東南アジアでトラベルライターとして10年以上のキャリアを持つベテランライターが考える、アジアでライターとして成功する仕事術をすべてご紹介。
日本国内とは異なり、海外(東南アジア)でトラベルライターとして成功するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。これから東南アジアに移住を検討している人は、是非ご覧ください。
ビギナーのトラベルライターに東南アジアをおすすめしたい理由
これから初めてのトラベルライターとして海外に移住をする、という方の多くは20代。
旅行で海外に出たことはあっても、ビジネス視点で海外を見ることはありませんね。トラベルライターとして活躍のステージを地域ごとに区切るならば「アジア」、「ヨーロッパ」、「アメリカ」、「南米」と区分けすることができます。
その内、ヨーロッパとアメリカはどうしても英語力が必要となりますし、アメリカやユーロ圏は世界最大の経済圏となるので物価も高く、生活苦に陥る可能性が高いです。
一方で南米は日本と物理的距離があるので、ちょっとしたこと一時帰国するのが難しいですし、何よりも治安に不安があります。
トラベルライターといっても現地ではジャーナリストとして見られるので、訝しく思う人もいるでしょうし、カメラを向けたことで思わぬトラブルに発展することもあるかもしれません
「アジア」ではなく「東南アジア」を推したいわけ
アジアといっても、中国や韓国といった東アジアは、古くから日本と交流が盛んのため、現地には多くのライバルとなる在住日本人ライターがいます。
トラベルライターとして案件を獲得するためには、愛想や人柄よりも実績が重視されるので、後発組はどうしても不利となります。また、両国はご存知の通り政治的に国際摩擦が生じやすい欠点も挙げられます。
インドやネパールのある南アジアも近年は旅行需要が増えてきているようですが、いささかディープすぎるのかなといった印象。他の国で海外生活に慣れてきてから第三国目として検討してみてはいかがでしょうか。
一方で東南アジアは日本と距離が近く、また日本政府が毎年多額の支援をしているので、現地の親日度も非常に高いのがメリットです。自分からアングラに足を突っ込まない限り治安も良く、女性の一人暮らしも問題ありません。
東南アジアでも最初のトラベルライターの国として避けるべき国
しかし、東南アジアならばどこでもおすすめ、というわけでもありません。まず知っておいてほしいのは、その国での「生活水準」です。例えばシンガポールは税金が少ない国として富裕層の間に人気があります。
しかし、シンガポール自体はそれほど裕福ではありませんし、トラベルライターとして駆け出しの身分であれば、当然収入も日本のサラリーマンの平均月収以下。それでは現地では満足いく生活は到底かないません。
その他にもラオスやミャンマー、カンボジアは国として未成熟のため、トラベルライター以外の現地の就職先を見つけるのが困難なこと、そして、日本人は色眼鏡で見られて、強盗のようなトラブルに巻き込まれる可能性も否定できません。
3つのCVをしっかりと完成させるのがトラベルライター成功の近道
トラベルライターとして東南アジアで活躍する場合は、まず最初に用意するのが「履歴書」、「職務経歴書」、「ポートフォリオ」の3つのCVです。
履歴書と職務経歴書は合わせて作っても大丈夫
トラベルライターとして東南アジアに移住する場合、海外現地の企業から仕事を請け負うこともできるでしょう。履歴書と職務経歴書は予め作成しておくのが無難。
履歴書はそれほど重要視されなく、四大を卒業しているかを確認される程度なので、職務経歴書と合せて作るのもいいでしょう。現地の企業に就労するわけではないので、それほど込み入った作りにする必要はまったくありません。
トラベルライターのポートフォリオの作り方
トラベルライターのポートフォリオを作成する場合、下記のように実績を区別して箇条書きにするといいでしょう。
- 自分の運営サイトの実績
- WEBライティングの実績(業界とサイトURL)
- 紙面媒体の掲載実績(タイトル・発行年・発行元)
- 自著の実績(タイトル・発行年・発行元)
WEBライティング昨今需要が多くなってきたので、ライバルと差を付けるため、自分の書いた記事のSEOの実績も記述するのがおすすめです。
例)「記事タイトル+URL」〇〇+〇〇のキーワードにて検索順位3位を獲得
独身なら3か月~半年ごとに居住場所を移してみては?
独身であれば、特定の地域に留まる必要性もありません。実績がまだ少ないトラベルライターがライバルを差し置いて案件を受注するためには、「機動力」が一つの大きな武器となります。
マレーシアのクアラルンプールを拠点にしていて、「今週末にボルネオ島の記事を3つ写真付で用意できる?」と言われて、即答できるようにならなければなりません。
独身のうちは縛られるものがありませんので、移住後最初の数年は3か月から半年ごとに居住地域を変えてみるのもいいでしょう。東南アジアであっても、日本人旅行者が訪れるような観光都市であれば、衣食住に困ることはまずありません。
隣国の案件も受注できることをしっかりとアピールする
東南アジアは陸続きなので、バスで国境を渡ることも容易ですし、航空券も安く入手することができます。ベトナムであればカンボジア、タイであればマレーシアといった具合に、隣国の案件も受注ができる旨をクライアントには伝えておくのがいいでしょう。
基本的に中小大手に限らず、企業がトラベルライターに記事を依頼する際は、複数の国・都市のライターに同時に依頼します。
しかし、特定国・都市に住む海外在住ライターというのは、そう都合よく見つかるものでもありませんので、「ベトナムとカンボジア両方の国の記事が書けます」というアピールは、クライアント側からしてみれば大歓迎です。
カメラにはしっかりとお金をかけよう。ビギナートラベルライターで差がつく秘訣
昨今は新しい働き方としてノマドワーカーも増えてきて、また新型コロナを契機にニューノーマルの時代が到来。今後もトラベルライターは1つの職種として認知されることでしょう。
ビギナートラベルライターが東南アジアで成功するためには、文章力や上述した機動力もさることながら、「カメラへの投資」も必要不可欠です。
旅行記事は写真ありきとなりますので、スマホで撮影した画像はなるべく使わないのが賢明です。いかに綺麗に撮影できていても、一眼レフとは解像度が異なるので、見る人が見ればすぐに分かってしまいます。
東南アジアの旅行記事では、主に旅先となるスパやホテル、レストランの記事が多く求められます。いずれも狭い個室での写真撮影が必須となるので、最低でも広角レンズと単焦点、三脚は用意するようにしましょう。
東南アジアでトラベルライターとして成功後の将来プラン
東南アジアには今でも多くのトラベルライターが活動していますが、ライターとして軌道にのると、物価安を活かして贅沢な生活をおくることが実際できます。また、現地の公共インフラも安いので、毎月のように旅行をして、日本人のサラリーマンが羨むような生活を満喫することもできます。
旅行の需要は今後も尽きることはありませんし、それ以外でも現地の生活に慣れてきたら、市場調査や翻訳、ビジネス記事などにも手を伸ばして、活躍の幅を広げることもできます。