は、レジデンスカードを取得するのもおすすめです。レジデンスカードがあれば2年間はビザ不要で滞在することができますし、労働許可証も取得することになりますので、合法的に現地で仕事をすることができます。
ビザや労働許可証といった申請は手続きが複雑のため、自分で行うのではなく、現地の代行企業に依頼するといいでしょう。
海外移住を成功させる秘訣は「仕事」と「現地生活」のバランスを見極める
今回は日本を発つ直前から、現地の仕事までの大まかな流れをご紹介しました。海外移住を成功させるポイントは、仕事と生活のバランスを保つことです。
フリーランスは会社というバックグラウンドがありませんので、仕事過多で知らずにストレスが溜まりがちです。せっかくの海外生活が破綻しないように、普段の生活をリラックスできる環境づくりが重要となります。