長文にも対応!記事構成(ディレクション)の作り方

ライターを本職として活動することを考えるならば、近く必ず立ちはだかる難問が「記事構成の作成(ディレクション)」です。

ベテランライターでも苦手とする人がいますが、構成の作り方さえ覚えておけば、長文の記事も容易に作成できますし、構成料も貰えて収入がアップします。そこで、今回は構成の作り方と押さえておきたいポイントをご紹介します。

フリーライターにおける記事構成(ディレクション)とは

フリーライターにおける記事構成(ディレクション)とは

記事構成(ディレクション)とは、ライターにとっては記事の設計図のようなもの。骨組みとなるフレームを最初に作っておくことによって、記事の執筆の途中でテーマがぶれることなく目的の記事を作ることができます。

とはいえ、記事構成は必ずしも作らなければならないものではありません。例えば自分が得意とする分野であったり、記事構成を考えるほどの長文ではない場合は、頭の中で見出しを作り、文章を書いている途中で、次の見出しや記事の着地点が決まることもよくあります。

では、フリーで活動しているライターが、実際の執筆前に記事構成を作るときは、どんなケースが考えられるのでしょうか。

① 長文の記事を書くとき

① 長文の記事を書くとき

ライターは毎日1~3本ほど記事を書きますが、記事の文字数はおおよそ3000~5000文字程度が多いです。場合によっては1万文字を超える記事を書くこともありますが、1本の記事作成に半日かかるような分量の場合は、予め構成を作っておかなければ、文章が足らずに詰まってしまいます。

記事構成作成をたくさん経験すれば、一通り見出しを決めた時点でおおよその記事の文字数が分かりますので、もし規定文字数に足らないようならば見出しを追加するなど、記事作成の前にボリュームを調整することができます。

② 紙面媒体(出版物)の場合

② 紙面媒体(出版物)の場合

ガイドブックやビジネス書、文庫本の寄稿、自著といった紙面媒体は、一度出版すると修正がききません。失敗は許されないため、最初の段階ではじめから終わりまでしっかりと全体の構成は決めておきます。

ただし、出版物の場合は、構成を決めるのは当然編集者であるため、ライターが執筆前にやるのは「ネタ出し」程度となります。

③ クライアントから記事構成も同時に依頼された場合(SEO対策)

③ クライアントから記事構成も同時に依頼された場合(SEO対策)

WEB記事の作成依頼を受ける場合、基本的にクライアントは「SEO対策」のために記事をライターに依頼していると考えてください。そのため、読まれる記事はもちろんですが、「Google検索で上位にヒットする記事」を書くように努めなければなりません。

そのため、記事構成はSEO対策を鑑みたキーワード、タイトル、見出しを考えるスキルが求められます。本来ならばWEB記事における記事構成はクライアント側の仕事でもあるのですが、予算が限られている企業の中には、ライターに記事作成のついでに構成も依頼するところも少なくありません。

記事構成のボリュームによっては案件の受注を見直すことも必要

記事構成といっても、「最初にタイトルと見出しだけ作ってくれればいいよ」というクライアントもいれば、「各見出しの内容も100~200文字くらいにまとめて」、「キーワード検索にヒットする上位5社の競合の見出しをExcelに記述して」など、かなり細かな記事構成をライターに要求するところもあります。

例えば5000文字の記事であれば、見出しは10~15個ほど必要となるので、見出し毎の要約を作ると、それだけで2000文字くらいの分量を記事構成に費やすことになりますし、上位5社の競合の見出しをExcelに貼り、さらに自分の執筆する記事の思案をするとなると、やはり記事1本分くらいの時間と労力がかかります。

クライアントは往々にして、上記の手間を考えずに「構成からお願いします」と言ってきますので、もし引き受けてしまった場合は労力分赤字になることは必至です。クライアントが記事構成を依頼してきた際は、具体的な構成方法を教えてもらってから受注するか否かを決めるといいでしょう。

記事構成の作り方と手順

記事構成の作り方と手順

記事構成の作り方は人によってフォーマットも異なれば、ファイル形式もさまざまです。そのため、下記にご紹介する記事構成に必要となる情報を含むように、自分流のフォーマットを作るようにしましょう。

記事構成に必要な情報

  1. タイトル
  2. 要約文(ディスクリプション)
  3. リード文
  4. 見出し(h2~h3)
  5. まとめ(結論)
  6. SEOキーワード
  7. SEOキーワードの検索順位1~5位の見出し
  8. 競合1~5位の共通点と足りない点
  9. 競合の記事と比較した際の自分が執筆する記事の優位性

上記1~5は記事の中身となる構成ですが、6~9はSEOコンテンツならではのディレクションとなります。

記事構成(ディレクション)に必要な競合調査の方法

記事構成(ディレクション)に必要な競合調査の方法

上述したようにSEO記事の依頼を受ける場合は、執筆する記事の構成だけではなく、競合調査も要求されるのが普通となります。

競合の調査方法は、大きく分けて下記3つの方法が考えられます。

① 自力で手作業で競合調査を行う

SEOキーワードをGoogleで検索し、最初に出てきたページの1~5位のページの見出しを洗う程度であれば、それほど時間はかかりません。ただし、クライアントが求める情報の深度によっては、自力でまかなうのは困難を極めることもあります。

② 無料の見出し抽出ツールを使う

無料で使える見出しツールで有名なサイトは「ラッコ」と呼ばれる見出し抽出ツールとなります。こちらはSEOキーワードを入力するだけで、検索上位1ページ目のサイトの文字数と見出し(hタグ)を抽出することができます。
ラッコ見出し抽出ツール:https://rakko.tools/tools/3/

③ 有料のSEO分析ツールを使う

もし記事構成も積極的に請け負い、業務の幅を広げたいのであれば、有料のSEO分析ツールを活用するのも有効な手となります。SEOツールは年間で5~15万円ほどするので初期費用はかかってしまいますが、SEOキーワードやランキング、競合分析、バックリンクなど詳細を調査することができるので、有料ツールを使っている、というだけで自己PRとなり採用される確率がぐっと上がるでしょう。

記事構成(ディレクション)を請け負い収入が倍増にも半減にもなる

記事構成(ディレクション)を請け負い収入が倍増にも半減にもなる

フリーライターと長く良好な関係を築きたいと考えるクライアントであれば、記事の作成とは別に構成費用もしっかりと払ってくれます。構成費用は記事作成の報酬と同等か2割減程度が相場となりますので、うまくいけば構成+執筆で2倍の報酬を受け取ることも可能となります。

ただし、上述したようにライターに対して十分な構成費用を支払わないクライアントも現実的に多く存在します。例えば1文字1円で3000文字=3000円の記事作成を構成込みで引き受けてしまった場合、単純な労力がおよそ2倍となるので、まったく割に合わない案件となってしまいます。

記事構成(ディレクション)は必ずフォーマットを作ろう

記事構成(ディレクション)は必ずフォーマットを作ろう

今回は記事構成の必要な情報と調べ方をご紹介しましたが、最初に必ずやるべきことは、「フォーマット」を作ることです。記事によって、あるいはクライアントによって作り方を変えたり、最初からレイアウトを作るとなると、記事構成だけで半日以上かかってしまいますので、仕事として成立しなくなってしまいます。

そのため、記事構成に取り掛かる前に、まずは自分のフォーマットを作るのがいいでしょう。言い換えれば、そのフォーマットの情報で許容してくれるクライアントと付き合い、この情報だけでは足らない、というクライアントの依頼は引き受けない、といった線引きを自分なりにすることも大切となります。

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