ビジネスマッチングサイト(クラウドソーシング)を普段から活用しているフリーライターも多くいるでしょう。しかし、フリーライターの中には「なかなか案件を受注できない」、「安定して案件は受注できているけど、収入が上がらない」といった悩みを抱えている人も少なくありません。
そこで、今回はプロライターに向けて、ビジネスマッチングサイトの有効的な利用方法やポイント・注意点を紹介します。
フリーランス向けのビジネスマッチング(クラウドソーシング)サイトとは?
フリーランス向けのビジネスマッチングサイトは「クラウドソーシング」と呼ばれるサービスとなり、主にフリーランス(個人事業主)と零細企業が出品者(受注者)として登録し、企業から仕事の依頼を受けることができます。
登録料は無料ですが、仕事を受注すると合計金額の10~25%程度を手数料として運営側に支払うことになります。また、追加料金を払うことで自分の出品メニューをサイト上でPRできたり、検索上位に表示することもできます。
有名なビジネスマッチングサイト(クラウドソーシング)を紹介
ビジネスマッチングサイト(クラウドソーシング)は数多く存在しますが、小規模サイトに登録しても利用企業が少ないため、なかなか引き合いがありません。そのため、ライバルは多いですが、基本は中規模から大手サイトを活用することをおすすめします。
- クラウドワークス(https://crowdworks.jp/)
大手マッチングサイトの1つで、プロのフリーランス・個人事業主以外にも実績を作りたい専門学生や副業主婦の方も多く登録しています。そのため、本業フリーランスの人からすると受注単価が安くなってしまう傾向にありますが、採用率は比較的高めなので、初心者ライター及びベテランともにアカウントは作成し、定期的に自分に合った案件の有無を確認すると良いでしょう。 - ランサーズ(https://www.lancers.jp/)
クラウドワークスと対を成す大手マッチングサイト。クラウドワークスと比較すると高い専門技術・スキルを持った登録者が多く、また依頼企業も比較的高い報酬を用意してくれているのが特徴です。何か1つでも専門知識があるライターはランサーズを使いこなすことで早期収入確保が可能となるかもしれません。 - ココナラ(https://coconala.com/)
本業フリーランスよりは副業でお小遣いを稼ぐ主婦や技術系サラリーマンが多く登録しているマッチングサイトです。どちらかというとデザイン系の案件が多く、ライティングはそれほど多く見当たりません。登録して損はないですが、問い合わせが来たら運が良いくらいに考えて活用するのが良いでしょう。
フリーライターは求人情報一括検索サイトの活用もおすすめ
昨今は「求人情報一括検索サイト」も知名度を上げています。同サイトはアメリカ発のサービスとなり、日本で利用者数が多いのは「Indeed(https://jp.indeed.com/)」です。ネット上で求人情報を載せている各社ページに飛ぶことができる検索サイトで、リンク先が上記で紹介したクラウドワークスなどマッチングサイトとなることも普通なので、実際に問い合わせる場合は、リンク先でアカウント作成が必要になることもあります。
フリーライターがビジネスマッチングサイトを使うときの「プロフィール」作成のポイント
ビジネスマッチングサイトで自分に合ったライティング案件を見つけたあとは、サイトのルールに従い応募することになります。だいたい1つの案件で10~30人程度の同業者が応募し、倍率は10~20倍と考えておきましょう。
クライアントとなる企業は応募者の「プロフィール」を熟読して採用の可否を決めるので、まずは自分のプロフィールを充実させることが案件獲得の近道となります。
プロフィール作成のポイント
- 実績は執筆経験のある「業界(分野)・業種・職種」を具体的に記載
- 守秘義務に抵触しないよう自分の記事のURLを伝える
- 自分の紹介文と経歴(略歴)・キャリアは箇条書きではなく「文章」で記述する
昨今は各ビジネスマッチングサイトで守秘義務を尊重し、実績に他社サイトのURLの記述ができないようになっているケースもあります。その際は、自分のブログサイトなどに、企業に提出していないサンプルの文章を書いて、そのURLをプロフィール欄に載せるのが良いでしょう。主婦&副業ライターはやらない行為となるので、差別化ができるはずです。
「稼げない」フリーライターがビジネスマッチングサイトで実践するべきこと
フリーライターの中には「複数のマッチングサイトを使っているけど、安定して稼げない」、「依頼は受注できるけど、報酬が低くて生活が苦しい」という人も多くいます。
フリーライターがビジネスマッチングサイトを活用する際は、以下の点に留意して運用してみるといいでしょう。
手数料を鑑みて提示見積金額を見直す
近年は多くの企業がSEO対策に注力しているため、Webライティングの案件は年々増加傾向にあります。しかし、量産記事を求めている企業は文字単価1円未満に設定していることが多く、そこに本業のフリーライターが応募してしまうと、「割に合わない仕事をやり続ける」ことになり、生活が一向に改善しません。
また、運営側に支払う手数料は10~25%の幅で受注額によって増減します。一般的に受注額が多いほど手数料は低くなる傾向にありますが、Webライティングはシステム系と比較すると受注額が安いため、Webライティングの案件では天井で手数料を支払うことが多いです。企業に見積もりを提示する際は、手数料も鑑みて、「この金額なら気持ちよく仕事ができる」、「このくらい貰えれば多少依頼者のわがままにも付き合える」といった金額を考えるといいでしょう。
高額案件のみ応募するのも有効な活用方法
「稼げない」と残念がるフリーライターの応募方法を見ていると、「自分に書けそうな記事案件を手あたり次第応募している」人が大半です。最初の実績作りにはいいのかもしれませんが、「Webライティングで生計を立てる」ことにおいては失策と言えるでしょう。
基本原則、Webライティングは自分が執筆することになり、24時間の限られた時間で書ける文字数はせいぜい5000~1万文字です。文字単価1円前後の依頼を受けているうちは、どんなに案件の受注が容易であっても月間の収入は20万円を超えません。一方で1万文字/文字単価2円の案件を受注できれば、月間の稼働日数10日で20万円となり、単純に稼ぐ労力が半分で済みます。
そのため、1文字2円以上を基準として高額案件のみ応募の対象とするのもビジネスマッチングサイトの有意義な活用方法と言えるでしょう。
フリーライターは自分で集客する方法を考える
これまでビジネスマッチングサイト(クラウドソーシング)の概要や使い方を具体的に紹介しましたが、プロのフリーライターとして将来にわたって活動を続けるならば、ビジネスマッチングサイトだけに依存して生計を立てることは考えない方がいいでしょう。
近年はWebの知識がなくとも簡単にブログを作れるようになりましたし、維持費も年間で1万円前後と格安です。ビジネスマッチングサイトを使いつつ、SNSやブログなどを開設して問い合わせの窓口を増やし、ゆくゆくは自分のオウンドメディアのみで案件を成立させるのがフリーライターの目指す勝ち筋と言えるでしょう。
まとめ:フリーライターはビジネスマッチングサイトで受注目標を考えよう
ビジネスマッチングサイトを利用する際は、闇雲に案件に応募するのではなく、1か月でどのくらいの受注金額を目指すのかを考えた上で、計画的に運用してください。また、採用率が低いと感じたときは、「プロフィールを見直す」、「他のビジネスマッチングサイトを利用する」、「オウンドメディアを育てる」といった施策を考えるのがおすすめです。