トラベルライターとして海外に渡る場合、必ず持っていくべき必須アイテムの1つにクレジットカードが挙げられます。
しかし、現在はクレジットカードのブランドカードのみではなく、数多くのECサイトや銀行カードもクレジットカードを付帯しています。
そこで、今回は東南アジアの中でも人気が高いベトナムに取材に行くさいに持っていきたいクレジットカードをご紹介するとともに、現地のカード事情、ATM事情なども総合的に解説いたします。
ベトナム現地のクレジットカード事情~カード会社編
ベトナムは1986年のドイモイ政策(市場開放)以後、著しい成長を遂げていますが、国としてはまだまだ発展途上国。しかし、ITや決済分野などにおいては決して他国に遅れをとっているわけではありません。
特にベトナムは若者で溢れている活気ある国なので、人々は常に新しく便利なものを求め、地場企業及び外資企業も彼らのニーズに合わせた最先端の技術を市場に供給しています。
そんなベトナムではハノイやダナン、ホーチミンといった都心においてはクレジットカードも非常に広く普及しています。
ホワイトカラー職に就く多くの人がクレジットカードを複数枚所持しており、コンビニやカフェ、レストラン、スーパーなどあらゆるシーンでクレジットカードを利用している様子が見て取れます。都心における普及率でいえば、もしかすると日本以上かもしれません。
ベトナム現地のATM事情
ベトナム国内には複数の地場系メガバンクとインターナショナルバンク(外資系銀行)が市場の大部分を握っています。発展途上国のベトナムでは地銀は倒産の恐れがあるため、現地人はあまり使いたがりません。
トラベルライターが現地で利用することができるのは、このうちのインターナショナルバンクの方。地場銀行は大手であっても外国のキャッシュカードに対応していないことがほとんどです。
外国人の間で有名どころの銀行は「シティバンク」、「HSBC銀行」、「SHINHAN銀行」など。「Agriバンク」、「MBバンク」は地場銀行ですが、大手のため国際取引も可能。一部のATMで日本のキャッシュカードを使うこともできます。
ATMを選ぶ際は「Plus」や「VISA」のシールを確認する
これはベトナムに限ったことではなく、海外で日本のキャッシュカードを使う場合は、「Plus」や「VISA」といったシールがATMにあるかどうかを確認してください。
これがあるATMでお金を引き下ろしたりキャッシングすることができます。ただし、すべてのATMで利用できるわけではなく、カードとの相性のようなものもあり、利用できるかどうかは正直五分五分。
また、ベトナムでは都市化が進んでいるのは各地域の中央都市のみとなるので、ちょっと田舎エリアの取材が入った場合は、必ずホーチミンやハノイといった都心に滞在している間にお金を下ろしておいてください。
田舎地域では国際キャッシュカードに対応しているATMを見つけるのはかなり困難です。
ベトナムのATMで考えられるトラブル
ベトナムのATMは日本のような清潔でクリーンな雰囲気はありません。昔の公衆電話ボックスのような汚い空間となり、また機械もよく故障しがち。
外国のATMを使う際に最も怖いトラブルが「カードが機械に吸い込まれる」というもの。ベトナムでも時折見られる問題です。
基本的にどのATMでも機械の傍に問い合わせ先があり、24時間電話することができますが、無料で電話できる受話器はありませんし、仮に電話できたとしても、ベトナム語で話さなければなりません。
近くに警備員がいればいいのですが、夜の遅い時間帯にはいないので、利用する際は警備員が傍にいる時間帯および場所を選ぶといいでしょう。
両替&キャッシングはどちらがお得?
よく訊ねられる質問の中に、「海外でお金を下ろす場合は、両替よりキャッシングの方がお得なんでしょ?」というものがあります。ここでいう両替とは、通常の取引方法で銀行残高からお金を現地通貨に両替して下ろす方法です。
確かにキャッシングする場合は手数料で両替より恩恵があり、これをお得ということはできます。両替の場合はATMの手数料に加え、為替差損を1円ほど負う必要があります。
しかし、キャッシングの場合はATMに対する手数料(利用料)+返済までの利息が必要経費となるため、早く返済すれば両替よりもお得となります。
しかし、利息は年利で18%となるので、限度額限界までキャッシングすると、すぐに返せなかった時の返済額は両替の手数料を遥かに超えてしまいます。もしキャッシングをする場合は、利用後に即繰り上げ返済をすることを忘れないようにしてください。
クレジットカードと併用する際のキャッシングの注意点
キャッシュカードには2つのパターンがあり、クレジットカードとキャッシングの限度額がそれぞれ設けられている種類と、1つの枠に収まっている種類があります。
注意してほしいのは後者の方で、例えばクレジットカードの限度額が50万円、キャッシングが50万円でクレジットカードを10万円分つかった場合、キャッシングの限度額も40万円に減ります。
これは各カード会社によって対応が異なるため、事前に確認しておく必要があります。
ベトナムではVISAとmasterを各種1~2枚持っていこう
ベトナム国内で主に使うことができるクレジットカード会社はVISAとmasterの2社。
一方でJCBとAMEXは使えない店舗が多く、またJCBは他のカード会社よりも手数料が高く設定されている場合があります。VISAしか使えないというお店はほとんどないので、基本はmasterと両立して使うことができます。
ただし気を付けてほしいのは、利用するお店によっては、なぜか原因不明のエラーが発生してカードが使えない場合があるということ。そのため、カードは複数枚持っていくほか、ある程度の現金も常に財布に入れておくのが望ましいです。
ベトナムではデビットカードとクレジットカードはほぼ同じ普及率
日本ではクレジットカードは使えるけど、デビットカードは使えないといった商店も珍しくありませんね。
しかし、ベトナムではクレジットカードが使えるお店はほぼ100%デビットカードも使うことができるので、カードを取り出すときに迷うことはありません。
デビットカードはクレジットカードと異なり、使ったらすぐに銀行からお金が引き落とされるので、「今月いくら使ったかな」という心配が不要。現金主義という人の中でも、昨今はデビットカードを徐々に利用するという方も少なくなくなってきました。
トラベルライターがクレジットカードが絶対に必要なわけ
トラベルライターの取材でベトナムに渡る場合、まず何日滞在するのかが読めないケースが多々あります。
取材自体は数日で終わったとしても、その後全国の観光都市を歩いて写真のストックやお店の情報を集めることもトラベルライターにとっては重要な仕事。そのため、日本から持っていくお金だけではちょっと不安があります。
現地の支払いはもちろん、ネットでホテルを予約したり、帰りの飛行機のチケットを手配したりする場合もクレジットカードは必要となります。
クレジットカード番号だけではダメな場合もある
「クレジットカードは持っていくのが怖いから、番号だけ控えておけばいい」と考える人もいるかもしれませんが、これは絶対におすすめできません。
昨今はセキュリティチェックも厳しくなり、カードの不正利用防止のため、各航空会社やホテルでは、クレジットカードにより予約した場合、現地でチェックインする際は利用したクレジットカードの現物を要求してくることがあります。
ベトナムに取材へ行く際はに、クレジットカードを有効的に利用しよう
ベトナムは日本人が訪れる年間旅行者数の多い旅先Top5に入り、さらに毎年旅行者数は増加しています。十年前に圧倒的に多かったバリ島にとって代わった格好で、より近く、より物価の安いベトナムが人気の座を射止めました。
今後もトラベルライターを続けていくのであれば、必ずベトナムは取材先に入ることかと思います。ベトナムに行く前は、現地の情報をできるだけ多く集めるとともに、今回紹介したようにクレジットカードもマストアイテムとしてしっかりと用意しておくといいでしょう。