安全・快適に運転するための豆知識と注意すべき5つのこと
海外旅行や留学、ワーキングホリデー、または駐在など様々理由で海外を訪れる機会も多い今のご時世。
各国の交通事情もそれぞれ異なっており、日本のように公共交通機関が整備されている国ばかりではないのが現状。そんな時に車で移動できたらどんなに楽だろうか…と考える人も多いのではないでしょうか。
今回は、旅行やワーキングホリデーで人気のオーストラリアの交通事情について、私の実体験も踏まえてまとめていきたいと思います。
まず、オーストラリアにおいてユニークなのは、州ごとに免許が異なり、法律などにおいても州それぞれの決まりがあること。
これは、元々州ごとに統治をされていた時代の名残ともいわれており、州の権限がとにかく強い。そのため、自分がどこの州、どこの都市で運転するかによってルールも異なるので、事前にリサーチが必須です。
1. 運転免許について
まず、車を運転するにあたって必要不可欠なのが運転免許。オーストラリアでは、滞在が短期か長期か、または滞在目的によっても使用できる運転免許が異なるので、それぞれ分けて紹介していきたいと思います。
【短期滞在者】滞在目的→旅行、留学、ワーキングホリデー、就労者(駐在派遣員)など
こちらに当てはまる人たちは、Visiting Driver(短期運転者)という扱いになり、オーストラリアの運転免許証を所持していなくても運転することができる。
日本の有効な運転免許証+公式英語翻訳証明書*
国際運転免許証+日本の有効な運転免許証
*参考資料を参照
上記二つのパターンで運転することができますが、これに加えて旅行者はパスポート、留学やワーキングホリデー滞在者はパスポート+ビザ書面も一緒に携帯するのが望ましいです。
ワーキングホリデーや就労を目的として、ある程度長期での滞在が見込まれる人であればオーストラリア発行の運転免許証を取得することが望ましいと言えるでしょう。普段、車の運転をしない人でもIDとして使用できるという理由でオーストラリアの免許に書き換える人も多いです。
【長期滞在者】滞在目的→永住
初めは、短期滞在者と同様に日本の免許証+公式翻訳書での運転が可能ですが、基本的にはそれぞれの州発行免許証をすぐに取得する必要があります。
例えば、私が暮らしていたメルボルンでは以下の通り。
ビクトリア州(メルボルン) | オーストラリア入国前に永住ビザが下りた場合,入国から6ヶ月以内。オーストラリア入国後に永住ビザが下りた場合,ビザが下りてから6ヶ月以内に切り替えが必要。 |
1.1オーストラリアの運転免許証を取得する方法 【日本の免許証から書き換え】
必要書類を集め、各州が運営する交通管理局で所定の手続きをするというのが共通の流れ。日本の免許証からの書き換えの場合に、筆記試験と実技試験が免除されます。今回は、メルボルンでの免許証切り替え手順について紹介していきます。
① 条件を確認
日本の免許証をビクトリア州免許証に切り替えるにあたって、以下の条件を確認。
免許取得者が22歳、または22歳以上であること:
・免許取得から3年以下の場合 → P2ライセンス(フルライセンスではない仮免許のようなもの)
・免許取得が18歳の誕生日から数えて3年、または3年以上経過の場合 → フルライセンス取得可
*オーストラリアではほとんどの州で17歳から車の免許を取得することが可能(ビクトリア州は18歳)。さらにフルライセンスという一人前の免許に切り替わるまでに試用期間ライセンス、P1とP2が2段階存在します。レンタカーは、25歳以上の人なら借用できますが、21歳から24歳は割増価格となる会社が多いようです。
② Vic Roads(ビクトリア州の交通管理局)に予約を入れる
アポイントは完全予約制になっています。
予約方法は、オンライン、電話予約、免許センターにて直接の3種類があり、オンラインによる予約が一番スムーズ。時間帯にもよるが、電話はなかなか繋がりません。
オンラインでは、Convert your overseas license(海外免許の切り替え)を選択。予約時に予約料金(AUS/$19.00)*2020年4月現在 が発生する。予約料金も毎年値上がりしています…。
氏名、生年月日、住所、電話番号、(メールアドレス)を登録し、最寄りの免許センターに予約をいれる。これがなかなか予約に空きがない…。余裕をもって予約を取ることをお勧めします。
③ アポイント
必要書面を持参
・申込書(License application) *現地で記入もできるが、事前に準備しておくとよい。
・身分証明書(パスポートなど)
・住所証明(公共料金の請求書、家の契約書、銀行の残高証明など住所が確認できるもの)
・免許取得料金(3年: AUD/$82.80、10年: AUD/$283.60) *2020年4月現在
・日本の運転免許証
・公式英語翻訳証明書(*1. 州ごとの公式翻訳書まとめを参照)
以下、必要な場合のみ
・眼鏡、コンタクトレンズ(視力試験に必要な場合)
・医師の診断書(長期的なケガや病気、身体障害などで医師に事前許可が必要な場合)
名前を呼ばれたらカウンターへ。
係員が書類を確認。視力検査と写真撮影。写真撮影は、まったく準備する間もなく始まるので、しっかり準備してからカウンターに行った方がよいでしょう…。
料金を支払ってその日は終了。現在は3年または10年のライセンスを取得できます。永住など、確実に長期で滞在する人は10年で取得した方がお得です。
④ 郵送にて免許証受け取り
アポイント後、10日以内に登録した住所に免許証が郵送されます。
住所変更があった場合には、速やかに変更の手続きをしましょう。
1.2オーストラリアの運転免許証を取得する方法【オーストラリアで免許証を取得】
一から免許を取得するという人は、あまり多くないかもしれませんが、日本で免許を取得するのに比べてなかなか長い道。
オーストラリアで免許を取得するには、大きく分けて三段階のステージになっています。日本のような教習所がないので、個人で学科試験の勉強をし、実技についても個人で練習をする必要があります。
- The learner’s Permit(初学者許可)取得
- A provisional or probationary license(仮免許)期間
- Full license(フルライセンス)取得
フルライセンスを取得しても初めは制限付きの免許となります。最終的に一人前のドライバーになるまで、個人差はあるが3、4年の年月が掛かると言われています…。
2. 基本的な交通ルールと注意点
オーストラリアは、日本と同様に右ハンドル左側通行を導入している国です。速度表示も日本と同様にキロ表示なので違和感もないと言えるでしょう。
しかしながら、地域それぞれの特徴や日本にはないルールなども多いので、運転する前にしっかりとルールを確認することをおすすめします。運転に際して注意すべき点を以下にまとめました。
安全・快適に運転するために注意すべき5つのこと
その1.ラウンドアバウトを攻略しよう
オーストラリアの運転でまず戸惑うのが、このラウンドアバウト。元々はイギリスで導入された交通ルール。日本では環状交差点と呼ばれ、地方を中心に導入も進められています。
この巨大なロータリーはどのように運転するかというと、ルールは至ってシンプル。基本的には、サークル内にいる車は全て右側優先となります。
左折したければ、ウィンカーを左へ。右折したければ、右へ。直進ならウィンカーは出さず、サークル内へ侵入し、直進する寸前で左へ。慣れると決して難しくありません。
その2.シートベルトとは絶対に着用
オーストラリアでは、運転手・後部座席に乗車する全ての人にシートベルトの着用が義務付けられています。シートベルトをしていない場合に課せられる罰金は、AUS/$330(日本円で約23,000円) *2020年4月現在。
同乗者が未着用の場合にも同様の金額が掛かるので、要注意です。また、チャイルドシートについても着用の義務があります。
乳幼児から4歳までの子供は前向き、または後ろ向き且つサイズの合ったチャイルドシートの着用義務があり、4歳以上になると7歳未満までは前向きのチャイルドシート着用。7歳以上16歳までの子供は、後部座席に座ることが義務付けられています。
その3.動物に注意
まさにオーストラリアらしいとも言える注意点ですね。オーストラリアでは、シドニーやメルボルンなどの大都市であっても郊外まで車を走らせれば豊かな自然が広がっています。
そのため、特に早朝や夕暮れ時から夜間にかけての運転は注意が必要。特に動物の出現が多いエリアには動物注意の看板が設置されているので、減速して走りましょう。
オーストラリアでは、カンガルーなどの野生動物を轢いてしまった場合に近隣のレンジャーや保護施設に連絡をするというのが一般的なルールとされています。
さらに、お腹のポケットに赤ちゃんカンガルーなどがいる場合には、保護しなくてはいけないのです。もちろん、観光中にレンタカーなどを利用している人にとってはとてもハードルの高い話。
しかし、オーストラリア人の動物に対する保護意識の高さなどは理解しておく必要があります。
その4.罰金大国、オーストラリア
私たちが一般的に持つオーストラリアののんびりとしたイメージとはかけ離れるほどに厳しいルールを設けているので、注意が必要。
まず、スピード違反については日本のようなネズミ捕り方式で有人による取り締まりも行われていますが、圧倒的にスピードカメラによる取り締まりがほとんどです。
これは、高速道路に限らず一般道路であってもオービスのようなスピードカメラが設置されています。
これは、赤信号無視も同様。オーストラリアのような人口の少ない国では、この罰金も大きな国の財源となっており、日本円に換算すると数十億円ともなる大きな額が毎年支払われているのです。
メルボルンの罰金一例) |
・スピード違反(10キロ以下) – AUS/$207 + デメリットポイント1 |
・スピード違反(10-24キロ) – AUS/$330 + デメリットポイント3 |
・スピード違反(25-29キロ) – AUS/$454 + 3ヶ月免許停止 |
・赤信号無視 – AUS/$403 + デメリットポイント3 |
・携帯電話の使用 – AUS/$496 + デメリットポイント4 |
*オーストラリアでは、違反点数が加算式になっています。こちらも州によって異なるが、ビクトリア州では累積12ポイントまでが運転可能ポイント。それ以降は、一時的な免許停止の措置となります。尚、点数は3年ごとにリセットされます。
駐車違反も同様です。オーストラリアでは、駐車違反を取り締まる係員が常に駐車場の周りを巡回しているので、うっかりと時間を超えてしまうと駐車禁止の罰金をしっかりと取られてしまいます。
その金額も取り締まっている地域によって差があるのだが、なかなか高額なので注意。右側は実際に私がもらった駐車禁止。
駐車時間オーバーでAUS/$83.00(涙)

その5.地域特有ルール「フックターン(二段階右折)」
これは、メルボルン市内特有のルールなのですがユニークなので紹介します。メルボルン市内にはトラムと呼ばれる路面電車が走っています。
このトラムは、車と同じ道路を走行しています。通常、左側通行の道路で車が右折する際には、右折レーンというものがありますが、トラムが同時に走行しているメルボルンでは右側に寄って待つことができません。
ではどうするか、右折の車は一番左前方で待つのです。トラムと並行して走る道路では、右折の車は左前方まで出て前方の信号が変わるのを待ち、右折方向の信号が青に変わった時点で右折するというルールになっている。これは、慣れるまでなかなか難しい…。
メルボルン市内でレンタカーを借りる場合特に注意したいルールです。
事故にあったら…
オーストラリアでは、緊急時の電話番号は000。
これは、警察・消防・救急の総合番号でここにダイアルする必要なサービスへ繋いでくれます。事故はあってほしくないですが、念のため覚えておくとよいでしょう。
オーストラリアの人たちはお世辞にも運転がうまいとは言えません。車間距離を詰めて運転する人が多いので、日本ではあまり見ないような追突事故をよく見かけました。
初めは戸惑うことも多いですが、ルールを守って安全・快適に運転しましょう。オーストラリアの絶景を存分に楽しんでください。

【参考資料】
州別、公式英語翻訳証明書
州 (州都) | 公式英語翻訳証明書 |
ニューサウスウェールズ州 (シドニー) | ・Multicultural NSW発行の翻訳書 のみ有効 (*領事館/大使館発行の自動車運転免許証抜粋証明は公式なものと認められていないので注意) |
オーストラリア首都特別区(キャンベラ) | ・NAATI翻訳者による翻訳書(National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)等 または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 |
ビクトリア州(メルボルン) | ・NAATI翻訳者による翻訳書(National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)等 または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 |
南オーストラリア州 (アデレード) | ・NAATI翻訳者による翻訳書 (National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)等 または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 |
タスマニア州 (ホバート) | ・NAATI翻訳者による翻訳書 (National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)のみ または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 |
クイーンズランド州 (ブリスベン) | ・NAATI翻訳者による翻訳書 (National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)等 または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 *翻訳書の携帯は、他州ほど厳しくない。 |
西オーストラリア州(パース) | ・NAATI翻訳者による翻訳書 (National Accreditation Authority For Translators and Interpreters)等 または ・領事館発行の自動車運転免許証抜粋証明 |