日本国内で活躍するWEBライターは近年増加傾向にありますが、中々WEBライティング1本で生活できる人はいないようです。そこで、今回は日本国内でWEBライターを本業とするための立ち回り方や仕事の方法をご紹介します。
海外ではなく国内を選択するライターの背景
ライターと言えば、ここ数年で盛り上がっているのが海外で働くトラベルライターです。トラベルライターといっても、その多くは旅行以外にも居住国現地の政治経済、タウン情報などあらゆる情報を文章に起こします。
2000年代に入り、一人一台パソコンを持つようになった矢先にブームとなった「ノマドワーカー」がその火付け役でしたね。
しかし、その一方で「海外移住はさすがに……」、「子供がいるから難しい」、「国内でライターとして生活したい」と日本国内に留まり、ライターとして生計を立てることを望んでいる方も多くいます。
日本国内で募集が急増中のWEBライター職
2010年頃からWEBライターの求人は増加をはじめ、2020年から始まった新型コロナの影響によって、多数の企業がネット集客を重要視するようにマーケット戦略を大きく方向転換しました。
これによって日本国内でWEBライターの募集が急増し、一般企業のみに留まらず自治体もライターを外注するようになりました。
新型コロナの影響はトラベルライターにとっては甚大で、旅行・観光サイトのほとんどが大きな被害を受けています。そのため、日本国内でライターとして活動する場合は、当面の間は旅行だけではなくあらゆる需要を満たすWEBライターとして実績を積み重ねていくのが賢明な判断と言えるでしょう。
コロナの影響で海外より国内ライターが重宝されている
コロナによって最も深刻な被害を被ったのは、国内ライターではなく海外ライターです。海外ライターのほとんどは観光記事が大きな収入源となっていましたが、それが2020年から断たれた形となります。
一方で日本においては外国のような厳しい社会隔離・都市封鎖は実施していないため、旅行の需要はまだ残されています。また、旅行以外の業界もネット集客に重きを置くようになったため、SEO対策としてWEBライターを急募している企業も散見されます。
WEBライターが重要視される傾向は、コロナが落ち着いたあとも変わらないことが予想されているため、本業で国内ライターを志す方にとっては、追い風となっていると言えます。
国内WEBライターのライバルは副業主婦
ただし、海外ライターと異なり、国内のWEBライターはライバルが非常に多くいます。日本社会も最近は自由な働き方が認められるようになりましたが、それでもまだまだ正社員が良しとされ、フリーライターの信用度は低いです。
そのため、ライターを本業としている人の数はそれほど多くはありませんが、その一方で副業で片手間で記事を書く主婦が、国内WEBライターにとっての最大のライバルとなります。
副業主婦ライターが強い理由
本業のWEBライターは、記事の品質と作成時間のバランスを考えなければなりません。高品質の記事は依頼主から喜ばれますが、1つの記事に何時間もかけてしまっては、ライターとして生活は到底できません。
一方で副業ライターの主婦は、品質優先の記事を書くことができるので、それだけ依頼主に重宝されます。また、最近は「子育て主婦を応援」と謳い、主婦ライターを優先して採用する企業も増えてきました。
国内WEBライターがライバルと差別化を図るポイント
国内WEBライターが本業として活動するためには、ライバルとなるライターと差別化できる強みを作らなければなりません。では、どのような強みをもってして差別化を図ることができるのでしょうか。
差別化のポイント① 実績(キャリア)の作り方
フリーランスで国内WEBライターとして活動するに必要不可欠なキャリア。会社というバックグラウンドがないため、ライターにとっては目に見える実績が名刺代わりとなります。
実績はWEBライティングと紙面媒体の両方を積み重ねるようにしましょう。紙面媒体の実績があれば、それだけで箔が付きますので、「文章力が高い」、「信頼できる」、「執筆の経験値が多い」とみなしてくれます。
また、WEBライティングの実績は、一つの業界に偏らず、あらゆる業界の記事作成を請け負うようにするのがコツ。
差別化のポイント② SEOの実績
WEB記事に求められるのは、検索上位にヒットするSEO対策です。そのため、SEOの知識や記事の書き方はある程度学習しておくことが肝要。
昨今はWEBライターの募集要項に「SEOの知識がある方」、「SEOの実績がある方」と条件付けされていることも普通です。自分がこれまで提供した記事が、どれくらいGoogle検索で引っかかるかは定期的に確認しておくといいでしょう。
差別化を図るために用意すべきソフトとスキル
国内でWEBライターとして日々記事を作成するにあたって、必ず入れておきたいソフトが下記となります。
- リサイズソフト
- 画像編集ソフト
- PowerPoint
リサイズと画像編集ソフトはフリーソフトをダウンロードできます。PowerPointは画像を加工する際に必要となります。paintやPhotoshopでも構いませんが、パワーポイントの方がスキルなしで簡単に加工ができます。
国内の本業WEBライターだからできる仕事の探し方
国内WEBライターを本業にするからには、「取材」は必ず必要となります。デスクワークだけで仕上げられる記事は、どうしても単価(報酬)が上がりません。一方で主婦ライターや副業ライターは、記事のために遠出して取材に行くことはしませんので、本業ライターはここで大きな差を付けることができます。
例えWEBライターの求人はたくさんあっても、記事単価が低く、安請け合いばかりしていては、十分な生活費を稼ぐことはできません。フリーランスでも月の収入が10万前後のライターは大勢いますが、その大きな原因は自分の強みがないため、報酬の交渉ができないことにあります。
取材を引き受ける際の注意点
ただし、取材をするためには準備が必要となるので、身一つで現地に赴かないようにしてください。
例えばトラベルライターとしての仕事を引き受けるならば、解像度の高い写真撮影が求められるので、最低でもデジタル一眼レフ、理想はフルサイズ機が必要です。食に通じた記事を書くグルメライターであれば、料理をズームで撮影するため、マクロや単焦点レンズを用意しなければなりません。
また、企業担当者へのインタビュー記事を請け負うのであれば、レコーディング機材や、場合によってはビデオカメラも必要となります。一眼レフでもビデオ録画はできますが、ピントが全体にかからないため、一部がぼやけてしまう欠点があるため依頼条件を満たせない可能性があります。
国内WEBライターは取材案件を積極的に引き受けよう!
取材の伴うWEbライティングの案件は往々にして記事の報酬が高く、1記事で3~7万円ほどが相場となります。トラベルライターであれば、取材で足を運んだ観光地やホテル、レストランで多めに写真を撮っておけば、別のサイトでも使うことができます。
取材費は記事報酬込が普通のため、上記のように1つの案件が発生したら、別の案件の撮影や取材も併せて行うのが経費削減のコツとなります。
まずは月10記事を目安に。クライアント企業を吟味しよう
1記事の報酬が取材込で3万円の仕事を月10記事請け負うことができれば、それだけで月収は30万円となり、正社員の年収400~500万円クラスの生活基盤をつくることができます。
1社のクライアントから10記事請け負うよりも、5社から月2つの記事を請け負う方が、契約を突然解除された際のリスクヘッジになります。仕事の依頼期間や記事の総数などは、契約前に交渉するようにしましょう。